映画「五番町夕霧楼」 (1980年版) あらすじと感想【ネタバレあり】火も水もこわい
実際にあった金閣寺放火事件をモチーフにした作品です。
主演は松坂慶子さんと奥田瑛二さん。
浜木綿子さんや長門裕之さんが松坂さんを支えます。
田中邦衛さんがワンシーンだけ登場していました。
あらすじ
昭和25年。京都府丹後。
五番町にある遊郭・夕霧楼に売られてきた夕子には、幼馴染の正順という、結婚を約束した相手がいる。
彼は今、実家の寺を継ぐための修行で、五番町近くにある鳳閣寺に住み込みながら大学に通っていた。
大切にしている尺八を送ってほしい、というお願いを実家にしていた彼に、夕子は自分が届けに行く、と申し出る。
苦界の生活も、正順に会えることだけを楽しみにすれば耐えられると思っていた。
女将のかつ枝に案内され、ほかの女郎たちと顔合わせをした後に自分の部屋を与えられる。
翌日、さっそく鳳閣寺に出向くが正順は不在であった。
尺八を他の修行僧に渡し、手紙を書くことにする。
そしてかつ枝の采配により、夕子の水揚げは西陣帯の大店の旦那・甚造が行うことに決まる。
水揚げ後、甚造はすっかり夕子が気に入り得意客となっていたが、ほかの常連客も彼女に目をつけていた。
そんな頃、夕子から手紙を受け取った正順が夕霧楼まで彼女に会いに来た。
懐かしさと愛おしさで夕子ははしゃぐが、吃音のため上手く話せないながらも「なぜ女郎になったのか」と正順は問い詰める。
本当は水揚げ前に抱いてほしかった、と夕子は言い、それでも今からでも抱いてほしいと懇願した。
しかし正順は夕子を「汚い」と言って拒絶する。
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感想
汚いとはなんじゃっ! 汚いとはっ!!
そもそも夕子を売ったのは おとっつあん だ!
責めるならこの甲斐性なしの おとっつあん でしょうが! ああん?
禅僧がそんなに偉いもんですか?
と思っていたら、正順の修行先は生臭坊主でいっぱいでした。
修行僧仲間もそんなに真面目ではなく、結構テキトーに過ごしています。
吃音な上に生真面目で短気な正順は浮いていて、暴れては反省室にひとり閉じ込められる。
ましてやここの和尚は、正順の母を手籠めにしていました。
禅の心とは、と絶望し鬱屈した感情を持っている彼は、唯一の癒しである夕子に会いにいきます。
さすがに「汚い」の言葉は撤回しますが、決して夕子を抱こうとはしません。
懐かしい話をしたり歌を歌ったり…
かつ枝もほかの女郎も「何してんだ、あの人ら」と首をかしげます。
だけど正順が通うようになって独占欲がムクムク湧いてきた甚造は、鳳閣寺の和尚に遊郭通いを密告。
実家の寺は無くなり、さらに破門を食らった正順はついに鳳閣寺に火をつける決断します。
一方、望み通り正順を追い出して夕子をほぼ独り占めできるようになった甚造は、吐血した夕子にビビッて逃げ出しました。
おいこら、ヘタレーーー!!
人生の終わりが近い夕子と、人生が破滅した正順は、やっと結ばれましたが…
正順はやり直すことができたと思うんだけどなぁ。
夕子の余生をふたりで静かに過ごすことも出来たはずですが、放火を決行し、その炎に身を投げて自死しました。
焼身自殺… こわい (;´・ω・)
そして夕子も、遊郭の人たちに黙ってふたりの思い出の海で自死。
入水自殺… これもこわい (;´Д`)
悲劇の恋人たち、と見えますが、吃音というだけではなく生きづらい性格の正順の暴走と、そんな彼に依存していた夕子の甘えの結果かなぁ、と思います。
ちょっと長くて途中で退屈してしまいました。
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