映画「トゥルーライズ」あらすじと感想【ネタバレあり】筋肉式ファミリードラマ
1994年公開。
主演のアーノルド・シュワルツェネッガーが、1991年に公開されたフランス映画を気に入って、自らジェームズ・キャメロン監督にリメイクを持ち掛けたアクション・コメディ作品です。
共演のジェイミー・リー・カーティスがゴールデングローブ主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) を獲得しました。
顔芸といい、ドタバタした動きといい、ホラーで鍛えた悲鳴といい、見ているだけで可笑しくなる熱演です。
本家のフランス映画のほうは残念ながら日本未公開のようです。
こちらも見てみたかった。
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あらすじ
ハリー・タスカーはコンピューター会社のセールスマン、という表向きの顔を演じている国家エージェント。
その正体は家族である妻ヘレンと娘デイナすらも知らない。
中東のテロ組織「真紅のジハード」を警戒しているハリーたちのグループは、組織の帳簿に使途不明金があることに気づく。
お金の受取先はジュノという古美術商の女性。
ハリーは偽名を使ってジュノに近づいた。
テロ組織リーダーのアジズはそのとき、巨大な古美術品を展示用に取り出す作業員に紛れてハリーの様子を伺っていた。
その帰り道、ハリーと相棒のギブは尾行されていることに気づき、逆に捕まえてやろうと画策する。
奇しくも今日はハリーの誕生日で、ヘレンから早く帰ってくるよう頼まれていたが、犯人確保が優先だ。
ケーキを用意して待っている家族を思うと心が痛んだが、ハリーは気持ちを切り替えた。
本部に応援を頼んでから、ハリーはショッピングモール内のトイレに入り、洗面台に小型カメラを仕掛けたタバコの箱を置く。
その映像は車で待機しているギブの元に届いた。
用を足すフリをして待ち構えると、ふたりの男がハリーを襲撃する。
返り討ちにしたところでアジズが散弾銃を撃ちながら入ってきた。
ハリーは咄嗟に躱し、隙をついてアジズを狙うが、アジズは散々トイレ内を破壊したあとすぐに逃げ出した。
通行人のバイクを奪い取って逃げるアジズを、騎馬警官から馬を奪って追うハリー。
高級ホテル屋上で追い詰めるが、残念ながら取り逃がす。
帰宅すると、デイナはもう寝ており、待っていたヘレンも疲れていて、誕生日パーティーはお流れになった。
翌日、昨夜のお詫びにランチに誘おうと、ハリーはヘレンが勤める法律事務所に顔を出す。
しかしヘレンの個室ブース前まで来たとき、ヘレン宛にサイモンという男から電話がかかってきて、一緒にランチをとる約束をするところを見てしまう。
同僚から “謎の彼氏” とからかわれてヘレンも満更でもない。
ウキウキしながらサイモンとのランチデートに向かうヘレンに背を向け、ハリーは落ち込んで車に戻る。
落ち込んでいた気持ちはムクムクと怒りに変わり、彼女の鞄に追跡装置や監視カメラ・盗聴器の類を仕込んで浮気の証拠を掴もうとする。
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感想
ヘレンの浮気疑惑で落ち込むハリーに、経験ありのギブは「仕事に打ち込んで忘れよう」と言って元気づけようとします。
悪人をブチのめせばスッキリするぜ、と「あぁ、まあ確かに…」と思わせる提案をしますが、今浮気を知ったばかりのハリーは気乗りしません。
落ち込んで帰宅した夕食時、ハリーはヘレンにカマをかけてみます。
ヘレンは分かりやすいほど動揺し、ハリーは落胆より怒りのほうが湧いてきました。
その日のうちにギブに連絡して、こっそり拝借したヘレンのバッグに、仕事で使うスパイグッズの数々を仕込ませます。
公私混同だぞ、とギブに注意されますが、「いつもやってることなんだから、いいじゃないか」と意味不明な理屈で押し通します。
そして夜のデートが分かったところで、部隊にまで手を回しヘリや軍用車でヘレンとサイモンを追い込みました。
ハリーの公私混同、規模がデカすぎて圧倒されますww
嫉妬に燃えると人は何をするか分からない!
けど、フィクションなんだからここまで荒唐無稽なほうがいい!
もちろん現実では公私混同はあまり良くないけど、人間の感情ってスイッチみたいに簡単に切り替えられるものじゃないから、ある程度はしょうがないかな、と思います。
パートナーの浮気とか知っちゃったら… ねえ?
ハリーの策略で即席の諜報員にさせられてしまったヘレン。
ドリスというコードネームを与えられ、家族団らん中に正体を隠したギブから電話を受けます。
高級ホテルのフロントから封筒を受け取るように、という指示でしたが「セクシーな恰好で行け」と言われます。
セクシーとは言い難いけれど、お堅いヘレンの手持ちの中では冒険したほうだと思われる黒のワンピースを着ていきました。
封筒には新たな指示が。
コールガールに成りすましてターゲットの部屋に行き、盗聴器を仕掛けてこいと言うのです。
部屋に向かう途中の廊下に大きめの鏡が掛けてありました。
通り過ぎようとしたけれど、ふと気になって真正面に立ち自分の姿を凝視します。
・・・・・モサい。
ヘレンは思い切ってワンピースのあちこちを破り捨ててミニタイトドレスに早変わりさせ、化粧もこってりと塗り直します。
髪も濡らしてポーズを取り、いざ出陣!
鏡のある場所に来るとつい自分の姿を見てしまうのは、ナルシストとかではなく本能なのかもしれません。
街中のショーウィンドウなどでも自分の見た目をチェックしてしまうのって、たぶん無意識の行動です。
化粧は武装、と言いますが、人が見た目に気を遣うのは、その人自身の心を強くさせるためでもあります。
人に舐められないようにする。
自信を持って堂々と振舞う。
だから自分の姿が映るところにくると、「見なきゃ」と気負うわけではなく、自然にチェックが入ってしまうのだと思います。
人の本能だと思って寛大に受け止めたい気持ちです。
一緒に戦って守ってヘレンとの絆は強固なものになりました。
反抗期だった娘のデイナも、ハリアー戦闘機で助けだして父親の威厳を取り戻します。
筋肉にものをいわせて家族の絆を取り戻す、「筋肉式ファミリードラマ」というジャンルがここに完成です。
アクション映画に理屈や理由付けはいりません。
ただただ派手に暴れてカタルシスを解消させてくれればいい。
そして矛盾点やおかしな部分をネタ的にツッコんで笑えればそれでいい、という持論を持っています。
そういう点で満点です、この映画。
ああ、スッキリした (´▽`*)
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