映画「誰が為に鐘は鳴る」あらすじと感想【ネタバレあり】長い3日間
アーネスト・ヘミングウェイの原作をサム・ウッド監督が映画化。
ゲーリー・クーパーが主演し、イングリット・バーグマンが珍しいショートヘアー姿でヒロインを演じます。
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あらすじ
スペインが内乱で揺れる中、アメリカ人で元教師のロベルトは共和政府軍の義勇兵として参加していた。
数々のゲリラ活動に参加し、次は橋梁の爆破を上官のゴルツから命令される。
共和政府軍側はいよいよ攻撃に転じる。
その攻撃開始と同時に、敵の補給部隊が渡る唯一の橋を落とすのだ。
3日後の夜明けまでに準備を整えるように言われた。
案内役にアンセルモという地元の老人を紹介された。
翌日、ロベルトはさっそくアンセルモに橋の位置を案内してもらい、山中の洞窟に身を潜めているジプシー達を、協力者として紹介してもらった。
頭はパブロだが、その妻のピラーが中心となってまとめている。
集団の中に、明らかにジプシーとは違う風貌の女性マリアがいた。
彼女は3ヶ月前、フランコ軍の虜囚として頭を丸坊主にされて汽車で移動させられそうになっていたところをジプシーたちに助けてもらったのだという。
今は少し髪も伸びたが、それでもロベルトに見られて恥ずかしそうだった。
ふたりの間にロマンスの雰囲気を感じたピラーは、カップルになるように背中を押す。
しかし橋梁爆破作戦に関しては、パブロがすっかり戦意喪失していることもあり、捗々しくいかなかった。
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感想
爆破までの3日間… が長い長い。
人間より馬がちゅき♡ なアル中チキンのパブロが「馬が巻き込まれちゃう」とか「雪が降っちゃう」とか、いろいろ理由をつけては非協力的な態度なものだから、内部からの不満が高まって「パブロを殺せー!」という雰囲気になってしまいます。
そんな怒りブリブリのジプシーたちの宥め役をロベルトはする羽目になりました。
任務関係ないのに。
逃げるための馬がなかなか人数分揃えられなかったり、本当に雪降ったり (5月。山の天気は変わりやすいねぇ) パブロが足引っ張りまくったりしながら過ごす3日間。
こういう準備期間の描写って、結構面白いものが多いのですが… 残念ながらこの作品は当てはまりませんでした。
なんか、なかなか入り込めなくてイマイチ。
絵面も岩場ばかりで衣装なんかの華やかさがなく、ストーリーもお固くて牽引力が弱い地味な作品、という辛口な印象を持ちました。
交戦が始まってからは派手な爆破や、生きるか死ぬかの緊張感が出て面白くなりましたけどね。
つまんない準備期間の間、滞りなく進んでいたことはロマンス。
「キスするとき鼻はどうすればいいの?」なんて、“私、ちゅーもしたことないんですぅ” と純情アピールするあざといマリア。
実践でかぶりつく野獣ロベルト。
気になったんですけど、マリアの髪を掴んで上を向かせているんですよね。
撫でるんじゃなく。
普通に考えて、痛いし愛情表現だとはとても思えないんだけど、マリア笑顔なんです。
嬉しいか? 髪掴まれて嬉しいか?
よく分からない乙女心…
ちなみにピラーも、撫でると見せかけて掴んでました。
どうなってんの、この人たち… (; ̄▽ ̄)
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