映画「TOVE / トーベ」あらすじと感想【ネタバレあり】ムーミン谷の仲間たちの裏事情
「ムーミン」の原作者トーベ・ヤンソンの30代~40代前半の人生を切り取った伝記映画です。
アニメ作品「劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス」ではスノークのお嬢さんを演じたアルマ・ポウスティがトーベを演じました。
他に「ブレードランナー2049」のクリスタ・コソネンや「ストックホルム・ケース」のシャンティ・ローニーなどが主要人物を演じます。
あらすじ
1944年。
フィンランドにも襲ってきた戦火の中、芸術家トーベ・ヤンソンは防空壕で自身が創造したキャラクター「ムーミントロール」の絵を描いていた。
やがて戦争は終わり家族と共に暮らすが、著名な彫刻家である父ヴィクトルからムーミントロールたちの絵をバカにされる。
それをきっかけにトーベは家を出ることにした。
見つけ出したアトリエ兼住居は、爆撃により窓は壊れ、電気も通じていない廃墟のようなアパートだった。
トーベは自分で修繕し、そこで意欲的に創作活動を開始する。
その頃、ジャーナリスト出身の国会議員アトス・ヴィルタネンのホームパーティーに、他の芸術家仲間たちと共に参加した。
トーベは既婚のアトスと惹かれ合い、不倫関係になる。
彼女の部屋で夜を過ごしても、翌朝にはアッサリと去っていくアトス。
ムーミン谷の物語に、春になるとやってきて冬になると去っていくキャラクター・スナフキンが誕生した。
展覧会に絵画を出す機会が訪れ、その出品作を父に見繕ってもらうと「タバコを吸う女性」の絵を除外される。
しかしトーベは反発し、その絵も出品する。
展覧会で、その絵を気に入った市長の娘ヴィヴィカ・バンドラーから、父の誕生日会の招待状の装飾をしてほしい、と頼まれた。
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感想
これが縁でヴィヴィカとの恋愛が始まります。
芸術家とは、慣習や体制に囚われない型破りな人も多いようですが、トーベもそうでした。
当時はまだ同性愛が犯罪だった時代です。
それでもヴィヴィカへの愛は、アトスへのそれを凌駕するほどに熱く強いものになっていきます。
アトスからスナフキンが生まれたように、ヴィヴィカもまたムーミン谷の仲間になるのですが、必ずトーベとふたりセットになるキャラクターです。
トフスランとビフスラン。
実際に互いにそう呼び合い、二人にしか通じない言葉で話します。
「常に一緒」を意識している分、アトスより強いつながりを求めていたのだと感じました。
しかし舞台演出家のヴィヴィカが自分の芸術性を高めるためにパリに移り住んだことで、ふたりの間に距離ができました。
奔放なヴィヴィカは、パリで他の女性と親密になっています。
帰国を出迎えたトーベは傷つきました。
ヴィヴィカの演出で「ムーミン」の舞台は成功しますが恋愛は終わります。
明るくポップな宣材写真に、子供の頃に持っていたムーミン世界の優しいイメージ。
そのため「ムーミン制作の裏話を軽やかに描いた映画」かと先入観を持っていました。
だけど実際には、心に傷を負う切ない恋愛に苦悩する、けっこう重い作品でした。
思っていたのとは違っていましたが、嫌いな作風ではないし面白かったです。
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