映画「自由を我等に」あらすじと感想【ネタバレあり】肩を組んで旅立とう♪
チャップリンの「モダン・タイムス」に多大な影響を与えた、ルネ・クレール監督の傑作コメディです。
まだサイレント映画の名残があり、セリフは少ないのですが、主役ふたりが歌う陽気な主題歌が耳に残ります。
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あらすじ
自由のない刑務所生活にウンザリして、脱獄を決行する同房の囚人ルイとエミール。
しかしルイは逃げ延びることができたが、エミールは看守たちに捕まってしまう。
脱獄に成功したルイは、その後、蓄音機の製造で大きな工場を持つ大事業主となった。
一方エミールは出所後、また刑務所に戻されてしまうのだが、その房から見えるアパートに住む美女を見て一目惚れ。
壊れた窓から脱出し、彼女の元まで挨拶に出向く。
しかし怪しい風体のエミールは、その女性ジャンヌの叔父や近隣住民に警戒されて追いかけ回された。
逃げるエミールは、彼に似た服装の男性たちが群がっている列の中に紛れて彼らを撒く。
しかし列から離れるタイミングを失って、先導役に言われるがまま進んでいくと、蓄音機製造工場の求職者の列だったのだと分かる。
すぐに帰ろうとするが、ジャンヌが事務方として働いていることを知って留まることにした。
ある日、怒った上司たちに追いかけ回されたエミールが逃げ込んだ先に、立派な服を着たルイがいた。
ルイがこの工場含む会社の社長だと知ったエミールは、笑みを浮かべて気さくに話しかける。
ルイは慌てて社長室にエミールを招き入れ、銃口を向けた。
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感想
要領が悪くてドジを踏んでばかりいるエミールなのですが、気がとても優しい人物です。
彼がルイに声をかけたのは、単純に嬉しくて懐かしかったからでした。
ルイのほうは、自分の過去をバラされることを恐れてエミールに銃を向けたり札束を渡したりするのですが、エミールが涙を流したのを見て、疑った自分を恥じて彼ときつく抱き合います。
ここ、すごくいいシーンなんですよね… (∩´∀`)∩
身分格差が出来ても、ルイの根っこのところは変わらなかった。
そのことが観客としても嬉しい。
エミール良かったねぇ、と安堵感からホロリときそうになります。
私はわりと女性同士の友情を描いたものが大好きなのですが、男性同士の友情もいいなぁ、と思うようになった映画ですコレ。
そもそも脱獄のシーンからして、捕まったエミールがルイに逃げるように叫びますからね。アツいです。
セレブな夕食会なのにふたりでケラケラ笑ったり、子供みたいな遊びに興じて転げ回って騒いだり… 楽しそう♪
そしてラストが爽やかな余韻を残します。
一文無しになったルイ。
失恋したエミール。
ふたりで肩を組んで、歌いながら放浪の旅に出る。
不安定だけど自由になったふたりには、信頼できるお互いがいる。
このラストは胸を打ちました。
実はこの映画、観るのは二度目なのですが、最初に観たのは「ライブドア事件」が世間を賑わせていたときでした。
堀江貴文さんvs 元側近の4人(くらいだったかな) という対立構図になっていて、かつては一緒に会社を盛り上げようとしていた仲間同士だったのに、すごく裁判とかでいがみ合っていて…
そんなときにこの映画を観て、お金を儲けることは大事だけど、それ以上に信頼関係を築くことのほうが大事、と改めて思った次第です。
それもあって、このラストシーンは何年たっても忘れられません。
人間関係の大切さも教えてくれる作品です。
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