映画「リプリーズ・ゲーム」あらすじと感想【ネタバレあり】ゲームのつもりが絆されて
パトリシア・ハイスミスが生みだした悪徳主人公トム・リプリーを、今回はジョン・マルコヴィッチが演じます。
監督はリリアーナ・カヴァーニ。
助演には「エバー・アフター」のダグレイ・スコットや「ゲーム・オブ・スローンズ」のレナ・ヘディらが配されています。
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あらすじ
ベルリンにて、チンピラのような風情の男リーヴスと組んで贋作を売りさばいたトム・リプリー。
画商のボディーガードを躊躇なく殺害して残虐さを見せつける。
殺人の証拠を残さないよう、報酬はすべてリーヴスに渡し、一緒の仕事はこれで最後にして二度と会わない、と告げて去っていった。
3年後。
イタリアに居を構えているリプリーは、ハープシコード奏者の妻ルイーザと共に悠々自適に暮らしていた。
ある日、近所に住む額縁職人ジョナサンのホームパーティーに出席する。
しかしそこで、ジョナサンが自分の悪口を吹聴しているのをリプリーは聞いてしまう。
聞かれていることに気づいたジョナサンは誤魔化そうとするが、リプリーから執拗に絡まれてバツの悪い顔をするのだった。
帰宅すると、リーヴスがリプリーの家に入り込んでいた。
仕事の縄張り争いで分が悪いため、リプリーにライバルを殺して欲しいというのだ。
ライバルたちと何の関りも持っていないリプリーなら警察に疑われない。
そう言って頼み込むが、リプリーは断った。
その代わりにジョナサンを紹介する。
ジョナサンは妻サラと幼い息子マイクがいるのだが、彼自身が骨髄性白血病を患っており余命いくばくもない状態なのだ。
遺していく家族のために金がいる。
リーヴスはリプリーからもらった情報でジョナサンを突き、ライバルのロシア人を殺害させた。
感想
「太陽がいっぱい」でアラン・ドロンが演じていた頃、トム・リプリーはまだ殺人なんかしたこともない初々しい青年でした。
それが年を経て、淡々と殺人をこなすサイコパスになってます。
途中リプリーは助演に回っていて、ジョナサンとリーヴスが話の中心となるのですが、ロシアと戦争させるためにウクライナのマフィアまで殺そうとするあたりで、加担してきました。
(時勢的にシャレにならんわ…)
リーヴスに実行を頼まれて断ったものの絞首危惧への興味が勝ってしまった模様 (;^ω^)
列車の中、それも狭いトイレでジョナサンと一緒にボスを殺すリプリー。
依頼をこなして一安心する間もなく、被害者の部下たちが次々と「ボスぅ~、トイレ長いっすけど、大丈夫っすかぁ~?」と聞きに来るものだから、狭いトイレに累々と増えていく死体に… 笑ってしまいました。
さすがの天才リプリーくんも思案顔。
不測の事態に遭遇しても激しく取り乱さないところが彼らしいです。
「太陽がいっぱい」でも自分に疑いを持ったフィリップの友人を、躊躇いなく布袋尊像で殺してたもんね。
それにつけても相変わらず計画性なく衝動で殺人を重ねるところに成長が窺えないキャラクターだな、と思いました。
そんな冷血漢リプリーくんですが、ジョナサンのピンチを察して助けに入ります。
ジョナサンを巻き込んだことはリプリーにとってゲームだったのですが、さすがに可哀想になってきたのかもしれません。
そしてジョナサンもリプリーを庇って、残り少ない余生を一足早く終わらせました。
殺人を通して生まれた男の友情…
ちょっと感動にはなり得なかったかな (;^ω^)
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