映画「ブレスレット 鏡の中の私」あらすじと感想【ネタバレあり】
16歳の少女は親友を殺したか、を問う法廷サスペンスです・
少女の両親を「あるいは裏切りという名の犬」のロシュディ・ゼムと、キアラ・マストロヤンニが演じます。
「テレーズの罪」のアナイス・ドゥムースティエが検事役で少女を追い詰めていきます。
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あらすじ
2016年6月8日 日曜日。
別荘前のビーチで過ごしていたバタイユ一家。
16歳の長女リーズのもとに警察官たちがやってきた。
両親と、まだ8歳の弟ジュールの目の前で連行されていく。
それから2年後。
リーズの足首には監視用のGPS装置がつけられていた。
逮捕された前日に親友フローラを殺害した容疑での裁判がいよいよ始まるのだ。
裁判前日。
母は仕事のため付き添えない、とリーズに告げる。
ふたりが海岸で話し込んでいる間、リーズと交流がある少年ディエゴが訪問するが、父は彼を追い返した。
帰宅したリーズに、ディエゴともう会わないようにと父は言う。
それに反発するかのようにリーズは外出するが、夜になっても戻らない。
心配する両親は、リーズの友達ノエミの家に電話をかけたり、ディエゴの家にも出向く。
見つかったリーズは、殺害現場となったフローラの家の前にいた。
接近禁止命令が出ているにも関わらず現場にいたリーズを、父は叱る。
翌日。父の運転でリーズは裁判に出廷。
被告席はアクリル板で仕切られており、発言するときは自分で手元のマイクのスイッチを入れる。
7人の参審員を前に、リーズの有罪を主張する検事はまずフローラの母を証人席に呼んで遺体発見時の状況を説明させた。
そして遺体写真をスクリーンに映す。
鋭利な刃物で7個所も刺されているが、凶器はまだ見つかっていない。
検事の追及は続き、事件の数日前にリーズはフローラと喧嘩してチャットで「殺す」と言っていたことが判明。
そして両親の知らなかったリーズの裏の顔が暴かれていく。
感想
物的証拠はないまま状況証拠が積み上げられ、ほかに容疑者がいない、という理由からリーズの性格面・行動などで、検事は有罪に持ち込む戦法をとります。
一方リーズ側の弁護士は無罪を主張。
リーズ自身も証言しますが、気づくと彼女は「自分は無実」とは主張していないんですよね。
そのため彼女が犯人なのか違うのかが、観てるほうからしても曖昧で、真相を知りたくて集中して見入ってしまいました。
フローラとの喧嘩の原因は、リーズが罰ゲームでクラスメイトの男子のをしゃぶっている動画を勝手にネット配信したことでした。
………テストの点数を競って負けたほうが罰ゲームを受ける、というのは良くあることかもしれませんが、内容がすごい…
よっぽど勝つ自信があったのか、それとも興味本位か…
なかなか強烈な罰ゲームですが、検事はそれを「好きでもない男子にするのか。尻軽なのか」とリーズを責めました。
負けたから潔くやっただけで、尻軽ではないと思うのですが、まあ軽率ではありますね (;^ω^)
裁判に付き添ってその動画を見せられたパパはショックです。
家族にはなんでも打ち明ける素直な娘だと思っていたから、凹んだ気持ちを引きずったまま帰宅して妻にグチります。
でもママはわりと寛容で、高校時代にたいてい「初めてのこと」を経験する、と言って慰めました。
リーズの弁護士も年配の女性ですが、彼女もわりと10代の性には鷹揚な人です。
立場上リーズを庇わなければいけないことを考慮しても、まあ大らかですね。
それでもリーズには不利な状況が続きます。
最初の裁判を欠席した母も証言台に立ち、娘の無実を訴えます。
このとき検事に「母親だから信じているだけ」と言われて「あなたは検事だから疑っているだけ」と言い返したのは痛快でした (≧▽≦)
このときのキアラ・マストロヤンニの演技、お母さんのカトリーヌ・ドヌーヴに似ています。
親子って、こういうところも似るんですね~。
そして凶器と思しきナイフが出てきて、いよいよリーズ有罪か、と思われるのですが、リーズ本人はケロリとしています。
凶器はそれではないと知っているからか、自分が犯人ではないからか。
慌てふためく両親をよそに涼しい顔をして出廷。
ジュールが隠していたものだと判明しました。
結局、物的証拠は何もないまま結審の日がやってきて、リーズは無罪となります。
足首のGPSは外されますが…
彼女はその足首に自分がしているネックレスを巻き付けました。
その行動が何を意味するのか説明がないまま映画は終了します。
真相は何も分からずじまい。
これはミステリーではなく、容疑者家族の心の動きを観るヒューマンドラマなのだな、と思いました。
人によっては肩透かしなラストかもしれませんが、個人的にはそこそこ面白かったです。
ただ、ぶっといGPSを足首に装着していながら、スキニージーンズを履いているのが地味に気になりました。
着脱できないでしょ、あれ。
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