映画「パンズ・ラビリンス」あらすじと感想【ネタバレあり】現実もおとぎ話も恐怖
フランコ独裁政権時代のスペインを背景にした、ギレルモ・デル・トロ監督・脚本のダーク・ファンタジーです。
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」の監督アルフォンソ・キュアロンも製作に加わっています。
当時子役のイバナ・バケロが主演。
フランス映画でも活躍しているセルジ・ロペス、この作品で知名度が上がったマリベル・ベルドゥなどが共演しました。
デル・トロ作品常連のパントマイマー、ダグ・ジョーンズが特殊メイクでパンを演じます。
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あらすじ
1944年。
おとぎ話が大好きな少女オフェリアは、母の再婚に伴って山の中にある軍司令部で暮らすことになった。
この地の総司令官であるビダル大尉が新しい父になる。
臨月の母に無理強いしてこの場所に来させている大尉の薄情さに、オフェリアは懐くことが出来なかった。
しかも反乱軍への弾圧が激しく周辺の村人たちにも高圧的な大尉の残虐性に辟易する。
寝込むことが多くなった母に代わって、メルセデスという女性がオフェリアの面倒を見た。
彼女とは良好な関係を築けるが、メルセデスの弟が反乱軍のリーダーになっており、その弟を手伝ってスパイ活動をしていることにオフェリアは気づく。
そんなメルセデスの身が心配だった。
到着してすぐ、部屋に入ってきた昆虫にオフェリアは話しかけた。
妖精の絵を見せると、その昆虫の姿がソックリに変化。
驚くオフェリアを、妖精は森の奥にある迷宮に案内する。
長い螺旋階段を下りた広場で、牧羊神パンと名乗る異形が、オフェリアは地下王国の王女モアナであると告げた。
しかし人間に染まっているオフェリアが、真の王女であると証明するためには三つの試練をくぐり抜けなければならない、という。
オフェリアはパンから渡された本を見ながら、試練に向かうことにする。
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感想
終始、心臓がバクバクしっぱなしでした。
怖いんですよ、現実世界もファンタジー世界も!
バイオレンスとグロが容赦なくって…
脚を切断するシーンでは顔を背けてしまったし、口を裂かれたビダルが自分で縫うシーンに至っては、その部分だけ飛ばしてしまいました。
ビダルの拷問がまた残虐で、もう~見てらんない。
それだけでも恐怖なのに、オフェリアが立ち向かう試練がまたグロい。
泥の中を四つん這いで巨大ガエルの元に行く第一の試練…
大量の虫が気持ち悪い~ (涙目)
そして第二の試練では、目がないヴォルデモート様みたいなクリーチャーが怖い~
飲食したらアカン、というルールなのにブドウを摘まんじゃうオフェリアのバカー (ノД`)
物語で禁忌が出てきたら必ず破られるものですが、三つある試練のうち二番目で破るとは意外でした。
普通は最後の試練で破っちゃいますよね?
そんなわけで怒りのパンに見捨てられて絶望するオフェリア。
こんなところから出たい、という願いが叶えられなくなり、こちらまで絶望です。
オフェリア同様、恐怖に満ち溢れたこんな場所、耐えるのが苦痛。
そして母の死と、メルセデスのピンチ。
最後のチャンスを与えるパンからの試練。
王女として地下王国で暮らすには、人間としての死が重要だったのかもしれません。
オフェリアの人生には救いはなかったけれど、モアナの幸せにつながったことで意義はあった、ということでしょうか。
命が閉じる瞬間のオフェリアの妄想かもしれないけれど、絶望して死ぬよりわずかでも幸せを感じて逝けた彼女は、最期にようやく安らぎを得たのだな、と考えました。
こちらの心臓も最後にようやく落ち着きました。
あぁ、怖かった。
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