映画「トリコロール / 白の愛」あらすじと感想【ネタバレあり】
トリコロール三部作の2作目はテーマ「平等」の白です。
こちらの主人公は男性で、日本映画「杉原千畝 スギハラチウネ」にも出演したポーランド人俳優ズビグニェフ・ザマホフスキーが演じます。
ヒロインはジュリー・デルピーです。
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あらすじ
妻のドミニクに離婚申請をされているポーランド人のカロル。
パリの裁判所で、性の不一致を理由に上げるドミニクに、それについて質問する裁判長の言葉を、通訳を介して聞くカロルは自分に不利なことを悟る。
フランス語が出来ないからだ、と思い込んだカロルは声を荒げてしまった。
裁判後、ドミニクはカロルのトランクを置いて車で走り去って行く。
ホテルに泊まろうにも、カードも口座も使用禁止になってしまっていた。
一文無しで途方に暮れたカロルは、ふたりが共同で経営していた美容院に入って夜を過ごした。
翌朝出勤してきたドミニクに叩き起こされる。
夫婦仲を修復しようと試みるが、やはりカロルが性的不能のために無理だった。
店の鍵を返さないカロルに対抗するため、ドミニクは店のカーテンに火を点け、それをカロルによる放火だと警察に訴える、と脅してきた。
仕方なくカロルは逃げ去った。
行く当てもなく駅の構内で櫛をハーモニカのように吹いて曲を奏でていると、同じポーランド人の男性ミコワイが声をかけてくる。
故郷に帰るというミコワイの言葉に、カロルも帰りたいと願った。
しかしパスポートもお金もない。
ミコワイは、ある死にたがっている男を殺せば金が手に入る、という話をするがカロルは断った。
ミコワイの荷物として、トランクの中に入って密航することを選ぶ。
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感想
三部作の中で唯一の喜劇です。
カロルは結構可哀想なのですが、悲壮感がなくトボけた雰囲気があります。
この密航だって「カルロス・ゴーンかよ!」とツッコんでしまうお粗末ぶり (いや、ゴーンは成功したんだった)
スーツケース用のステッカー「ゴーンは入っていません」をペタッと貼りたいな~、とか考えちゃいました。
※売り切れだそうです
それを貼っていなかったせいで泥棒に盗まれてしまったトランク。
ポーランドには着きましたが、窃盗犯たちにタコ殴りにされて捨てられてしまいます。
とりあえず実家であるお兄さんの美容院まで辿り着き、ミコワイとも再会できました。
そして両替屋が裏で行なっている土地ころがしの仕事を手伝い金儲けに精を出します。
さらにはミコワイが言っていた「死にたい男」はミコワイ自身。
彼の依頼を受けますが、胸に押し付けた銃は空砲で結局ミコワイを助けます。
それで報酬ももらい、会社経営に乗り出したカロルは大金持ちになりました。
どん底から這い上がって順風満帆ですが、ドミニクは変わらず冷たい。
ついに復讐に乗り出すカロル。
もうね~、なんかおとぎ話みたいです。
エロがあるから大人向けになってるけど (ヌードはないです。声はヤバいけど)
フランスでは警察に追われることになったカロル。
ポーランドで警察に捕まったドミニク。
お互いに滞在している国では母国とは立場が変わってしまう。
それが「平等」を表わしているのかな、と思いました。
中立の場がないとは、なんとも厳しいものですが…
何につけても平等・同権が叫ばれているなか、差別もまた平等であるという皮肉にも取れました。
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