映画「3つの心 あのときもしも」あらすじと感想【ネタバレあり】
コメディアン出身のブノワ・ポールヴールドがシリアスな演技で見せる恋愛映画です。
彼と恋に落ちる姉妹はシャルロット・ゲンスブールとキアラ・マストロヤンニ。
彼女たちの母親を演じるのは、キアラの実母カトリーヌ・ドヌーヴ。
シャルロットとは1984年の「残火」でも母娘を演じてました。
これが2014年の作品なので、30年ぶりに再び、ですね。
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あらすじ
出張監査で田舎町に来ていたパリの税務調査官マルク。
終電を逃してしまい、仕方なくカフェに入る。
どうするか頭を抱えていると、レジカウンターにタバコを買いに来た女性を一目見て気に入った。
彼女の後を追って、近くにホテルはないか聞いてみる。
少し先にあるホテルまで一緒に歩くふたりに会話は尽きなかった。
ホテルに着いてもまだ話し足りないマルクは、もう少し一緒に歩きたい、と彼女に言って、結局始発までふたりで町をぶらついた。
彼女の名前や年齢を聞いても教えてもらえなかった。
列車に乗る前、来週金曜にパリに行くという彼女と、チェイルリー公園でまた逢おうと約束する。
電話番号を渡そうとするが、彼女は「必ず行くわ」と言って受け取らなかった。
帰宅した女性ことシルヴィーは、迷いがなくなっていた。
実は既婚者のシルヴィーは、夫クリストフと一緒にアメリカに行くかどうか悩んでいたのだ。
しかしマルクに恋をした彼女は残ることにする。
そして金曜日。
パリでの仕事を済ませたシルヴィーは、マルクとの約束通りチェイルリー公園の並木道にあるベンチで彼を待つ。
マルクのほうもシルヴィーとの再会を楽しみにしていた。
しかし、厄介な仕事に時間を取られてしまい、急いで車で向かうが心筋梗塞を起こして意識が飛んでしまう。
外からの声掛けで意識が戻り、再び公園に向かったがシルヴィーは帰ってしまっていた。
肩を落として帰宅したシルヴィーは、クリストフにしがみついて泣きだした。
アメリカに行くことにしたのだ。
しばらくした頃、財務調査局で泣いている女性にマルクは声をかけた。
女性の名はソフィー。
マルクがシルヴィーと歩き回ったあの町で、母から受け継いだアンティーク・ショップを経営しているのだが、税金の申告漏れがあったという連絡を受けて不安で泣いていたのだ。
これまで経理は姉が担当していたのだが、その姉がアメリカに行ってしまって帳簿関係がわからないのだという。
マルクは店に行って帳簿の間違いを直してやる、と請け負った。
一緒に店のパソコンを見ながら、優しく教えて手早く修正していくマルクにソフィーは好意を持った。
マルクが席を外しているときに、ソフィーはビデオ通話で姉に連絡を取る。
シルヴィーだった。
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感想
ソフィーもこの時まだ既婚者で、マルクとの関係が深まったことで離婚を切り出します。
シルヴィーも既婚者だったけどマルクとの恋に走ろうとしていたし…
正直そこまでマルクに魅力があるとは、ちょっと思えません。
オジさんだし、心臓が悪くて常にゼイゼイしていて、むしろ心配…… ハッ!
まさか「この人死んじゃうんじゃないかしら~」のドキドキが吊り橋効果になっていた!?
いや、それにしたって二人もの美女が惹かれるには説得力に欠けますね (失礼なやっちゃ)
でもそんな説得力の無さなんてどこ吹く風。
ソフィーはサクッと離婚してマルクと再婚します。
そして結婚式当日についに顔を合わせたシルヴィーとマルク。
直で会う前に、偶然のビデオ通話で再会して驚いたものの、気まずいのなんの。
ですが、本当は互いに好き同士だったこともあって、結局不倫が始まります。
家庭内不倫とでも言うんですかね、こういうの。
スリルありすぎでしょ。
そのせいなのか、ときどき ゾォーーーーン みたいな変な効果音が入ります。
不安を掻き立てるつもりなのか知れないけど、使いどころを間違えていて、すごく変。
スリルある不倫だけどサスペンスではないからなぁ。
場違いすぎて浮いてます。
なのに何度も入ってくるから、ええ加減にせえ。
ラストでようやく副題の「あのときもしも」が回収されます。
シルヴィーとの電話中に心臓が止まったマルク。
ラストで映し出される場面は、チェイルリー公園で無事に会ったふたりが並木道を歩く姿でした。
マルクの本当の望みは、あのときちゃんと間に合って、シルヴィーとの人生を歩むことだったのだと知ります。
妻よりも息子よりもシルヴィーを愛していたマルクの本心が映し出されていました。
切ないラストです。
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