映画「エデンの東」あらすじと感想【ネタバレあり】J・ディーンのナイーブ演技の底力
「青春のシンボル」ジェームズ・ディーンの映画初出演作品です。
この鮮烈なデビューで、一気にスターダムに駆けあがりました。
「理由なき反抗」と双璧を為す代表作です。
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あらすじ
1917年。
騒がしい漁港の町モントレーで酒場を営む女性ケートの後を、ケイレブことキャルは尾行する。
彼女が自分の母親だと聞いたキャルは確かめたかったのだが、話しかけることができず用心棒に門前払いされてしまった。
キャルは隣りの田舎町サリナスで父アダムと双子の兄弟アロンと一緒に暮らしている。
アダムが運営している農園を手伝っているが、父は優秀な息子アロンをことさら可愛がり、キャルに対しては厳しい態度である。
レタスを冷凍にして保存期間を長くするアイディアに積極的なアダムをアロンは全面的に肯定する。
一方でキャルが、これから戦争になれば大豆の価値が高騰するから儲けが出る、と進言してもアダムは興味を示さなかった。
さらに氷室に入ると、アロンが彼女のアブラとイチャついている。
そのときアブラはキャルのことを怖いと言って悪口を並べるのだった。
何もかも面白くないキャルは、氷漬けになったレタスを数個破壊して叱られる。
聖書を音読させられ無理やり反省を促された。
アロンが席を外したとき、キャルはアダムに母親のことを尋ねると、死んだことにしておいていた彼女は東部にいる、と聞かされた。
父も詳しくは知らないのだ。
今度は客としてケートの店に行き、強引に事務室に入ると警察を呼ばれてしまう。
馴染みの保安官はキャルの両親の結婚式の写真を見せてくれた。
やはり母はケートだった。
レタスの出荷作業を手伝っているとき、アロンに差し入れを持ってきたアブラとふたりで話す機会ができた。
彼女も母の死、そして父の再婚を経て、親からも誰からも愛されていない、と思って辛かった経験があったと話してくれ、キャルの共感を呼んだ。
数日後、出荷した冷凍レタスが列車の遅延のため氷が全部溶けてダメになってしまった。
この損失はかなり大きく、アダムは無一文になる。
キャルはその補填を自分がやろうと決め、父の友人で投資家のハミルトンに大豆の先物取引について相談する。
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感想
最初は、キャルが陰キャすぎて魅力を感じませんでした。
ずっとモジモジしていて、アブラは「怖い」と言ってましたが、私は「キモい」という感想です。
顔はいいけど残念な人。
モテないだろうな~、なんて考えてましたが、見続けているうちにだんだんキャルに共感してきて、キモかった佇まいが「傷つきすぎていて可哀想になってきた」に変化。
こ、これがジェームズ・ディーンのナイーブ演技の底力か!!
父からも母からも愛情を求めるアダルト・チルドレン。
喜んでもらいたくて子供みたいにはしゃいだり笑ったりするかと思えば、傷ついて怒ったり号泣したり (野々村竜太郎泣き。古いな) 要所要所で感情を大きく発露させます。
特に圧巻だったのは、自分を責めるアロンに母の真実を告げるとき。
母は死んでいるというのを信じているアロンを、母が経営している場末の酒場に連れていって対面させるんです。
表情・話し方・動作… すべてが冷酷で、清廉潔白だと本人も思っているアロンに、この悪女が母親だ、と見せつけるキャルの演技よ。
本当に悪の華です。
このときにはもう優等生の仮面が外れかけていて、アロンにも内面の悪があることは漏れ出てしまっているのですが…
ずっと長いこと「アロンは善でキャルは悪」と自他ともに認めていたものだから、アロンは大ショック。
で、ショックのあまり心神喪失してそのまま戦地に向かう列車に乗って行ってしまうのは、あんまりでは?(;^ω^)
そんなんなるほどイヤだったんかい!
お母さん立場なし。
アブラと婚約したよ~♪ なんて父に報告したばかりだったのに。
さて、そのアブラですが…
ビッチですねぇ( ̄▽ ̄)
アロンにキャルのことを「怖い」と悪口を言えば、キャルには「アロンが私を愛してない気がする」と不満を聞かせる。
アロンと婚約しながらキャルに好き♡と告る。
二股膏薬くそビッチ。なんじゃこの女。
このヒロインはヒドイン。
後半にいくにつれて面白くなっていく作品でしたが、彼女が最後までうっとおしかったです。
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