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映画「狼たちの午後」あらすじと感想【ネタバレあり】ダークヒーローなんて夢

 
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駆け出しライターのポムりんごと申します。 最近はめったに雪が積もらなくなった雪国在住。 映画や海外ドラマの視聴が趣味で、それが高じて英語学習もやっています。 英検準一級。TOEIC780。 漫画やゲームも好きな完全内向型。 家にこもってわがまま(セルフィッシュ)三昧に日々過ごしてます。

実際に起きた銀行立て籠もり事件を、シドニー・ルメット監督、アル・パチーノ主演で映画化した作品です。

ゴッドファーザーでパチーノと兄弟役だったジョン・カザールが相棒役を演じます。

クリス・サランドンや俳優マシュー・ブロデリックの父ジェームズ・ブロデリックなども出演しました。

 

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あらすじ

1972年8月22日 ニューヨーク

うだるような暑さの午後、閉店間近のチェース・マンハッタン銀行に三人の男たちが入ってきた。

最後の客が出て行ったタイミングで、リーダー格のソニーはギフトボックスの中に隠し持っていたライフルを行員たちに向ける。

仲間のサルもそれに倣い、支店長に銃を合わせた。

しかしもう一人の仲間が、このタイミングで怖気づいてしまう。

ソニーは彼が出て行くのを認め、警備員に銃を突き付けて鍵を開けさせて解放した。

そしてまた鍵を閉めさせて警備員にも奥に行くように指示。

支店長に金庫を開けるように、行員のひとりには、持参した袋に中にある現金を入れるように命令した。

だが現金は本部に輸送したばかりということで、わずかばかりしか残っていなかった。

ソニーは各窓口にある現金も袋に入れさせ、最後に出納簿を燃やす

それで満足してサッサとズラかろうとしたが、銀行から煙が出ていることを不審に思った通行人が、足を止めてこちらをジッと見ているのが目に入る。

支店長の機転でやり過ごすことができたが、今度はソニー宛に電話がかかってきた。

戸惑いながら受話器を受け取ると、市警察のモレッティ警部と名乗る人物からで、すでに完全に包囲されていると伝えられる。

向かいの床屋から刑事たちがこちらを見ており、パトカーや野次馬、マスコミが集まりだしてきた。

 

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感想

杜撰だな~~~ (; ̄▽ ̄)

あ、いや、この映画のことではなくて、強盗計画が。

顔も隠さず犯行に及び、土壇場でしり込みするヘタレを仲間にし、現金が輸送される時間も調べておらず、無意味に出納簿を燃やして煙を出し、グズグズしているうちに気づいたら包囲されているマヌケ

「銀行強盗」ってタイトルのコントを見ているみたいでしたw

おかげでベテラン女性行員 (支店長と警備員以外は全員女性ですが) からも舐められていて「もっと丁寧な言葉を使いなさい」と注意されたり、包囲されたときには「何の計画も立てずに銀行強盗なんてやったの!?」と支店長と一緒に怒られたりしていて、踏んだり蹴ったりなソニーです。

おまけに囲まれたことで不安に駆られたサルは、自暴自棄になって誰かを殺しそうな雰囲気になるしで、そちらのケアにも忙しい。

コメディ映画のような冒頭から、徐々にシリアスモードに変わっていきます。

ソニーとしては、できれば人質全員を無事に解放し、自分とサルは逃げきれればいいだけでした。

暑さや持病で体調不良になる人質も出始め、食事や安全確保の要求のため、ソニーは外に出てモレッティとの交渉を開始します。

彼は前年に起きた「アッティカ刑務所集団暴動事件」による、腐敗した公権力に対して怒りの感情を持っていました。

それは野次馬たちの共感を呼び、ソニーの音頭で「アッティカ! アッティカ!」のシュプレヒコールが轟き、モレッティたち警察をたじろがせます。

この事件、知らなかったな~…

アッティカと聞いて「古代都市の名前だったっけ…?」なんて、あやふやな記憶しかありませんでした (;´∀`)テヘ

さてこのシュプレヒコールで野次馬が味方についたことにソニーは勢いづきます。

行員たちも協力的。

ストックホルム症候群だったのかもしれませんが、心臓発作を起こした警備員を解放したら、犯人のひとりと勘違いして彼を抑えつけて手錠をかけた警察官の行動に腹が立ったこともあると思います。

ソニーは、まるでダークヒーローのような気分になったことでしょう。

だけどそれは幻でした。

夜になっても膠着状態が続き、痺れを切らした支店長からは「君のせいでみんなが迷惑している」と叱られ、他の行員たちからは恨みがましい視線を向けられます。

ようやく要求していたジェット機と車両を用意してもらい空港に行きますが、同乗していたFBIのシェルダンの機転でサルは殺され、ソニーは逮捕。

人質たちは解放されました。

抑えつけられたソニーが人質たちの方に顔を向けても、誰一人として彼を見る者はいません

互いの無事を喜び、労い、振り返ることなく去って行きます。

誰もソニーをダークヒーローだなんて思っていませんでした。

狭い銀行内で長時間… 協力したり軽口を叩いたり、良好な関係性になってきたと見えていたのは、人質だったからとりあえず従っていただけ。

本音は、ソニーもサルもどうなろうと知ったことではない、というのが、最後に彼らを完全に無視していた態度で分かります。

人の表面上の言葉や態度を見抜けなかった、どこまでもマヌケ (素直というべきか?) なソニーの絶望の表情。

切ないね~、と思いつつも銀行強盗、それもくっだらない理由なので同情心は湧きません。

実際の事件ですが、安易に犯罪行為に走ってはいけないという教訓も感じます。

全編通して面白かったし、ラストも俊逸でした。

 

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