角川アニメ作品第1弾「幻魔大戦」あらすじと感想【ネタバレあり】
1983年、角川がアニメーションにも力を入れることになり、最初に選ばれたのがこの平井和正先生原作の「幻魔大戦」でした。
りんたろう監督の指名で、キャラデザは漫画家の大友克洋先生が担当。
当時は夫婦だった古谷徹さんと小山茉美さんが主人公とヒロインを演じています。
他に俳優の江守徹さん、美輪明宏さん、穂積隆信さんなど。
角川三人娘の原田知世さんも、この作品で声優デビューです。
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あらすじ
宇宙の破壊者・幻魔大王により星々が消えていくなか、地球にも危機が迫っていた。
その命運は、予知能力を持つひとりの少女にかかっている、と予言者はいう。
トランシルヴァニア第一王女ルナは、飛行機に乗っている時に墜落を予知。
直後に隕石がぶつかり、落下するルナに光が当たる。
実体がない意識体が直接ルナの意識に話しかけてきた。
フロイと名乗り、地球上の超能力者たちを集めて幻魔と戦うように言ってくる。
その際、先の幻魔との戦いで2千年の眠りについていたサイボーグ戦士ベガをルナに遣わした。
王女としてのルナは死亡し、バイオニック戦士ルナとして生まれ変わる。
東京で姉と暮らす高校生・東丈は、野球部のレギュラー入りが叶わなかった上、恋人の淳子から「距離を置こう」と言われてしまう。
肩を落として夜の街を歩き、ふと入った路地裏でベガに遭遇。
訳が分からないうちに攻撃されて必死に逃げ回る。
しかしベガは執拗に追いかけ、丈は建築工事現場で追い詰められる。
丈の恐怖は怒りに変わり、そのパワーは念動力となって発動した。
危険を感じたルナが飛び出して説得しようとしたが、その声が耳に入らない丈は、ルナごとベガに向けて建築資材を次々と飛ばしていく。
ルナを庇ってベガが身動きできなくなった隙をついて丈は逃げ延びた。
そして今の念動力は自分の力なのかと不思議がる。
常人にはない力を丈は誇らしく思うが、翌日友人の四郎に力を見せると、人を支配下に置くつもりかと言われて絶交されてしまう。
友人も恋人も失い孤独を嚙みしめる丈に、ルナはテレパシーでコンタクトをとることにした。
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感想
今観ると、なんか色々… 観ているこっちがこっ恥ずかしい気持ちになりますね… (;´∀`)
「私はバイオニック戦士ルナ (キリッ」とか「サイキックウェーブ・マッサージをしてみよう」とかのネーミングセンス。
「アハハ」「ウフフ」が止まらない姉弟の遊園地デート。
あっちゅー間に東京もニューヨークも廃墟になるハルマゲドン。
愛がすべてを救うんだ、の浅いテーマ。
う~ん、どれもこれも香ばしい ( ̄▽ ̄)
そして、仲間になるのに手こずったのは丈とソニーくらいで、後は全員ルナのテレパシー放送 (このネーミングもまた…) をキャッチしてすぐに合流してきます。
丈に時間かけ過ぎなんですよね。
主人公だからしょうがないのかもしれないけど、実質の主人公はベガだったし。
あのラストは反則でしょ。
しかも婚約者を幻魔に殺されているとか、ヒーロー設定がすぎる。
で、なんだか色々痒いな~、なんて思っていたのですが「でもこの映画はアクションが肝だし」と観ていたのですが…
なんかあんまりアクションがない (・∀・)
サイキック・バトルのせいか、幻魔含め人物が動かない。
直立不動のままオーラがヴォンヴォン出て、瓦礫やらなんやらを飛ばしているだけ。
おかしいな。
昔観たときはもっと迫力あったと思ったんだけど、今観たらショボい。
お姉さんの死闘が一番アクションしていたような気がします。
さすがにラストバトルは全員で迎え撃つ感があって迫力を出してましたけど、丈の身体を分割画面で割ったり、ベガの命令どおりの陣形を全員即興で作れたり (いつの間にそんなチームワークが取れるようになったんだ) オーラを出しながら飛んでいるだけにしか見えなかったり、と小手先で誤魔化している感じは否めない。
この映画、昔は好きで何度か観ていたんだけど、今回久しぶりに観たら粗が目立ってしまってかなり辛口になってしまいました。
大人になったら合わなくなる、というものですね。
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