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雨穴「変な絵」あらすじと感想【ネタバレあり】人の裏の顔を暴く謎解きゲーム

 
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駆け出しライターのポムりんごと申します。 最近はめったに雪が積もらなくなった雪国在住。 映画や海外ドラマの視聴が趣味で、それが高じて英語学習もやっています。 英検準一級。TOEIC780。 漫画やゲームも好きな完全内向型。 家にこもってわがまま(セルフィッシュ)三昧に日々過ごしてます。

webライター・You Tuber の雨穴さんが上梓した、ベストセラー「変な家」に続く2作目の小説です。

2022年に出版され、今年2025年1月に文庫版が出ました。

特典として謎解きゲームと後日譚が加筆されています。

 

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あらすじ

ある大学の心理学の講義で、心理学者の萩尾登美子は一枚の絵を学生たちに見せた。

11歳で母親を殺害した少女が描いた絵だ。

その絵からは少女の攻撃性や逃避願望などが読み取れるが、同時に母性的な庇護欲も見られる。

元来は優しい性格だと感じた当時の萩尾は、彼女は更生できると判断した。

そして今現在、大人になった彼女は幸せなお母さんになっているという。

 

2014年.

就活中の大学生・佐々木修平は、所属しているオカルトサークルの後輩・栗原から奇妙なブログを紹介される。

「七篠レン 心の日記」という、一見オカルトともホラーとも関係なさそうな日常ブログだ。

最終更新日は2012年。タイトルは「一番愛する人へ」。

そこには「三枚の絵の秘密に気づいてしまった。あなたを許せない。だけど愛している」という内容が書かれている。

佐々木は、遡って最初から読むことにした。

始まりは2008年。

レンはブログを始めるにあたり、ネットに個人情報を載せると危ない、と言われて元イラストレーターの妻ユキに描いてもらった似顔絵を載せた、という経緯を書いている。

他愛ない日常のことを書いており、その年の12月にユキの妊娠が判ったことを報告していた。

喜びでいっぱいの投稿が続くが、逆子と判明してから不安も吐露するようになっていく。

しかし体調の良い日にユキは絵を描くようになっており、レンはそれをブログに載せていく。

「未来予想図」と称して、これから生まれてくる子供の赤ちゃん時、大人になった姿など、5枚の絵を公開。

それぞれに番号が振ってある。

そしてユキが産気づいた報告から1カ月後のブログに、ユキが出産時に亡くなった報告がなされる。

最後のブログ記事の内容から、ユキが描いた5枚の絵のうちの3枚に秘密があり、ユキの隠れた罪があると考えた佐々木は、翌日さっそく栗原と話をする。

 

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感想

前作「変な家」にも登場している栗原さん。

大学生のときからすでにロジカルな思考で不気味な問題に取り組んでいます。

ちなみに雨穴さんのYou Tubeのお正月恒例動画「おせちシリーズ」で、おせちのマルチ商法にハマッた雨穴さんからの電話をガチャ切りしていますw

そんな彼が活躍するのは第1章とラスト。

一体何をやって足の骨折なんかしたんでしょうか?

謎を解くのが得意な栗原さんが一番謎めいています。

 

この作品も連作短編のように、それぞれ独立したストーリーに見えますが、ちゃんと前の章と繋がっています。

各章に特徴的な “変な絵” が提示され、その謎を各章のメインの登場人物たちが解き明かしていきますが、それがプロローグから続く一連の出来事として解明されていく作りです。

読者に挑戦する “叙述トリック” の部分も多々あります。

なのでコレ… 映像など視覚化は難しそうだけど、コミカライズされているんですね。

第2章登場の今野直美の外見とかどう描くんだろ。

第3章登場の亀戸さんも…

下手すると絵自体がネタバレになってしまいますから。

ちょっと興味あるのでピッコマで読めるところまで読んでみます。

そんな感じで読者を驚かせる仕掛けがあるミステリーなのですが、本来ホラーが得意な著者なので、怖いところはマジ怖です。

得体の知れない誰かに追われる直美の恐怖や、第3章の惨殺シーンの凄惨さに鳥肌たちました。

ただ、この惨殺シーンには思うところがあります。

犯人は夜にひとりで、途中から険しくなる山道を登ってきたってことですよね。

どこかでお弁当をペースト状にしてみたりして、なかなか非現実的な行動を取っているな、と。

さらに被害者の行動も、手首から先までしか動かせない上に、殴りつけられながらの絵画。

ダイイングメッセージを遺すにしても、厳しいんじゃないかと思いました。

そのメッセージが、かなり伝わりにくいし。

なのでミステリーとしてはアンフェアなものに感じました。

でも物語としては面白いです。

よく出来ていると思いましたし、文庫特典の謎解き&後日譚では、ユキの裏の顔も垣間見えます。

大人しく優しい女性に思えていた彼女から、我が子を殺人鬼にしても厭わないと思うほどの強い復讐心が見えたラストに、ゾッとしました。

みんなどこか壊れている。

そんな風に思えるストーリーでした。

 

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