【洋書】クリスティー「スタイルズ荘の怪事件」あらすじと感想・英語メモ
ミステリーの女王アガサ・クリスティーのデビュー作を、海外版「青空文庫」のようなサイトで見つけたので、Microsoft One Note にコピペしながら読みました。
名探偵エルキュール・ポアロ初登場作品です。
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あらすじ
傷病休暇を与えられた軍人アーサー・ヘイスティングスは、懐かしい友人ジョン・カベンディッシュと再会。
彼が住むスタイルズ荘で休暇を過ごすことにした。
この屋敷は元々ジョンの父が所有していたものだが、今は継母のものになっている。
継母は現在再婚してエミリー・イングルソープという名前である。
夫のアルフレッド・イングルソープは遥かに年下の、いかにも金目当ての男だった。
スタイルズ荘には他にも、ジョンの妻メアリー、弟ローレンス、エミリーの友人でアルフレッドの従姉妹と言われているエヴリン・ハワード、エミリーの亡き友人の娘シンシア・マードック、そして女中頭のドーカスら数人の使用人が住んでいる。
ある日、ローレンスと一緒にシンシアの職場である病院の調剤室に寄った帰り道、ヘイスティングスは旧友のエルキュール・ポアロと偶然再会する。
此度の戦争で故郷のベルギーから逃げてきたポアロは、他の同国人と共にスタイルズ荘近くの家で暮らしていた。
帰宅すると、エブリンがアルフレッドのことでエミリーと喧嘩になり、スタイルズ荘を出ていくという話になっていた。
エブリンはアルフレッドを毛嫌いしているのだ。
説得の甲斐なくエブリンは出ていった。
エミリー主催のバザーが夜遅くまで開催されていた翌日、エミリーがアルフレッドやメアリーとも険悪な会話をしているのが、ヘイスティングスやドーカスの耳に入る。
その夜、ヘイスティングスがシンシアやメアリーと一緒に過ごしていると、毒物学の権威という男バウアースタイン博士がやってきた。
メアリーと親密そうにしているこの男がヘイスティングスは気に入らない。
そして深夜。
エミリーが発作を起こしたらしいと聞いて屋敷中の者が彼女の部屋に駆けつける。
皆が見守る中、エミリーは苦悶の末にこと切れる。
バウアースタイン博士と地元の医師の検死により、毒物を摂取したことによる中毒死だという。
毒殺と見たヘイスティングスは、早朝すぐにポアロの元に駆けつけ捜査をお願いする。
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感想
なんか、ポアロ可愛いですね。
勝手にヒョコヒョコと庭に出て「お花きれいー♡」と花壇を眺めたり、真相に気づいて本当に奇声を上げながら狂喜乱舞したり、秘密を隠しているメアリーに「パパ・ポアロには何でも言いなさーい♪」と慈愛の表情を見せたりと、なかなか愛くるしいキャラクターしています。
シンシアも「可愛いオジさんね」とクスクス笑っていました。
それに引き換え、ヘイスティングス…
友人の妻であるメアリーに一目ぼれしてバウアースタイン博士に嫉妬。
なぜか突発的にシンシアにプロポーズをしたり、メアリーに容疑がかかれば「あんな美しい人が殺人なんてするはずない!」と不思議理論で擁護したりと、かなりのアタマお花畑キャラになってます。
ところどころで「うわぁ…」と引いてしまいました。
この人目線で書かれているので、桃色思考がダダ洩れです。
殺人を扱っているけど、こんな感じで軽い。
悲しみに沈む人は少なく、ドライに事件に向き合います。
エミリーを殺した毒 (ストリキニーネ) は何に入れられていたのか。
コーヒー? ココア? それとも別の何か?
どうやって混入した?
と、犯人当てのフーダニットと同時に手段を問うハウダニットの要素も含まれています。
そして犯人と真相。
うん、自力では無理でしたー。
思いっきり別の人を犯人だと思っちゃいましたよーん♪
でも真相を知ると「ナイル殺人事件」とも「地中海殺人事件」とも同じような犯人スタイル (なんだこの言葉) なので、クリスティーの定番なのかもしれません。
↓ネタバレ注意
仲が悪そうに見えて裏で共謀している男女コンビが犯人、というのが共通してます。
英語学習的な感想
実はクリスティーでは、別作品での洋書にチャレンジしたことがあったのですが、あまりの難しさに挫折したことがあります。
だから今回も最後まで読めるか自信がなかったのですが、偶然このサイトを見つけたおかげで完走できました。
加えて日本語訳の朗読もYou Tube で無料で聞けたので、英語学習というより普通に楽しんだだけになったかもしれません。
それでもまったく読まないより少しは英語に触れたこともあり、勉強にはなったと思います。
この「思う」という表現についても、意外とクリスティーは fancy を使っていることに気づきました。
fancyと聞くと、なんとなく女の子向けの可愛らしい小物のイメージが湧くのですが、普通にthinkやconsiderと同じように使っているので、軽く驚きます。
そしてシンシアの職業がdispenser (調剤師) だったので、pharmacist (薬剤師) と何が違うんだろう、と思って調べちゃいましたね。
pharmacistの方がより専門的な職業で、薬の調剤をするそうです。
知らなかったぁ。
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まとめ
助けを借りながらでも、かなり時間がかかりました。
一文ずつノートにまとめていたせいもありますが… (;^ω^)
最初はこのノートをブログにアップするつもりで、実際2ページ目までアップしたんですけど、需要もないし見づらかったので止めました。
やはり勉強ノートなんて、人に見せるものではないな、と思った次第です。
女王のデビュー作ということでかなり期待して読みました。
すでに構成力がずば抜けていて、天才は新人のときから天才、と改めて痛感します。
そしてこのスタイルズ荘は、ポアロ最後の事件「カーテン」でも舞台になった場所です。
こちらは日本語版で読んだことがあり、それで今回このデビュー作を読みながら「数十年後、ポアロここで死ぬんだ」と思って寂しくなることもありました。
そんな風に気持ちを揺さぶられながら完読しましたが、まだノートのまとめは途中なので、まだこの作品には個人的に付き合っていこうと思います。
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