弥嶋よつば「明日誰かに話したくなる王家の話」【感想】みるもな&ソフィアと世界史の旅にレッツゴー
ライト (というか半端) な歴史ファンの私が、ゆっくり系世界史解説動画「よつばch」を見つけたのは、You Tubeのトップページ (要するにオススメだ) に「リチャード三世のDNA鑑定」という興味深い動画が目に入ったからでした。
それ以来、観やすい・面白い・分かりやすい、の三拍子が揃ったこのチャンネルのファンになり、最初の動画から全部見ている数少ないチャンネルになっています。
そして6月30日に初の書籍が出版されると聞いて、珍しく予約まで入れて購入しました。
(普段は気になる本があっても、出版されてしばらく経ってから購入、ということが多い)
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本の概要
動画と同様、チャンネルのキャラクター、仔猫のみるくと犬のもなかの会話で進めていく形を取っています。
もなかの真面目な解説にみるくがボケたりツッコんだり、それをまたもなかがツッコんだり…
監修の塾講師・平松健さんが要所要所でワンポイント解説を加えています。
(「北斗の拳」まで解説する熱量w)
今回本に収まった有名一族は、動画でも取り上げられた「スペイン・ハプスブルク家」「エジプト・ツタンカーメン家」、この本で初解説の「イタリア・ボルジア家」、最後に短命などの理由で独立した章にするほどではなかった「その他のおもしろ王家」をまとめています。
最後の章ではチャンネルのアイドル、ロマノフ朝皇女ソフィアも登場。
(だからこの記事のサムネは彼女にしてあります)
相変わらず自分のことを「ワシ」と呼び、女帝となるべく玉座を狙っている、愛すべき危険人物です。
各章ごとにページの色が違っているので、読みたい章を見つけやすくなっています。
オールカラーで紙の質も良き。
本ではみるもな以外のよつばさんのイラストも見られます。
感想
キャラクターふたりが会話するスタイルは、動画だからこそ活きていると思っていたので、書籍になると「どうかな~」と疑問でした。
しかし読んでみると、その軽妙洒脱なやりとりは本になってもリズム感というか、テンポの良さに変わりはありません。
とても読みやすく、サクサクと進みます。
動画のときと同様に、肖像画がドン!と出て「○○やないかーーー!」とみるくちゃんがツッコむ様式美も違和感なし。
語彙力豊富な鋭いツッコミに、何度も声出して笑いました。
特に今回は、待ち望んでいたボルジア家が満を持して登場。
チェーザレが武将として有名なのは知っていましたが、彼がそうなるまでの流れがきちんと解説されていて「あ、そういう経歴でああなったのね」と分かって興味深かったです。
彼に関しては「妹ルクレツィアを溺愛」「弟や妹の夫を嫉妬で殺害」「女好き」「いかがわしいパーチー (父主催) にノリノリで参加」「城も落とすが女も落とす」などなど、余計なエピソードのほうがよく入ってくるから、チェーザレが武将になった経緯が私の中では曖昧だったんですよね (;´∀`)
それが分かりやすかった上に「フランス病」なるものも知れて面白い。
しかもそのフランス病、数ページ読み進めると再度出てきて、けっこうなロングスパンで伏線回収する構成の上手さに、笑いながらも「すごい」と感心しました。
動画にしていないこともあり、この第三章が一番ページ数を割いています。
第一・二章は共に動画になっていますが、本のいいところは「もう一度確認したい」と思った箇所をすぐに読み直せるところですよね。
動画だと「何番目の動画のどのくらいの時間の箇所だっけ?」となって観返すのが面倒になるのですが、章ごとに色が違っているこの本は、適当にあたりをつけてパラパラッとめくると「あったあった」とあまり時間をかけずに見つかります。
本になったことで、忘れていた人物やエピソード、関係性などが再確認できました。
より記憶に残りやすくなったと思います。
すごく楽しく読めました。
まとめ
この本が出版される直前に、10回までシリーズが続いた「ユリウス・クラウディウス朝」の動画が終わったよつばch。
次の旅はどこになるでしょうか?
また次の動画を楽しみにすると同時に、早くも次の本を待ち望んでいます。
それにしても、よつばch、まだ3年しか経ってないのにもう書籍が出る人気ぶり…
このブログなんてその半年前から始めているのに不人気…
いろんな面で実力差があるから仕方ないと納得しつつも、ちょっと切ない ( ;∀;)
でも地味に頑張ります。
いつも読んでくださっている方たち、はじめましての方たち、みなさま本当に感謝しております。
ありがとうございます、これからもどうぞよろしくお願いします。
本を読んで、改めてそう思いました (世界史関係ない副産物)
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本にはこの人たちも登場
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