映画「ブレックファスト・クラブ」あらすじと感想【ネタバレあり】自分とは何かを問うのは野暮

「すてきな片思い」に続くジョン・ヒューズ監督のモリー・リングウォルド三部作の2作目です。
モリーをはじめ、監督お気に入りのアンソニー・マイケル・ホールほか、エミリオ・エステベス、ジャド・ネルソン、アリー・シーディーら、当時の若手人気俳優が揃い、ブラットパック映画のなかでも代表格に挙げられています。
シンプル・マインズの主題歌「Don’t you (forget about me) 」も全米1位のヒットを飛ばしました。
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あらすじ
1984年3月24日 土曜日。
イリノイ州シェーマー高校に通う5人の学生が懲罰補講を受けに来た。
“スポーツマン” のアンドリュー。
“ガリ勉”のブライアン。
“お姫さま” のクレア。
“不思議ちゃん” のアリソン。
“不良” のジョン。
互いに学内ではまったく交流を持っていない全員だが、担任のバーノン先生により図書室に集められる。
そして1000文字以上の作文を書くように言われた。
テーマは「自分とは何か」。
向かいの部屋で見張っている、と言って先生が出ていくと、5人の間にぎこちない沈黙が流れる。
そんな中、ジョンはブライアンを威圧し、クレアにちょっかいをかけ、空気をかき乱していく。
ジョンの失礼さにクレアは嫌悪し、アンドリューは声を荒げる。
そして見張られている不愉快さから、先生がトイレに行った隙にジョンはドアのネジを取り除いて図書室の扉を閉めてしまう。
クレアやアンドリューが元に戻すように言ってもジョンはどこ吹く風。
戻ってきた先生が乗り込んできたが、全員素知らぬ顔でやり過ごし、ストッパーもない重いドアはそのまま閉じられることになった。
その際、反抗的な態度を取り続けたジョンは、休日登校の日数をさらに増やされる。
先生が出ていくと、作文に取り組む気力もなくダラダラと過ごすうち全員が寝落ち。
一度見回りにきた先生に起こされてトイレ休憩の後、またダラける彼ら。
しかし、たわいない会話をするうち、それぞれ親との関係に悩みを抱えていることが分かる。
ランチを終えた後、午前中より結束が固まってきた彼らは、先生の目を盗んで廊下に忍び出た。
ジョンの先導で彼のロッカーまで行くと、ジョンは中からマリファナを取り出した。
そして図書室に戻ろうとすると、先生が廊下をうろついている。
彼らは先生に見つからないよう隠れながら図書室を目指す。
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感想
最初にこの映画を観たのは中学生くらいの頃でした。
それから何度か繰り返し観ていますが、今回は数年ぶり。
久しぶりの視聴に、感想が変わったような気がします。
まず、やたらと騒々しく振舞って場の空気を悪くするジョン。
昔はただただ不良のイヤなヤツ、と思っていたのですが、執拗にクレアに猥褻なことを言って怒らせようとするのは、実は彼女にビンタしてほしいからなんじゃないかと思いました。
言葉攻めをするドSと見せかけたドM。
でもクレアは彼を殴りませんでした。
消化不良のジョンは、全員に悪態をつきます。
するとアンドリューがレスリング技で組み伏せます。
ドM 嬉しいっ!!
実はかまってちゃんなドMだったんだなー、と気づいたらジョンに少し可愛げを感じましたわ ( ̄▽ ̄)
先生に突っかかるのも、実はかまってほしいアダルトチルドレンだったんじゃないかと (あ、高校生だから子供の年齢か)
このジョンの人物評が一番感想として変化したところです。
作文のテーマである「自分とは何か」。
まったくやる気のない5人ですが、マリファナでラリパッパになったついでに何気に自分たちのことを語り合います。
それが自然に自分たちの内面を掘り下げる作業になっていました。
親との関係、周囲の環境、プレッシャー…
互いにいろんなことに対して悩んでいたことを知ります。
そしてその悩みが、彼らが今ここに来ていることの引き金になっています。
父親のプレッシャーからチームメイトに嫌がらせをしてケガを負わせたアンドリュー。
技工で赤点を取ったために成績に響くことを恐れて銃を持ち込んでしまったブライアン。
自分のことでケンカする両親への不満から授業をサボッてショッピングに出かけたクレア。
ジョンはずっと虐待を受けていたことで不良になり、普段の素行の悪さから。
アリソンに至っては自分を無視する家族の中にいたくない気持ちから、本当は呼ばれてないのにヒマだから登校した、というオチ (๑˃̶᷄ ౩ ˂̶᷇)・;’.、ブッ
そんな打ち明け話をした後、解決策が出たわけではないけれど、どこかスッキリした気持ちになった5人。
なんの接点もない彼らだったけれど、月曜日になってもきっと友達のままでいられる、という気持ちになります。
否定したクレアもきっと。
そんな余韻を残し、作文はブライアンが代表して書くことになりました。
「自分とは何か」と決めつけるのは馬鹿げている、と書き残します。
“スポーツマン” “ガリ勉” “お姫さま” “不思議ちゃん” “不良”
そんなカテゴライズをされている人たちにも別の側面があり、さまざまなことを考えている。
80年代の時点で、個性を重視する多様性について言及している作品です。
いま観てもやっぱり面白かったです。
冒頭とラストで、ジョン以外の4人は親が車で送り迎えをしてくれています。
ブライアンを学校に送り届けてくれたのは、演じているアンソニー・マイケル・ホールの実のお母さんと妹です。
そして放課後に迎えに来たお父さんはジョン・ヒューズ監督です。
ブライアンだけ妙に豪華なのはなぜ w?
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