映画「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」あらすじと感想【ネタバレあり】
本家スウェーデン版三部作の最後です。
ハリウッドのほうで第4部に当たる作品が作られたそうですが、俳優も違うし、口コミも今一つ高評価のものがなかったので、まあそのうち気が向いたら観てみます。
前作から引き続いた “国家の陰謀” という話がさらに広がり、後半は法廷サスペンスになります。
1・2でチョイ役だったミカエルの妹・アニカがようやく今回陽の目を見ました。
リスベットの弁護士として大活躍します。
あらすじ
父ザラチェンコと彼に従う異母兄ニーダーマンとの死闘で重傷を負ったリスベットは病院に搬送された。
体内の弾丸も無事に除去され、意識もはっきりしている。
ザラチェンコも生きていると聞き、ニーダーマンは逃走中だ。
まだ危険は去っていないことを悟った。
体力が回復したら病院から拘置所に移送される。
リスベットを救いたいミカエルは、弁護士である妹のアニカに彼女の弁護を頼み、ミレニアムでリスベットの特集を組むことにした。
元公安警察のグルベリは元同僚のクリントンと話して、ザラチェンコとリスベットを亡き者にしようと決めた。
ちょうどアニカがリスベットの病室で弁護士を引き受ける話をしているときに、グルベリはひとりザラチェンコの元に行き射殺。
銃声で病院内が騒然となるなか、リスベットの部屋に向かってくるグルベリの姿を見たアニカは、扉を固く閉ざしてリスベットと奥の個室洗面所に身を隠す。
扉を開けられなかったグルベリは、その場で持っていた銃を自分に向けて自殺した。
クリントンは公安警察内の、自分たちが所属していたグループに行き、自分がすべて把握しており、この先の指揮権は自分が持つと宣言。
脅威となるリスベットを、彼女がかつて入っていた精神病院に永遠に収監させるべく、当時の担当精神科医テレボリアンに偽の精神鑑定書を裁判で提出するように指示して、自分たちの不都合を隠ぺいしようとする。
加えて、リスベット特集号で真実を暴こうとするミカエルを牽制するため、共同経営者で恋人のエリカに脅迫メールを複数回送って、発刊を見送らせようとしていた。
ミカエルは危険を感じて、今は無人になっているリスベットの家に滞在し、取材を重ねて執筆を進める。
そしてリスベットの主治医を介して、ミカエルは彼女にPDAを渡した。
リスベットはその端末を使ってミカエルやハッカー仲間のプレイグらと連絡を取り、ミカエルの助言で自伝を執筆する。
ミレニアム編集部で総力を挙げてリスベットを無罪に持っていこうと情報を集めているとき、公安警察法令部のモニカという女性がミカエルに接触してきた。
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感想
旧ソ連のスパイだったザラチェンコの亡命は、30年以上も時の政府および公安警察によって秘匿されていました。
そんなにも長い年月、秘密が保たれていたとはエリカは信じられません。
政治家は語りたがりの人が多く、引退後に回顧録を書く人だって何人もいる。
公安警察にしたって、知っているのは一人や二人ではないのだから、必ず秘密を漏らす人がいるはず。
ミレニアム編集部の皆はそう考えます。
公安警察という、秘密を抱えるのが当たり前の職種の人たちだって、全員が永遠に黙っているということはまずない、と思うのです。
仕事というものは大なり小なり漏洩させてはいけない情報も扱います。
会社勤めをしていれば、仕事はひとりでするものではなく、必ず部・課・係・班などの単位でチームとなり、そういった情報も共有されるものです。
しかしチームとは、生え抜きばかりが選ばれるものでは決してなく…
能力が劣っていたり、事務補助などのサポート的な役割の人には情報は共有されず閑職に回されます。
これだけでも、まあチームとして一丸になっているとは言い難いのですが、さらに裏切り者も出るかもしれませんし、悪気はなくうっかり漏らすような人も中に入っていたりします。
当然ですがチームの人数が多いほど漏洩のリスクは高まります。
だけど常に少数精鋭だけで仕事をこなすことは難しいです。
外注に委託しなければいけないこともありますし、派遣社員やアルバイトを雇う必要も出てきます。
チームワークを上手く回すのは、やはりリーダーとなる上の人の資質が大きくモノを言うのですが、個々の意識も大切です。
仕事はひとつが終わればまた次がやってきて、終わりが見えません。
チームから外されないためには、互いが信頼できる関係を築くことでしょうね。
信頼できない人が多い、と感じればプロジェクトの途中であっても瓦解してしまいます。
押し切られたりおだてられたりして、サービス精神でつい口を滑らせたり、重要な書類や情報が入ったパソコンを社外に持ち出して盗難にあっても信頼度は下がります。
情報を漏らさない信頼性がチームワークを上手く保持する秘訣といえます。
仲良しになる必要はないですが、信頼関係は築いておきましょう。
ミカエルと一緒にミレニアムの編集長として事件を追うエリカ。
取材自体はミカエルはじめスタッフの皆がやってくれますが、代表としてすべてに目を通し、意見を聞いて考察を重ね、事件全体を細部まで把握していきます。
掴まれてはまずい事実を知られたクリントンの班は、ミカエルの家もエリカの家もミレニアム編集部も盗聴器で傍受しまくり、エリカに脅迫メールを送りつけました。
「昨夜は電気をつけて寝ていたね」
見張られていなければ分からない内容。
“お前をずっと見ているぞ” という気持ち悪さを含んでいます。
恐怖を感じるエリカですが、仕事は続けていきました。
ミカエルに止められて通報もしていません。
しかしついにメールの内容がスタッフたちへの危害を匂わせるものになり、深夜に自宅に石を投げ入れられて窓ガラスが割られると、本当に何をされるか分からず、恐怖から発刊を見送る決断をします。
日々を普通に過ごしているだけでも、不意打ちでトラブルに見舞われることが時に起こります。
本当に身に覚えがないのに、なぜか恨みを買っているとしか思えない嫌がらせを受けることも。
近隣・職場のトラブルや悪質商法の被害にあった、詐欺と思われる電話を受けたなど、緊急性はないけれど自分の生活を脅かそうとする出来事が起こったら、警察相談専用電話に掛けることをおすすめします。
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201309/3.html
電話番号は「9110」です。(全国共通)
警察なんて大げさな…とためらう方もいるかもしれませんが、税金をちゃんと払っていますし、公的な機関を利用して悪いことなんてありません。
安心・安全な暮らしを守るために、出来ることをやっていきましょう。
ただし、警察も忙しいので、虚偽やイタズラはやめましょうね
三部作のラストということで、これまで胸が悪くなる気分にさせられていた諸々のことが一気に解決してスッキリします。
きれいにまとまって終わりましたが、この三作目もミカエルとリスベットがちゃんと会うのはラストのみで淋しい限りです。
(裁判で顔を合わせますが、会話は何もなし)
ぎこちなくて短い会話で終わりますが、この先ふたりは頻繁に会って親交を深めていくんじゃないか、と思える温かいラストでした。
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