なろう系「婚約者様差し上げます ~ヒロイン登場まで待ちません~」あらすじと感想【ネタバレあり】
今回は鈴森ねこさんの悪役令嬢転生ものです。
全109話で完結しており、1話ずつの文章も長くはないのでサクサク進みます。
読むのが早い方なら1日で読了できるかもしれません。
婚約者様差し上げます~ヒロイン登場まで待ちません~ (syosetu.com)
あらすじ
格闘家を目指していた18歳の日本人女性が、トラックに轢かれて転生した先は見覚えがない世界だった。
流行りの異世界転生だと察しはついたが、鏡に映っている幼い美少女が誰だか分からない。
部屋にやってきた侍女に記憶喪失のテイで、自分が誰なのか聞くと、慌てた侍女が大騒ぎして美少女の家族がなだれ込んできた。
そして自分の名前がアウラリーサ・ブランシェルと聞いて驚愕した。
乙女ゲーム「メルディアの白雪姫」に登場する悪役令嬢である。
ゲームの舞台である学園に一度も登校せず、部下に命じてヒロインのビアンカ・ネーヴェを陥れようとする物語のラスボス。
攻略対象のひとり王太子アイザックの婚約者なのだが、物語の最後のほうで体重300キロの超巨漢令嬢だと判明し、そのスチルはユーザーを驚かせるに十分なものだった。
そしてどの攻略対象ルートでも、アウラリーサは婚約破棄からの死罪となる。
そんな彼女になってしまった現在のアウラリーサは、その未来を全力で回避しようと心に決めた。
優しく美貌の両親と兄に囲まれ、公爵家という申し分のない家柄。
それがなぜ、あんな未来になったのか…
そして閃いた。
ビアンカを公爵家で引き取って妃教育を受けさせ、アイザックと引き合わせた上で自分との婚約は解消させてしまえばいい。
名案を思い付いたアウラリーサは、さっそく父に頼んでビアンカを探してくれるように頼みこんだ。
兄のカシュオンに家の中を案内してもらい、まだ6歳とはいえ自身の体力のなさを実感。
あの超肥満体型を避けるため、まずは敷地内の散歩から始めることにする。
ブランシェル公爵家には専属の騎士団がおり、マッチョ好きのアウラリーサは色めき立った。
アウラリーサには、フレッドという専属護衛騎士がつく。
ゲームのような未来を順調に回避していると思ったが、家庭教師のメイナード夫人から陰で虐待されていることを身をもって知り、闇墜ちの原因はコイツか、と闘争心剝き出しで反撃に出た。
婚約者様差し上げます(1) ~ヒロイン登場まで待ちません~ (FLOS COMIC) 新品価格 |
感想
緩急の効いたストーリーと読みやすい文章で、どんどん読み進められました。
キャラクター描写も良く、勝ち気な格闘令嬢になったアウラリーサが悪を成敗するスカッと感があります。
御多分に漏れず、こちらも転生者だったヒロイン・ビアンカがどうしょうもない品性の女の子だったのですが、この作品では彼女のざまぁ展開は避け、アウラリーサの教育により淑女に変身。
王子殿下に似合う女性になってから学園入学になります。
口調から直させたアウラリーサですが、この小説は彼女の一人称で書かれていて、心の中では結構アウラリーサも口が悪いです。
猫を何十匹も被る元格闘少女、この世界への順応も、態度の切り替えも早い。
入学すると登場キャラクターは増え、かつてのビアンカのようなアタマ湧いてる女生徒シャーリィが登場。
アイザックに付きまとい、周囲を困惑させる悪役… かと思いきや、行動力のある気のいいバカでした。
最初のうちは「なんだコイツ」と読者のヘイトを集めそうな子なんですが、アイザックが誘拐されたときには馬鹿力を発揮。
(本来の「怪力」の意味の方ではなく、本当にアタマ悪いがゆえに出せる馬鹿のパワーのことです)
この作品のお笑い部分を一身に背負っていて、アウラリーサ同様、たしかにこれは憎めない。
後半では登場が待ち遠しいキャラになりましたw
その頃にはアウラリーサももうマッチョにウヘヘヘヘとはしなくなるしさ チェッ
兄カシュオンの存在がどんどん薄くなるのも気の毒ではありますが。
短いながらも二転三転する起伏のあるストーリー展開が飽きずに楽しめる作品です。
コミカライズの方はまだ幼少期なので、これからも読んでいこうと思います。
こちらではもっとマッチョを愛でるアウラリーサになるのでは、と期待しています。
(実際原作にはなかった、王宮騎士の筋肉を服越しに観察するド変態になっていて、良き!)
こちらもよろしくお願いします
「108回殺された悪役令嬢。すべてを思い出したので、乙女はルビーでキセキします。」感想
獄中令嬢 vs バカ王子「婚約破棄から始まる悪役令嬢の監獄スローライフ」感想
婚約者様差し上げます(1) ~ヒロイン登場まで待ちません~ (FLOS COMIC) 新品価格 |
婚約者様差し上げます(2) ~ヒロイン登場まで待ちません~ (フロース コミック) 新品価格 |