「バニー・レークは行方不明」あらすじと感想【ネタバレあり】
オットー・プレミンジャーが監督した1965年のサスペンス映画です。
主演は「ポセイドン・アドベンチャー」でもブラコンの女性を演じたキャロル・リンレイ。
名優ローレンス・オリヴィエ、「2001年宇宙の旅」のボーマン船長役で有名なキア・デュリアらが脇を固めます。
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あらすじ
4歳の娘バニーを保育園内にある「新入園児 待機部屋」に置いてきたアン・レーク。
電話で話したはずの保育士を捜すが誰もいない。
給食室に入ると調理員の女性がひとりいたので、バニーが待機部屋にいることを誰かに伝えてもらうように頼んだ。
アメリカからロンドンに来たばかりのアンたち母娘は、兄のスティーブンのアパートでこれから暮らしていく。
スティーブンは今、仕事の関係から上司の家で寝泊まりしているので、アンはひとりで荷解きを始めていた。
大家の友人だという気味悪い男が勝手に入り込んできて気分の悪い思いをするが、買い物なども済ませて、アンはバニーを迎えに再び保育園にやってきた。
しかし帰っていく子供たちの中にバニーはいない。
周囲の保護者や保育士たち、残って給食を取っている子供たちも全員バニーを知らないという。
不安に駆られたアンは兄のスティーブンに来てもらう。
ふたりで園長を問い詰めるが、電話で話した保育士も、さきほど話した調理員ももう帰宅してしまい、誰もバニーを見ていない。
待機部屋にはバニーの他に乳幼児がいて、バニーはその子と遊んでいたはずなのだが、待機室には乳幼児ひとりしかいなかった、と言われてアンはショックを受ける。
園長の許可を得て園内をすべて見て回るが、バニーはどこにもいなかった。
ついに警察が呼ばれ、やってきた担当刑事のニューハウスは全員から事情聴取をした上で、バニー・レークは本当に実在する人間なのか疑い始める。
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感想
最初からバニーが出てこないので、観ているこちらもニューハウス同様にバニーの存在を疑い出します。
アパートから消えるバニーの持ち物。
観客はじめバニーの姿は誰も観ていません。
そしてアンが子供の頃に作ったイマジナリーフレンドのバニー。
娘バニーとは、アンが作り出した空想の産物なのか、というのが前半の焦点になります。
徐々に髪がザンバラになっていくアンは、心配している普通の母親の姿なのか、それとも精神的に錯乱しているのか、その曖昧な境界線が観客をミスリードしていきます。
上手いです。
怒鳴って俳優を怖がらせることで有名なプレミンジャーが、この作品でもリンレイを怒鳴って委縮させていたそうですが、その効果が表れています。
酷いことするわ… と呆れますけどね (-“-)
そして後半は、追われる恐怖が展開します。
人形専門の修理店でバニーの人形を見つけたアンでしたが、ここから一転。
迎えに来たと思っていたスティーブンの行動と表情に息を呑みました。
危険信号チカチカ。
このサイコを出し抜くために、アンは知力と体力を全部使います。
幼児退行しているスティーブンに合わせてスキップスキップランランラン♪ 目隠し鬼でワーイ♪
アホみたいな姿に「何してんの、アンタら…」と脱力しそうになりますが、ちょっと気を抜くとスティーブンがすぐに闇落ちモードの顔でサイコな行動しようとするから、「そうだ、アンも仕方なくやってるんだよね」と気を取り直します。
バニーを捜す前半も、スティーブンと対峙する後半も、先が読めなくてドキドキしながら鑑賞しました。
すごく面白かったです。
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