映画「花宵道中」あらすじと感想【ネタバレあり】遊郭ものは五社には勝てない
安達祐実さんが遊女役で新境地を開いた悲恋ものです。
相手役は淵上泰史さん。
津田寛治さんが相変わらずのクセの強さで搔きまわします。
他に高岡早紀さんが姉女郎を、五社マニアの友近さんが女将役を演じます。
新品価格 |
あらすじ
天保8年。吉原が全焼。
山田屋で働く遊女たちも荷物をまとめて仮宅にやってきた。
もうじき年季が明ける朝霧も、吉原の外に出られて顔をほころばせる。
彼女は、熱を帯びると肌に花が咲く、という評判で人気だった。
引っ越しを済ませてもまだ陽は高い。
妹女郎の八津に誘われて縁日に行くと、先を急ぐ男連中に突き飛ばされて転んでしまい、草履の鼻緒も切れてしまった。
運の悪いことに八津ともはぐれてしまう。
近くの境内で痛む足を休めていると、ひとりの青年が声をかけてきた。
彼は朝霧の鼻緒を直してくれ、その際、その鼻緒は自分が布を染めたものだと驚いている。
彼は染物職人の半次郎といい、目利きもできるため行商もしていると聞く。
朝霧は半次郎に好感を持つが、恋はしないことに決めていた。
羅城門河岸の下層女郎だった朝霧の母親が、男に捨てられるたび八つ当たりで彼女を虐待し続けていたことが原因だ。
しかし気持ちを止めることは出来ず、彼と会った境内に幾度も足を運んでは逢瀬を重ねていく。
新品価格 |
感想
※辛口なのでご不快になるかもしれません。閲覧注意です。
五社英雄作品に慣れているためか、ちょっと軽い印象を受けました。
安達さんはすごく頑張っていると思います。
濡れ場の時間がすごく長くて、しかも過激。
ただ、ここに見どころを置きすぎた感はあります。
見ていて気づいたのですが、五社作品て意外と濡れ場は少ないんですよね。
ヌードは多いのですが、濡れ場にはあまり時間をかけていない。
なのに作品全体から熱意はすごく感じられ、女性たちの矜持や潔さに惹きこまれるのですが…
この作品には作り手側の熱気のようなものが伝わりませんでした。
もしかしたら演出の違いから来ているのかもしれません。
なにしろ濡れ場のリハーサルは、監督自ら裸になって助監督相手に演技プランを女優たちに見せる五社監督。
たぶん豊川監督はここまでやってないと思います。
それが安達さんひとりに負担をかけている「偉そうな演出」に繋がり、異常レベルで時間を割いて俗な雰囲気を作り出してしまったんじゃないかな、と。
AVじゃないんだからさぁ…
「子役出身の安達祐実がここまでやってんだぜ。すげぇだろ?」と観客にドヤってる感じがどうも鼻につきました。
ストーリー自体は好みだっただけに残念です。
朝霧、そして実の姉だった霧里のために殺人を犯した半次郎。
死罪となった彼を追い、身投げした朝霧。
一緒になることが叶わなかった真剣な恋愛の哀しい結末。
もう少し美しかったり、心に残るような作品になる可能性があった題材だけに… う~ん、惜しい。
やっぱり遊郭ものは五社英雄という大家がいたために、超えるハードルが高かったのかもしれませんね。
花魁姿は綺麗でした。
そして友近さん… 女将の喋り方が友近さんの持ちキャラ「ピザ屋バイト店員の西尾一男」になっていて、すみません笑いました。
語尾にいちいち「ちゅうての」と脳内で付け足してしまう…
「また!ひらかざるは!食う!べからず!(ちゅうての)」みたいなw
ある意味、見どころです。
中古価格 |
他 淵上泰史 出演作品
「にがくてあまい」あらすじと感想【ネタバレあり】野菜が食べたくなるベジタブル賛歌
映画「プラチナデータ」あらすじと感想【ネタバレあり】もしやセルフ・パロディか
他 高岡早紀 出演作品
映画「忠臣蔵外伝 四谷怪談」あらすじと感想【ネタバレあり】なんかいろいろ惜しい
こちらもよろしくお願いします
映画「吉原炎上」あらすじと感想【ネタバレあり】女郎たちの四季折々
映画「陽暉楼」あらすじと感想【ネタバレあり】炸裂!五社イズム
新品価格 |