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映画「モダン・タイムス」あらすじと感想【ネタバレあり】巨匠同士は影響し合う

2022/10/12
 
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駆け出しライターのポムりんごと申します。 最近はめったに雪が積もらなくなった雪国在住。 映画や海外ドラマの視聴が趣味で、それが高じて英語学習もやっています。 英検準一級。TOEIC780。 漫画やゲームも好きな完全内向型。 家にこもってわがまま(セルフィッシュ)三昧に日々過ごしてます。

チャップリンの持ちキャラ・放浪者チャーリーが初めて発声する記念すべき作品です。

トーキーへの強い抵抗があったけれど、時代の波に逆らえず、サイレント映画でありながら、意味不明な言語で歌う部分だけは実際の声を聞かせました。

機械文明への皮肉と大恐慌による失業という世相の問題点を風刺していながら、当時47歳とは思えない身体能力で体を張ったギャグを畳み掛けるようにこなして笑いを誘います。

モダン・タイムス(字幕版)

 

あらすじ

 工場のラインでひたすらネジを回して締める作業に従事していたチャーリーは、ある日ついに他人の服についているボタンすらネジに見えるようになってしまい、病院に搬送される。

 回復はしたが仕事は解雇になり、行くあてもなく道を歩いていると、目の前のトラックが旗を落していった。

落とし物を知らせようと旗を振りながらトラックを追いかけると、後ろから何人もの追従者がおり、デモ隊のリーダーと勘違いされて刑務所に護送される。

つらい刑務所生活… と思いきや、脱獄を計画していた囚人たちを捕まえて刑務官たちを助けたことを評価され、好待遇で優雅な刑務所生活を堪能した。

早々と釈放になり、刑務所長が書いてくれた推薦状のおかげで職もすぐに見つかった。

 しかしいきなり大失敗。

仕事は辞めてしまい、刑務所に戻りたい、と思い始めた彼と、貧乏からパンを盗んだ娘が出会い頭に衝突する。

 娘を店主と警官が捕まえようとするところを、チャーリーは自分が盗んだと名乗り出て、めでたく逮捕される。

しかし目撃者が真相を語ってしまい、チャーリーは釈放され娘が追われる。

なんとか刑務所に戻りたい彼は無銭飲食をして自ら警官に申告。

願い通り護送車に乗せられた。

しばらく行くと、先ほどの娘も護送車に乗せられてきた。

 事故で車が横転し、チャーリーも娘も外に投げ出された。

逃げ出す娘に、一緒に逃げるように促されて、チャーリーは娘と逃亡する。

 

目的を持って仕事に励む

チャーリーと娘は一緒に逃げ出し、中流階級の家が並び立つ地域の芝生に座り込みます。

そのとき、出勤する夫と見送る妻の幸せそうなやり取りを見て、ふたりは家を持つことを夢見ました

 娘が使われていないバラックを見つけて、そこを仮の住処としますが、やっぱりちゃんとした家が欲しい。

チャーリーはデパートの夜警の仕事を始めます。

 娘と一緒に遊んでしまったり、元同僚が強盗に押し入ってきたところを一緒に飲んでグチを聞いたりしているうちにショーケースの上で寝込んでしまって結局クビに…

 だけどすぐに次の仕事を見つけて家を買おうと奮闘します。

娘もストリートで歌と踊りを披露していたところを、ショーガールが欲しかったレストランオーナーに雇ってもらえました。

 生活のために仕事は必要ですが、そこにさらに何か目的があると、より一層励むことができますよね。

家が欲しい。車が欲しい。海外旅行に行きたい。

…なんか一昔前の望みみたいですが (;´∀`) 典型的な願い事って、あまり変わらない気がします。

 現実がどうあれ夢を見るのは自由です。

それを実現するために頑張ろう!と思えれば、つまらない仕事でも楽しくなるかもしれませんね。

 

すべて失っても

 ふたりともレストランで雇ってもらえましたが、娘が「浮浪罪」という罪で警察に指名手配されてしまいます。

レストランを張っていた刑事に捕まりそうになった娘をチャーリーは助けて、ふたりは再び逃亡しました。

仕事を無くしお金も無く行くあてもない。

娘は絶望で泣き崩れます。

チャーリーは娘に「命がある。一緒にやっていこう」と励まし、ふたりは力強く立ち上がりました。

 そして歩き出したところで、娘がやる気に漲りすぎて怖い顔になっていたのを、チャーリーは笑顔で「スマイル♪」と促して、彼女の表情を綻ばせます。

このラストシーンに流れる曲も「スマイル」です。

 何もかも失って、あるのは命だけ。

それでも一からやり直すことはできる。

だから辛い顔はやめて笑顔で前に進もう、と観客にも訴えています。

 現実は、映画のように上手くいくものではないですが、自暴自棄になる前に、もう一度やり直すために立ち上がることは大切に思えます。

このとき、誰かや世間を恨んだら、転げ落ちるだけになってしまいます。

スマイルで立ち向かっていきましょう。

 

まとめ

この作品は、フランスのルネ・クレール監督の作品「自由を我等に」と酷似している部分が多々あるため、クレール監督の周りの人たちがチャップリンを訴えようとしたことがありました。

チャップリンは激しく否定。

 しかしクレール監督自身が「ぼくも彼の作品から影響をたくさん受けているから、別にいいよ」と言って不問にした経緯があります。

おおお…鶴の一声 (∩☆∀☆)

そのときチャップリンも、影響を受けたことを素直に認めました。

完全な盗作ではないし、どちらの作品も好きなので、和解してくれて本当に良かったと思います。

 

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