映画「ミレニアム2 火と戯れる女」あらすじと感想【ネタバレあり】
2009年公開。
三部作すべて一年間のうちに公開しているハイスピードぶりです。
前作は純粋な犯人捜しのミステリーでしたが、今回は容疑者にされたリスベットと彼女を心配するミカエルが、それぞれの分野からアプローチして真犯人を追うクライム・サスペンスになっています。
あらすじ
ヴァンゲル一族の事件が解決して1年。
母も亡くなり、カリブの別荘で悠々自適に過ごしていたリスベットは、ハッキングで後見人のビュルマンの背信に気づき、急遽スウェーデンに帰国する。
その少し前にビュルマンは、リスベットに関する資料を欲しがる人物と接触し、交換条件としてリスベットが持っている録画データを持ってくるように伝えた。
帰国してすぐ、リスベットは寝ていたビュルマンに彼の銃を突きつけて、ちゃんとやるように言いつけて出て行った。
身の危険を感じている彼女は、以前住んでいたアパートを恋人のミリアムに提供している。
ここに来た手紙の類を受け取っておいてほしいからだった。
一方ミカエル率いる雑誌「ミレニアム」に、新たな記者が加わった。
少女売春・人身売買組織を追っているダグという青年だ。
ダグは犯罪学を学んでいる恋人のミアと一緒に記事を仕上げようとしている。
ちょうどミアの論文が製本され出来上がったタイミングだった。
それでもまだ固めなければいけないことがあり、ダグはミカエルから助言をもらいながら遂行していた。
妹一家の夕食会にきていたときにダグから電話がかかり、見てもらいたい資料がある、と相談される。
帰りにダグのアパートに寄って資料を受け取ることを約束し、そちらに向かった。
しかしアパートの中は住人たちが右往左往して、ものものしい雰囲気になっている。
何があったのか聞いてみると、アパート内で銃声のような音がした、と聞いてミカエルは急いでダグの部屋に向かった。
中に入るとダグとミアが銃殺されていた。
警察の鑑識により、使用された銃はビュルマンのものと判明。
そしてビュルマンもまた殺されており、銃に指紋がついていたリスベットが容疑者として追われることになる。
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感想
一年ぶりに以前働いていた調査会社の社長に会いにきたリスベット。
何も言わず行方をくらませていた彼女に、社長はつれない態度です。
この一年間、社長もリスベットを心配していたし、ミカエルからは頻繁にリスベットから連絡があったら知らせてほしい、とお願いされていました。
脳卒中で倒れた以前の後見人も、入院してから一度もリスベットが見舞いに来てくれないことを寂しく思っている、と彼女に伝えます。
後見人はすでに亡くなっていると勘違いしていたリスベットに、恩のある人のことを調べようともしないのか、と社長は呆れました。
そして自分勝手なことばかりして、本気で心配してくれている人をないがしろにしているリスベットを咎めます。
人間、不思議なもので、何故か「自分を気にかけてくれる人より、粗末に扱ってくる人のほうが、価値が高い」と勘違いすることがあります。
本気で自分の身を案じてくれる人は家族や親友などの身近な存在のため、近すぎてありがたみが分からなくなるというか…
何か言われて反発することもできるくらい甘えられる相手なんですよね、本音を言うと。
だけど本当に大事にしないといけない人は、自分を助けてくれる人なんですよね。
苦言を呈されたり叱られたりして面白くない思いをさせられるかもしれませんが、心配されているからこそ。
大事にするべき人をきちんと見極めて、その人たちに礼を尽くしていきたいところです
リスベットの無実を信じているのはミカエルだけではありません。
彼女のボクシング仲間のパオロもそうで、彼はミレニアムに電話をかけてそう訴えました
ミカエルは彼に会い、リスベットの居所を知っていると思われるミリアムを探してほしい、と頼みます。
ミリアムはキックボクシングをやっていたため、パオロも知っていました。
パオロがリスベットの元のアパートを張っていると、ミリアムが歩いてきます。
しばらく車で待機している間に、ミリアムは“金髪の巨人”に襲われ、車で連れ去られてしまい、パオロは急いで追いました。
ミリアムは人里離れた廃屋に連れ込まれ、リスベットの居場所を吐くように何度も殴られます。
実際にリスベットがどこにいるか知らない彼女は口の割りようもなかったのですが、巨人はチェーンソーまで持ち出してきました。
様子を見ていたパオロは、こらえきれず小屋に飛び込んで巨人に殴りかかります。
かなりの体格差があり、ボクシングがウエイト制なことを考えると、こんなに巨大な相手と戦ったことはなかったと思います。
自分の拳が武器とはいえ、チェーンソーを持っている巨人相手に丸腰です。
それでも目の前で危険にさらされている人を放っておけず、自分の身を省みずに立ち向かいます。
自信があるとかないとか考えている余裕はなかったと思います。
ただ必死。
正義感が強い人は腕に覚えがなくても、なんとかしようと行動します。
目の前で誰かが危険な状態になったとき、どう行動するか。
ヘタに立ち向かって自分が危険になったら本末転倒になってしまいますね。
無理はせず、自分の力量やそのときに出来ることを冷静に考えて判断したほうがいいと思います。
このケースの場合、たぶん私ならミリアムを連れ去った車のナンバーを覚えてから通報する、という行動をとるでしょうね。
とはいえ、考えるより先に行動して本当に人を救った方もいるし、そのカッコよさに胸熱になります。
これぞ真のヒーロー…(∩*☆∀☆)∩フルフル
ああでもやっぱり滅多なことではやっちゃダメです。危ない危ない。
ちなみにパオロですが、元ボクサーのパオロ・ロベルト本人の設定での出演です。
芸能人や有名人が本人役でフィクションの世界に入ることはたまにありますが、大抵はカメオとかなので、こんなにガッツリ出演して演技するのは珍しいですね。
前回一緒に事件を解決したミカエルとリスベットですが、今回はラストでようやく顔を合わせます。
それぞれの案件を別方向から追いかけて、それが同じ事件につながるマルチサイトシステムのような構成です。
ミカエルサイドとリスベットサイドを切り替えて進める推理アドベンチャーゲームになったらハマるかも、とか考えちゃいました。
そのシステムでめちゃくちゃ面白いゲームはこちら
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個人的には前作のほうが面白かったですが、リスベットという女性の人物像がさらに深く掘り下げられていて、より “虐待をうける女性” の悲惨さを際立たせて問題提起しています。
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