映画「ガラスの墓標」あらすじと感想【ネタバレあり】殺し屋と令嬢とチンピラ
フランス・エンタメ業界の風雲児だったセルジュ・ゲンズブールと、事実婚パートナーのジェーン・バーキンが「スローガン」に続いて共演した作品です。
作中の音楽もゲンズブールが担当しました。
アクションなのですが、60年代のフランスらしい退廃的なムードが漂っています。
日本では1971年に公開。
この数か月後、ふたりの間に女優シャルロット・ゲンズブールが生まれています。
中古価格 |
あらすじ
アメリカ・マフィアの傘下で殺し屋稼業をしているロシア人・セルジュ。
相棒の若い男ポールと一緒に、ひとつ仕事を片付けたことをボスに報告する。
そこでボスから新たな任務を命じられた。
カルボナというフランス人と組んだので、彼と一緒にパリに行け、という。
翌日、セルジュは命令通りカルボナと共に飛行機に乗った。
出国カウンターで目が合った美女が近くの座席にいる。
セルジュは席を移動して彼女の隣に座り、話しかけた。
名前をジェーンといい、彼女のほうもセルジュに好感を持っていて、会話に華が咲く。
連絡先もゲットし、パリに着いたセルジュはジェーンと別れてカルボナとゲートをくぐる。
しかし空港を出たところで、カルボナと敵対しているエメリー一家の者たちに拉致されて、人けのない森に連れていかれてしまう。
そこで銃撃を受けてカルボナは死亡。
セルジュも腕を負傷した。
なんとか逃げ延びたセルジュはジェーンに電話をかけて、彼女の家に匿ってもらう。
彼女と愛し合うようになるが、ボスの命令を受けたポールも転がり込んできた。
ふたりはエメリーと対立し、カルボナの妻からもらった売人と顧客のリストを利用して組織の壊滅を仕掛けていく。
しかしセルジュは、ジェーンとの未来を見据えて足を洗うことを望んでいた。
中古価格 |
感想
時代の空気なのか、このふたりの濃密な関係性のせいなのか、重い雰囲気が漂っています。
なのにオシャレ。
20代前半のバーキンの可愛らしさ、最強です。
細くて足長いから、ミニスカ・ワンピにロングブーツが良く似合っている。
そこに、イケメンではないけど何故かセクシーな雰囲気があるゲンズブールです。
「フランスの火野正平」と密かに思っているこの男。
リアルに美女と野獣なんだけど、若いバーキンが夢中になるのも、なんかわかるんですよね。
見るからにタバコとアルコールと加齢と欧米がミックスされて、鼻に優しくない匂いを出している人なんだろうな、と思うのですが…
う~ん、才能に裏打ちされた自信とか、明らかに凡人ではないことが分かる感性が魅力的なのかもしれません。
さて、その才能を活かした本業・音楽は、この作品の主題歌やBGMにも使われています。
何かと物議を醸す歌詞はともかく、旋律はキレイなんですよね。
キャッチーで耳馴染みがいいし、フレンチポップの基礎を作っただけのことはあります。
しかし使いどころが… (;・∀・)
編集おかしいでしょ、というところで音楽入ります。
シーンと合ってないし、タイミングもズレまくり。
緊迫シーンを笑いどころにすな!
殺し屋と令嬢の恋。
そこに殺し屋を慕うチンピラが絡んできて、面白い関係になってきます。
ポールがセルジュに向ける心情は恋愛ではないとは思います。
憧れの兄貴が、(ポール的に) つまんない女との恋愛に溺れてマフィアから足抜け → 自分との接点がなくなっちゃう、ってのが相当イヤだったんでしょうね。
男の嫉妬もなかなかに怖いものですが、恋愛感情とは違う意味での嫉妬が暴走に繋がっていきます。
ジェーンへの当たりがキツイのなんの…
ジェーンの家なのに威張り散らして怒鳴りつけて好き放題。
挙句に「あの女、殺してやる」だもんなぁ~。
組織からの命令は「セルジュを殺せ」なんですけどね…
しょうもない男ですが、ポールがこの映画を支えています。
この人いなかったら、起伏のないダラダラした話になっていたかもしれません。
新品価格 |
他ゲンズブール&バーキン関連作品
映画「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」あらすじと感想【ネタバレあり】
他ジェーン・バーキン出演作品
映画「地中海殺人事件」あらすじと感想【ネタバレあり】マヨルカ島絶景スポット巡り
映画「ナイル殺人事件」 (1978年版) あらすじと感想【ネタバレあり】
中古価格 |