「勝手にふるえてろ」あらすじと感想【ネタバレあり】

 
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駆け出しライターのポムりんごと申します。 最近はめったに雪が積もらなくなった雪国在住。 映画や海外ドラマの視聴が趣味で、それが高じて英語学習もやっています。 英検準一級。TOEIC780。 漫画やゲームも好きな完全内向型。 家にこもってわがまま(セルフィッシュ)三昧に日々過ごしてます。

2017年公開。

若手実力派女優・松岡茉優さんの初主演作品です。

ごく普通の一般企業のOL役で、会社の様子も描写されるのですが、畳敷きのロッカールームに色んな部署の人たちが各個人やグループで固まって自由に過ごしている。

こんなにリアルに近い昼休みの光景を映画で初めて観ました。

でも、一斉に電気を消して昼寝タイムに入るのは見たことないですw

勝手にふるえてろ

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あらすじ

一般企業の経理部で働くヨシカは、生まれてこのかた24年間、彼氏が出来たことがない。

しかしヨシカは、中学のときの同級生・イチのことをずっと心の中で思っているので寂しくはなかった。

中学時代もほとんど話をしたことがなく、卒業後はまったく交流がない。

それでもヨシカは、わずかばかりのイチとの過去の思い出を胸に一途にイチだけを想っている。

一人暮らしのアパートに帰ると、ウィキペディアで古代の生物たちについて読むことを趣味にしていた。

特に絶滅した生物たちがヨシカのお気に入り。

アンモナイトの化石を購入してテンションが上がる。

イチのことを毎日想い、趣味も充実し、ヨシカは今の生活に満足していた。

 

ある日、同僚で友達の来留美に、営業部の人たちとの合コンに誘われる。

行きたくないと断るが、来留美が勇気を出して営業の高杉に告白する、というので、カップル誕生の瞬間に立ち会おうと、同行することにした。

しかしやっぱり来るんじゃなかったと後悔する。

人の輪から離れて外に出ると営業の霧島がヨシカに話しかけ、強引にラインIDを交換してきた。

そして翌日、さっそく霧島からデートの誘いがあり、行って見たかったお店に行けるから、という理由でヨシカは出向いた。

思いがけず霧島から告白され、ヨシカは人生初告白に浮かれまくる。

だけどヨシカの心にはイチがいる。

返事を保留にし、霧島の登録名は“ニ”に変えた。

 

イチの思い出を脳内に描きながらヨシカはうたた寝から爆睡に入る。

焦げ臭さに目を覚ますと、点けっぱなしにしていた電気ストーブの火が、布団に燃え移っていた。

ヨシカはパニックになりながらも、浴槽に水が張ってあったことを思い出して急いで布団を突っ込んでボヤで済ませることができた。

本気で死ぬかと思ったヨシカは悟る。

 

このままイチと現実で何も進展がないまま死にたくない。

せめて今のイチに会って、前のめりに死んでいこう、と心に決めた。

 

同窓会を開くことを思いついたが、自分が発起人とはバレたくない。

ヨシカは、途中で海外に転校していった元同級生の名前を騙って開催する。

そして同窓会当日。

なかなかやってこないイチを、ヨシカは辛抱強く待つ。

 

感想

10年も前のイチとの思い出。

あのとき話しかけられた。このときに声をかけた。

いずれも他愛ないものばかりです。

それでもヨシカは、脳内に当時のイチを召喚して何度も何度も反芻してはときめいています。

その間リアルの恋愛は全部スルー

そのあまりにも長い片思いを、来留美は「ありえない」と言い切ります。

ヨシカは「ありえる」と反論します。

しかもヨシカは何度も反芻しているうちに脳内の思い出補正がかかり、現実が太刀打ちできないほど美しいものに。

思い出の中に生きても、現実は何も変わらないし、我に返ったときに虚しい気持ちが広がるのですが、そのヨシカの「時間の無駄遣い」っぷりが、こじらせ女子のリアルを感じさせます。

 

同窓会に遅れて現れたイチに、ヨシカが声をかけるヒマもないうちに、男の同窓生が飛びついて歓迎します。

他の同窓生たちも、男女問わずイチに声をかけ、友達がいなかったヨシカはその輪に入るタイミングが掴めません。

イチと接近するために開いた同窓会なのに…

それでも中学時代と変わらず、周りに可愛がられている人気者のイチが眩しく見えます。

なんとか勇気を出して近づき、後日タワマンに住む同窓生の家に皆で集まる、という話に乗りました。

しかしタワマンでも、イチは周りを他の人に囲まれ、ヨシカは手持ち無沙汰になります。

近づきたくても近づけないもどかしさの中、時間は深夜を回り、他の同窓生たちも眠ったり外出し、ようやくイチと二人きりで話すチャンスがやって来ました。

そのときイチは、本当は同窓会にもタワマンにも来たくなかった、と本音をヨシカに打ち明けます。

意外な言葉にヨシカは驚きますがイチは、自分は当時いじめられていた、と思っていたのです。

イチが人に囲まれて、周りに可愛がられて頻繁に話しかけられているのは、人気者だからだとヨシカは思っていました。

だけどイチは、自分が望んでいない過剰なイジリにウンザリしていたのです。

意外でしたが、なるほどなぁ、とも思いました。

一見、人が常に周りにいる人は人気者に見えますが、話しの内容やじゃれ合いの強弱までは、当事者でなければ分かりません。

そこに悪意が含まれているか、ということもです。

イジメをイジリと言って軽い印象にし、されている子が人気者なのだと勘違いするのは、危険なのかもしれません。

「周囲の無理解」って、こういうのも含まれるのかな、と考えました。

 

史上最年少で芥川賞を受賞した綿矢りささんの原作だけあって、あちこちに立てたフラグが後に活きる筋立てが、文学的で非常に上手いです。

そのひとつが、ヨシカが人の名前を覚えられず、茶化したあだ名をつけること、があります。

そのあだ名は全部陰で言っているだけで、本人たちには知る由もないのですが…

霧島は“ニ”、来留美の好きな人・高杉は“出木杉”(ドラえもんに出てきますね)。

そして経理部長のことは“フレディ”

クイーン・ファンとして食いついてしまいました。

ヨシカ曰く「あの顔にサスペンダーだよ。そのうち白しか着なくなるよ」だそうで、たしかに部長は口ひげを蓄えて髪を短く刈り揃えて…

し、白しか着ないわけじゃないよ!さ、サスペンダーだって、そんな、お、多く着てるわけじゃ…

誤解を解きたくて口うるさいオバさんに成り下がりそうになりました。クスン。

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