映画「ロバと王女」あらすじと感想【ネタバレあり】おとぎ話の良さも悪さも
ジャック・ドゥミ×カトリーヌ・ドヌーヴ×ミシェル・ルグランのトリオで作られたシャルル・ペロー原作のおとぎ話です。
「ロシュフォールの恋人たち」のジャック・ペランも再起用。
この後「モン・パリ」でも起用するミシュリーヌ・プレールも登場しています。
他に、ジャン・コクトー作品の常連ジャン・マレーや、「ジャッカルの日」にも出演していたデルフィーヌ・セイリグなども華を添えました。
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あらすじ
昔々、あるところに幸せな王様がいた。
美しい王妃との仲は睦まじく、ふたりの間には娘がひとりいる。
青色で統一されているこの国で青い馬と共に王宮の厩にいるのは、金貨・銀貨を生みだすロバである。
そのため財政も潤っている。
しかし、ある日王妃が急病に倒れて死の床についてしまった。
彼女は最期に王に「私より美しい人と再婚して」と言い残して旅立って行く。
王は嘆き悲しんだが、臣下たちから再婚を促されて各国の王女たちの肖像画を集めるが、どれも気に入らない。
だが最後に見た肖像画の王女は理想的だった。
彼女との再婚を望むと、その肖像画は自身の娘だと聞かされる。
王妃が死んでから「顔も見たくない」と遠ざけていたのだ。
王は王女を呼んで自分と結婚するように命令した。
戸惑う王女は返事を待ってもらい、森に行って妖精・リラの精に相談する。
父娘の結婚に猛反対するリラの精は、王女に「結婚したいなら空色のドレスを贈る」ように王に頼んでみるように進言した。
きっと空色など作れない、という目論見は外れ、見事なドレスが王女に贈られる。
それならば、と月のドレス、太陽のドレス、と次々無理難題を吹っかけるが、王は全部クリアしてしまった。
そして最後の手段として、金貨を生むロバの皮を持ってくるように王女に伝えさせる。
それすらも王はクリアしたので、リラの精は王女にロバの皮を着せ、顔にススをつけてみすぼらしい姿にした。
嘆く王女に魔法のステッキを渡し、隣の国に向かわせる。
感想
近親婚はアカーーーン！！！
アゴがしゃくれるーーー！
「A long time ago」が「ロング・ロング・顎―」になるーーー！
(近親婚の弊害はそこじゃない！ しゃくれはハプスブルク家だけだ！)
と、まあ前半は娘に結婚を迫る父親が気持ち悪かったので「リラの精、頑張れ！」と、妨害行為を応援してました。
ドレスを作らせるだけじゃ甘い！ かぐや姫を見習え、パクれ！
しかしリラの精の発想は斜め上。
王女を汚くして他国に逃がします。
このときの王女の足取りが軽くて優雅です。
ドヌーヴ、可愛い♡
正直、ドレスは煌びやかなんだけど、袖やスカート部分が膨らんでいてちょっと野暮ったく見えるんですよね (;´∀｀)
ケーキを作るとき、わざわざ太陽のドレスに着替えるのですが、動きづらそうでした。
他国では身分を隠して、下女として汚い小屋に住んで豚の世話をして周りからいじめられています。
呼び名は「ロバの皮」。まんまです。
このときのほうが動きに愛らしさがあると感じました。
井戸から水を汲む姿がなぜか可愛いんですよ。
でもやっぱり王子様に見初められるのは太陽のドレスを着て王女さま然としているときです。
そして王子様、恋の病で寝たきりに。 弱っ。
しかも「ロバの皮」が作ったケーキの中に入っていた指輪なのだから、お目当ての女性が誰かなんて最初から分かっているくせに、国中の未婚女性を集めて指輪がピッタリの人が自分の結婚相手なのだーって、何この茶番。
お城に集められた女性たち、いい面の皮。
王子… バカなのか、病んでるのか (￣▽￣)
同じシャルル・ペロー原作だからシンデレラごっこがどうしてもやりたかったらしい。
でもこの女性たちの衣装、高位貴族から平民まで幅広く、同じデザインのものがないから、こういう部分わりと見ごたえありました。
こちらの国は赤で統一なので、色彩的に制限があった中で違うデザインを作った衣装係さんたち、立派です。
最後にヘリが出てきたりもしましたが、おとぎ話らしいキュートな映像とツッコミ満載なお話で楽しめました。
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