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映画「小さな悪の華」あらすじと感想【ネタバレあり】少女たちの残酷な戯れ

2023/05/06
 
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駆け出しライターのポムりんごと申します。 最近はめったに雪が積もらなくなった雪国在住。 映画や海外ドラマの視聴が趣味で、それが高じて英語学習もやっています。 英検準一級。TOEIC780。 漫画やゲームも好きな完全内向型。 家にこもってわがまま(セルフィッシュ)三昧に日々過ごしてます。

「乙女の祈り」と同じ事件からインスパイアされた1971年のフランス映画です。

この作品では事件そのものではなく、未熟な少女たちの危険性のほうに焦点を当てています。

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あらすじ

ミッション系の女子寄宿学校に在籍する仲良しのアンヌロール

ふたりは “悪” に魅せられ、悪いことをするのが大好きだった。

深夜にシスターの見回りの隙をついてロールがアンヌのベッドに潜り込んで一緒に官能小説を読んだりしている。

帰宅が出来る休日も、家が近いため一緒に遊ぶことが多い。

二人だけの秘密の場所を見つけ、近いうちにサタンに身を捧げる儀式をするつもりだ。

それまでの間ふたりは、庭師が可愛がっている小鳥を殺したり、干し草に放火したり、残酷ないたずらを積み重ねていく。

牧童を誘惑してからかったときは、本気で怖い思いもした。

 

家族に連れられて教会のミサに参加するが、神父の説教中も不謹慎な想像をしてほくそ笑んだ。

神父は、七つの大罪のなかで最も罪が重いものは “色欲” である、と説く。

元々自身の持つ官能性に興味があるアンヌにとって、ますますサタンに近くなる手段として好都合だった。

神父から与えられる聖体は、ふたりとも口からそっと出して持ち帰っていた。

自分たちの儀式に使うためだ。

 

学校に戻ると、校内の礼拝堂からも儀式に使うために祭壇の燭台や聖櫃、祭服などを盗んだ。

シスターたちが同性愛関係にあることも神父に告げ口する。

夏休みが空けたらシスターたちはいなくなっているはずだ。

 

そして夏休みがやってきた。

アンヌの両親は旅行に出かけ、屋敷にはアンヌと通いの執事だけになる。

ロールも家を抜け出し、知的障害がある庭師に神父役をやらせて、深夜にふたりは儀式を行なった

白い衣装を身に着けて花冠を被り、ふたりはサタンを崇拝して悪逆を行うことを誓って互いの血を舐めて聖体を食べる。

そしてボートに乗り込み、沼のど真ん中で庭師を突き落とした。

もがく彼を笑いものにするふたりだが、庭師に引きずり降ろされて共に必死で岸辺まで辿り着く。

追いかけてくる庭師を翻弄してバカにし、自分たちだけの秘密の小屋に逃げ帰ってきた。

 

儀式を済ませたふたりの絆は一層深まり、ロールが家族旅行に行っている間も互いに会いたくてたまらなくなる。

もちろんそれ以外の日はずっと一緒だ。

そしてある夜、ふたりで自転車に乗ってアンヌの家に行く途中、車が故障して困っている中年男性に遭遇する。

ふたりはこの男をからかってやろう、と決め、アンヌの家に一晩泊まって行くように誘いをかけた

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感想

少女・耽美・残酷

この三つのキーワードが揃うだけで好奇心を刺激されてしまう自分の変態ぶりに呆れつつ…

ショッキングなラストも含めて、やっぱり面白いです、この映画。

あまりにも反キリスト教的であり、淫靡な雰囲気が漂う作品ゆえ、世界各国で上映禁止になってしまった、という部分すらもカルト的な付加価値に思えてしまいます。

動物を虐待する描写がかなりイヤではありますが (人形であってほしい…)

中二病を拗らせた思春期の少女たちの危険性を余すところなく出しています。

少年犯罪の「犯罪に至るまでの段階」も同じだと思うのですが、最初のうちは神への反発・悪魔への服従がカッコいいと考える。

そして小さな悪事を働くうち、だんだん増長していく。

自分ひとりではなく、同調してくれる友達もいるから安心。

そこから自分が大きな存在だと勘違いし、ついには殺人にまで手を染める。

見事な流れです。

ただ、危険性と同時に彼女たちがやっぱりまだ子供である、という部分もキチンと描写しています。

本格的に段取りをつける悪魔崇拝の儀式ごっこ。

男たちをからかって、いざ襲われると恐怖に悲鳴を上げるし、襲われているロールを助けるためにアンヌは我も忘れて必死に薪で男を殴りつけます。

そして殴った男を殺してしまったことに動揺するし、刑事が事情聴取に来ただけで不安で泣いてしまいます。

ふたりの関係はアンヌのほうがリーダーで、ロールはアンヌほどメンタルが強くありません。

全部バレて逮捕されてしまう、と泣くロールの肩をアンヌは力強く抱き、そしてふたりで死のうと決意します。

文化祭の舞台上で不穏な詩を朗読するふたり。

自らの身体に火をつけて壮絶な最期を遂げます

…てゆーか、観客席の大人たちが誰も助けないって…

子供たちが火だるまになっているのに我先にと逃げ出していて、誰かジャケットとかでバサーッ!バサーッ!とかやって消火しようとしないんだなぁ、とショックを受けつつ妙に冷静にそんなことを考えてしまいました。

まあそんなシーンがあったらあったで「衝撃的なラストが台無し」と思ったかもしれませんが (←自分勝手)

あまりいい意味でではありませんが、観た人に何かしら強烈な印象を残す作品です。

だけどこの作品が持つ毒には、なんとも甘美なものが含まれています。

クセになってしまうかもしれません。



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