映画「アメリ」あらすじと感想【ネタバレあり】人と違っていたって幸せに満たされる
世界中で大ヒットしたジャン = ピエール・ジュネ監督のフランス映画です。
元は「奇跡の海」を観た監督がエミリー・ワトソンを想定して書き上げた脚本でしたが、彼女の妊娠によりオドレイ・トトゥが主演になって知名度を爆上げさせています。
相手役は監督としても活躍しているマチュー・カソヴィッツ。
ナレーションをアンドレ・デュソリエが担当し、監督のお気に入り俳優ドミニク・ピノンをはじめ、ヨランド・モローやジャメル・ドゥブーズなど個性派が揃っています。
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あらすじ
元軍医の冷たい父と、元教師の厳格な母との間で生まれたアメリ・プーラン。
6歳のときに父から健康診断を受けるときに、滅多に触れ合わない父に触られることにドキドキしていたら心臓病と誤解されてしまい、学校にも通わせてもらえず孤独な幼少期を過ごす。
勉強は家で母から教えてもらっていたが、ある日母はアメリの目の前で自殺志願者の巻き添えになって死亡。
18歳になって家を出た。
現在はモンマルトルのカフェ「ドゥ・ムーラン」で働いている。
孤独の中で培った想像力はたくましく、職場やアパートの人たちを観察し、好きなことをしては楽しい妄想に耽っていた。
ダイアナ妃が亡くなったニュースが飛び込んできた日、アパートの壁の中にお菓子の缶が隠されているのを発見。
中には40年位前の少年の宝物が詰まっていた。
ふと思う。
「この宝箱を本人に返そう。喜んでくれたら自分の世界を飛び出そう」
アメリはさっそく行動を開始。
管理人のマドレーヌに前の住人のことを聞くが、最古参の八百屋コリニョンに聞くように言われた。
コリニョンからは自分の母親に尋ねるように進言されて住所を教えてもらったが、従業員のリュシアンを虐める姿がアメリには不愉快だった。
コリニョンの父母から、宝箱の少年はドミニク・ブルドトーだと教えてもらって、電話帳を頼りに同姓同名の人たちに会いに行くがどれも空振りに終わる。
行き詰まったアメリに、同じアパートに住んでいながら外出嫌いの孤独な老人レイモンドが声をかけてきた。
「ブルドトーではなくブルトドー」と間違いを指摘されて調べ直すと、簡単に本人に行きついた。
アメリは自分だと分からないようにして宝箱をドミニクに返す。
彼はこの奇跡に胸をいっぱいにしながら、疎遠になっている娘に会いに行こうと決めた。
それを見たアメリは、孤独で風変りな自分が初めて世界と調和したように感じ、人を幸せにすることに喜びを見出した。
同僚とお客の仲を取り持ったり、盲目の老人に道案内をしたり…
そんなある日、駅構内の証明写真機で捨てられた写真を集めている風変りな男性ニノに一目惚れする。
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感想
何度観ても可愛らしい映画ですよね~♡
モンマルトルの街並み、小物が溢れた室内、鮮やかな色彩感覚…
アメリはじめ個性的な人たちばかりだけど、みんな一生懸命に生きている。
内気でも内気なりの恋のアプローチの仕方があり、グイグイ押せ押せで行くだけでは出て来ないアイディア勝負に面白さがあります。
他者とのコミュニケーションが苦手でも、行動する勇気を教えてくれる映画です。
誰にでも好きなものと嫌いなものがあり、それが人と違っていたって良い。
アメリを主人公にしながらも、群像劇のように脇役にまで気を配った脚本が最後まで飽きさせない演出に繋がっていて、ラストまで観客を引っ張っていきます。
可愛らしい中にもジュネ監督らしいブラックさがあるところが、生きづらさを感じながらも一生懸命に生きている人たちへのエールが少し捻くれた感じで伝わります。
ただ真っ直ぐにエールを送るだけでは説教臭く思われるものを、ブラックな味付けで緩和していると思いました。
好みによるかもしれないですが、上手いと思いますし、私は好きです。
変人な自分を持て余して落ち込むことが多いのですが、この映画を観た後は前向きな気持ちになります。
しょっちゅう他人から「変な人」と言われて傷ついてきましたが、迷惑をかけていないなら別に「変」でもいいじゃない、と思うようになりました。
人とは違うものが好きでも、好きなものがないよりいいと思いますしね。
心は満たされます。
この映画の登場人物たちはみんな変わったものやことが好きな人たちばかりです。
そしてみんな、どこか幸せそう。
この映画はじめ、全編にハッピー感が漂う作品は心に栄養を与えてくれますね。
大好きです♡
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