フランス映画「エール!」あらすじと感想【ネタバレあり】無音の効果
「コーダ あいのうた」のタイトルでハリウッドリメイクされたオリジナル版です。
歌手デビューをしたばかりの新人ルアンヌ・エメラが主人公を好演。
聾唖の両親をフランソワ・ダミアンとカリン・ヴィアールが演じ、主人公の進路を示す音楽教師をエリック・エリモスニーノが演じました。
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あらすじ
フランスの田舎で酪農業を営んでいるベリエ一家は、16歳の娘ポーラ以外、両親も弟も聾唖者である。
必然的にポーラが通訳を任され、家業も手伝っていた。
もうすぐ村長選挙がやってくる。
現村長がすでに立候補しており意欲も満々だ。
障がいを持った人にも優しい政策をする、と言っていたが、農地改革に納得がいかない父ロドルフは対立候補として名乗りを上げた。
父の選挙活動の手伝いをしつつ、学校の音楽の授業で反抗的な態度を取ったポーラは強制的にコーラス部に入部させられた。
発声練習のときに音楽教師トマソンに歌唱の才能を見出される。
トマソンはポーラに、今度の学内発表会でコーラスの他に同級生のガブリエルとデュオで歌うように言ってきた。
憧れのガブリエルと接点を持てて嬉しいポーラだったが、彼が他の女の子とキスしているところを見ているので内心複雑だった。
ましてやデュエット曲は激しい恋の歌で、トマソンは抱き合って歌うように強制してきた。
そして練習のためガブリエルがポーラの家にやってくると、家族は浮足立ってしまう。
しかも練習中にポーラは初潮が来てしまった。
母の無神経な振る舞いのせいでガブリエルにそのことがバレてしまい、翌日学校の女子にからかわれ、ポーラは言いふらしたガブリエルをひっぱたく。
そんなときトマソンから、パリの音楽学校の試験を受けてみるよう打診される。
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感想
音楽学校の受験シーンで泣きそうになりました。
家族に向けた旅立ちの歌を、手話を交えて歌うポーラの姿。
これまで反対され、自分でも諦めようとしていた歌手の道に進む決意を、心をこめて歌いあげます。
この家族は、聴覚障害がある以前に少々子供っぽいところがあります。
そんな彼らと世間との懸け橋がポーラの役割でした。
そこに甘えていた両親は、彼女がいなくなることに不安を覚えて受験に猛反対するのです。
特に母親が。
それでも彼女が出る発表会を見に行き… 映画は突然無音になります。
聞き取れなくても、彼女の表情や周りの反応で歌の才能を肌で感じた両親の心境を観客も体験することに。
聞こえないって、こんなにももどかしいものなんだ、と感じます。
だけどポーラの才能に気づいてしまった以上、夢を潰すことを良しとはできなくなりました。
受験を諦めていたポーラを、結局家族みんなでパリまで出向いて受験を見守るラスト。
そして最後の最後まで応援するトマソンの伴奏と助言。
正直途中までは特に心を動かされるところはなかったので、ここまで感動するとは思いませんでした。
リメイク作「コーダ あいのうた」が評判になってましたが、あまり気に留めていなかったので…
観て良かったです。
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