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【読書感想】おバカさんのチャレンジ 養老孟司「バカの壁」を読んでみた

 
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駆け出しライターのポムりんごと申します。 最近はめったに雪が積もらなくなった雪国在住。 映画や海外ドラマの視聴が趣味で、それが高じて英語学習もやっています。 英検準一級。TOEIC780。 漫画やゲームも好きな完全内向型。 家にこもってわがまま(セルフィッシュ)三昧に日々過ごしてます。

電子書籍サイトのクーポンの期限が迫っていたことと、期間限定ポイントを消化したくて、「何か活字の本を読もうかな」と思い立ちました。
バカなりに、たまには知的活動でもしてみようかと。

そんな流れで目にとまったのが、平成の大ベストセラー、養老孟司さんの『バカの壁』
正直、タイトルの時点で「これは自分には難しそう」と避けていた本ですが、これも何かの縁。
「読んだらちょっとは賢くなれるかも」と淡い期待を抱いて読み始めました。

バカの壁(新潮新書)

イーブックジャパン

◆ 本の概要

『バカの壁』は、解剖学者であり東京大学名誉教授でもある養老孟司さんの口述をまとめた一冊です。
2003年に出版され、大ヒット。多くの人に「思考の壁」の存在を意識させました。

本書では、

・共感する力の大切さ

・脳のしくみや知覚の限界

・“何でもひとつの答え”にまとめたがる一元論の危うさ

などについて語られています。

 感想:わかりにくさと“置いてけぼり感”

「話せばわかる」は昔の政治家・犬養毅の有名な言葉ですが、養老先生は真逆の立場。

「話してもわからない、それが“バカの壁”だ」と言い切ります。

特に印象的だったのは、「個性の尊重」や「多様性の重視」といった現代的な考えに対して、あえて冷静な距離をとっている点。
“人間が本当に向き合うべきは、他者の気持ちを理解する力ではないか”という主張には、一理あるとも思いました。

…が。

その説明に、数学的な例や哲学的な理論を持ち出されると、正直ついていけませんでした。
普段、東大の学生を相手に講義されている先生の本に、三流高校卒の私が食らいつくのは、ちょっと無理があったのかもしれません。

自虐気味になりますが、終始「壁の外側にいる読者」として見られているような感覚に、少ししんどさを覚えました。

◆ “わからなさ”へのまなざしが欠けている気がした

この本が書かれた2003年当時、まだ「発達障害」という言葉は一般に浸透しておらず、「ちょっと変わった人」はすぐに「バカ」や「理解不能」と片付けられていました。

読んでいて感じたのは、そういった“頑張ってもできない人”に対するまなざしが、あまりに薄いということ。
共感の重要性を説いている一方で、共感しづらい立場の人にはあまり手が差し伸べられていない印象を受けました。

◆ それでも、読み終えてよかったと思う

難しいし、正直、楽しんで読めたかと聞かれたらNOです。
でも、「わからない本をあえて読む」という体験そのものが、今の自分にとってちょっとしたチャレンジでした。

すべてを理解することはできませんでしたが、「あ、自分にはこういう壁があるんだな」と気づけただけでも、意味があった気がします。

◆ まとめ

たぶん、もう一度読むことはないかもしれません。
でも、今の自分には難しくても、もっと年齢を重ねたときに読み返したら、別の印象を持つ可能性もある本だと思います。

電子書籍なので売れないのが残念ですが、「手元に残る知的ストレス」というのも、たまには悪くないのかもしれません。

こちらもよろしくお願いします

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バカの壁 養老孟司



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