映画「レイジング・ケイン」あらすじと感想【ネタバレあり】ヒッチの背中を追いすぎる監督
多重人格を扱った、ブライアン・デ・パルマ監督のサイコ・サスペンスです。
主演のジョン・リスゴーが一人で5役を演じ分けています。
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あらすじ
カーター・ニックスは、娘のエミーの子育てに専念するために休業している児童心理学者である。
そのぶん妻のジェニーが女医として仕事に励んでいた。
顔なじみのママ友カレンに車で家に送ってもらうことになったカーターは、ノルウェーにある児童分析施設にエミーを連れていこうと考えていることを話す。
まるで監視施設のようだ、と否定するカレンに不愉快な感情を持ったカーターは、彼女に麻酔を嗅がせて眠らせた。
後部座席にはエミーと、カレンの息子サムが眠っている。
次にどうしようか迷っていると、カーターの双子の兄弟ケインが現れた。
自分が始末をつけてやるからお前は帰れ、とケインは言う。
カレンをどこかに沈めるつもりなのが分かったが、カーターはケインに逆らえなかった。
帰宅してジェニーと睦まじくしようとしていたところで、ママを呼んで泣きじゃくるサムの声が耳に入ってきた。
カレンの車が駐車場にあり、サムを置き去りにしたままだった。
カーターはカレンの車に乗り込み、サムを乗せて走り去る。
一方ケインは父・ニックス博士と、カーターの件を話す。
うまくカレンを始末してカーターの尻拭いをしたのに、博士からは余計なことをした、と責められてヘソを曲げる。
幼少の頃からの扱いに不満を持っているケインと父の間には確執があり、激しい口論となった。
翌日、家族でショッピングを楽しむカーターは、バレンタインのギフトを買うというジェニーを、エミーと一緒に店の外で待つことにした。
店内で会計をするジェニーは、そこで一時期不倫関係にあったジャックと再会。
入院中だった彼の妻の担当医だったことがきっかけだ。
いま亡妻の葬儀も済んで、寂しそうにしているジャックに再び心を動かされる。
店に鍵を忘れていった彼にもプレゼントを買い、ジェニーは彼が滞在しているホテルの部屋に入り込む。
公園で密会する約束を書いたメッセージを添えて、プレゼントを置いてきた。
そして電話で、鍵を返すために別の公園で待ち合わせる約束を取り付ける。
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感想
ヒッチコック大好きマンのデ・パルマ監督らしい見せ方が随所にあります。
長回しやスローモーション、現実と夢の境目が分からなくなるミステリアスな演出…
そういうところに気を回しすぎていて、ストーリーのほうが「は?」となる部分が多すぎです。
ジェニーとジャックの林の中でのエロシーンを何度も何度も出しすぎ。
そのたびにジェニーが家のベッドからガバッと起き上がる演出を繰り返して、まるで妄想のような扱いになっているのが意味不明でした。
そして母親たちを殺してまで誘拐した子供たちは、いったいどうなったの?
博士の人体実験の詳細がまったく伝えられていないので、攫った子供たちで何をしているのか全然分からないところも不満点です。
ヒッチコック風演出にこだわりすぎたように見受けられました。
さすがのこだわりなので、沈む車の中で恐怖を浮かべるジェニーとか、クライマックスのモーテルでの攻防戦でのカメラワークなんかは素晴らしかったですが。
1時間半でまとめたのも良かったです。
スピード感で最後まで観られました。
このストーリーは正直、2時間越えとかの冗長な演出にしていたら退屈になって途中でリタイアしたかもしれません。
いい部分もあるけど、全体的にみるとちょっと粗が多いな、という印象を持ちました。
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