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映画「ひまわり」あらすじと感想【ネタバレあり】ひまわり畑の下で眠るものは…

2023/02/25
 
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駆け出しライターのポムりんごと申します。 最近はめったに雪が積もらなくなった雪国在住。 映画や海外ドラマの視聴が趣味で、それが高じて英語学習もやっています。 英検準一級。TOEIC780。 漫画やゲームも好きな完全内向型。 家にこもってわがまま(セルフィッシュ)三昧に日々過ごしてます。

1970年のイタリア・ソ連・フランスの合作映画です。

「自転車泥棒」のヴィットリオ・デ・シーカ監督が晩年に撮った名作メロドラマ。

意志の強そうな顔立ちをクシャッとさせて慟哭するソフィア・ローレンの演技が胸を打ちます。

相手役はマルチェロ・マストロヤンニ

こちらも、陽気なイタリア男が過酷な状況下で人が変わったようになった様子を演じて悲哀を見せつけます。

そして耳に残るテーマ曲は、「ムーン・リバー」の作曲でも有名なヘンリー・マンシーニが手掛けました。

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あらすじ

ナポリで洋裁の仕事をしているジョヴァンナと、休暇中の軍人アントニオは、海岸で出会ってすぐに恋に落ちた。

休暇が明けるとアントニオは派兵されることになる。

離れたくないジョヴァンナは、彼の休暇を引き延ばすために結婚を提案する。

アントニオもその案に乗り、ふたりは結婚式を挙げた。

田舎町の小さな一軒家で新婚生活を送る。

幸せいっぱいの二人だったが、夜に散歩に出かけたとき、何発もの照明弾が橋を攻撃してきた。

咄嗟に草むらに身を隠して助かったが、戦争の激化によりアントニオの派兵が早まってしまう、とジョヴァンナは悟る。

翌日ふたりは一芝居うってアントニオを精神病院送りにして徴兵を免れようとするが、あっさりとバレてしまい、アントニオはより過酷な戦地・ソ連への派兵を命じられた

汽車に乗るアントニオを涙で見送り、彼がいない日々を静かに過ごすジョヴァンナ。

ついに戦争終結の知らせが届き、復員兵を乗せた汽車を駅で待った。

他の家族たちと同様、アントニオの写真を掲げて彼の姿を探す。

しかし彼の姿はない。

目についた復員兵に彼の写真を見せると、その男性はアントニオと同じ部隊にいたことが分かった。

彼の話によると、雪原での行軍だけでも体力を奪われ疲弊していたところを、敵の待ち伏せ攻撃で敗走。

その際にアントニオは歩けなくなり雪の上で倒れてしまったのだ。

復員兵は、後ろ髪を引かれる思いでアントニオをそこに残して歩き続けたのだという。

アントニオを置き去りにした復員兵を責めるジョヴァンナだが、夫はまだ生きている、という希望を捨てていなかった。

彼女はアントニオの年老いた母に、ソ連まで行ってアントニオを探してくる、と告げて旅立った。

 

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感想

ひまわりというと、真夏の日差しをいっぱい浴びて真っ黄色の大輪の花を咲かせる元気の象徴みたいな花ですが、この映画の壮大なひまわり畑は、この土の下に大勢の戦没者が埋められており、悲しみの象徴となっています。

新婚旅行の車窓から見えたひまわり畑は、ふたりの目には明るい未来を感じさせるものだったと思います。

だけどラストシーンのひまわり畑は、アントニオとの完全な別離を受け入れたジョヴァンナの、彼への未練が埋葬された、というふうに解釈しました。

 

ロシアまで行って突きつけられた惨い事実。

アントニオは雪原で意識を失くしたときに現地の娘 (美人) に助けられ、記憶も失くしたまま彼女と結婚して娘まで生まれていました

工場で働き、ささやかながら幸せな暮らしをしているのを見てジョヴァンナは、彼女を見て記憶を取り戻したアントニオから目をそむけて汽車に飛び乗ります。

このときの泣きじゃくりぶり…

ジョヴァンナの絶望がヒシヒシと伝わります。

隣に座っているロシア人のおばちゃんが、どうしていいか分からず困惑するのも伝わります(;´∀`)

慰めようにも言葉は通じないし、無視するのもヘンだし、私が泣かしたって思われる~と世間体も気になっちゃうし…

いいシーンなんだけどおばちゃんの立場になると、非常に迷惑だったりします。

 

イタリアに戻ったジョヴァンナはアントニオの写真や持ち物をうおおりゃあああ―――!!暴れるついでに処分し、他の男性とのデートにも出かけます。

家も引っ越し、仕事も変えて心機一転。

ミラノで新生活を送り始めました。

そこへジョヴァンナのことが気になるアントニオが連絡を取ってきます。

一度は拒絶するジョヴァンナですが、二度目の電話で家に来ることを了承しました。

彼が来る直前に大雨が降って雷が鳴り停電になります。

暗い中での再会。

そしてロウソクをつけると部屋が明るくなります。

いえ、映画の中では停電のままです。

監督の指示なのか照明係さんが気を利かせたのか、「ロウソクで明るくなった」という演出で、電気を煌々と点けているんですね(;^ω^)

ロウソク1本の灯りで、あんなに部屋全体が明るくなるわけないだろ!

しかしあくまでも「ロウソクの明かりの中で話すふたり」というシチュエーションを押し通す演出側。

この強気な姿勢…… 嫌いじゃない(・∀・) むしろ面白いと思っちゃいました。

映画の世界から一瞬現実に戻ったことは否めないけど。

 

そんな部分で一旦呆気にとられましたが、ラストシーンの余韻は素晴らしいです。

結局もうやり直すことはできず、二度と会うこともなくなる二人の別離。

汽車の窓から切ない表情でずっとジョヴァンナを見つめるアントニオ。

ホームから硬い表情でアントニオを見つめるジョヴァンナ。

そして汽車が動き出し、彼の姿が見えなくなった途端に、こらえていた涙を抑えきれずに泣きながら見送るラスト。

そして広大な墓地でもあるひまわり畑の映像。

 

テンポよく進んで面白かったし、情緒的な雰囲気が素敵でした。

はあ~、観て良かった(*´▽`*)



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