映画「ヒズ・ガール・フライデー」あらすじと感想【ネタバレあり】
「特急二十世紀」でもスクリューボール・コメディの手腕を発揮したハワード・ホークス監督の作品です。
主演のケーリー・グラントとロザリンド・ラッセルの、マシンガントークな掛け合いが圧巻です。
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あらすじ
新聞の暗黒時代。
記者たちは特ダネのためなら殺人以外のなんでもやった。
中堅の新聞社「モーニング・ポスト」編集長ウォルターのところに、元妻のヒルディがやってきた。
再婚の報告に来たのだが、元敏腕記者である彼女に復縁を迫っているウォルターは、ある事件の記事を書いてほしいと頼む。
黒人警官を殺害した罪で死刑判決を受けたウィリアムスという男の執行が明日に迫っている。
次の選挙で黒人の票を欲する知事が、わざと精神鑑定で「正常」の診断を下させて滞りなく執行させるためだった。
もう記者なんて辞めて結婚する、と固辞するヒルディだが、一緒に話を聞いた彼女の婚約者ブルースは、人の命がかかっていることだから、と汽車が出発するまでの時間、記者に戻ることを促した。
ふたりは今夜、ブルースの母も交えてアルバニーに向かうことになっているのだ。
そこで新生活をスタートさせる。
ウォルターは、ブルースが保険員だと聞いて、ヒルディが今回の記事を完成させたらブルースの顧客として保険に入る、とまで言い出し、ヒルディは了承した。
ヒルディの提案でまた新たに別の医師でウィリアムスの精神鑑定をすることになった。
彼女は行き慣れた、裁判所のプレス・ルームに顔を出す。
中庭では、明日の処刑で使う絞首台の動作確認が行われていた。
ウィリアムスはこの裁判所内の檻にいる。
ヒルディはさっそく彼に面会し、無実を訴える彼の言葉を聞いた。
プレス・ルームで執筆していると、ウィリアムスに毎日面会に来ているモリーという女性が、他の記者たちを非難する姿を見る。
モリーをからかい、デマを書き散らす彼らに、ヒルディもウンザリした。
そこへヒルディ宛てに電話が入る。
ブルースが留置所に入れられてしまったのだということだった。
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感想
ちょっとした脇役にすら個性を持たせて面白くさせる手腕がすごいですね~。
ジャイアンみたいなゴリ押しと、スネ夫のようなずる賢い性格を併せ持ったウォルターに、そんな脇役たちも振り回されます。
特にブルースなんて何回留置所に入れられているんだか…(;´∀`)
ウォルターの出番自体はそんなに多くないのに、存在感というか出てきた時のインパクトは強いです。
とにかくもう早口でまくし立てます。
そんな彼にヒルディも負けずに早口で応酬。
ヒルディはほぼ出ずっぱりなので、マシンガントークだけではなく、動きも忙しないチャカチャカしたコメディ演技が求められています。
二つの電話を行ったり来たりしたり、刑務官を走って追いかけたり、脱獄したウィリアムスを慌てて隠したり…
それに合わせて表情もクルクル変わります。
クールなキャリアウーマン “私はいい女” 風に登場したときとえらい違い。
だけどそんな慌ただしさこそ実は彼女が求めていたものだったんですよね。
水を得た魚のように生き生きと記事に取り組みます。
1940年の作品ですが、女性が家庭におさまらず好きな仕事でキャリアを積むことを礼賛している、ウーマンリブの先駆けとなった映画かもしれません。
その他にも、ウォルターのセリフで「ヒトラーの記事なんかコメディ欄にやっとけ」とか、ブルースの外見を実際の演じている俳優「ラルフ・ベラミーに似ている」とか言って、ちょっとした小ネタも挟んであって面白かったです。
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