映画「ゴヤ・マーダー」あらすじと感想【ネタバレあり】無能な刑事はひとりで走る
フランシスコ・デ・ゴヤの版画と同じ姿で殺害される連続猟奇殺人事件を、ふたりの女性刑事が追うスペイン映画です。
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あらすじ
マドリード・ゴヤ通りにある家で、32歳の女性ラウラが殺害された。
彼女はゴヤの版画 <カプリチョス> のひとつ「娘たちはハイと承諾して最初に来た男と結婚する」で、中心に描かれている仮面をつけた娘と同じポーズで死んでいた。
そしてラウラが持っていたその作品は盗まれている。
マドリード警察の警部補カルメンは、配属されたばかりのエヴァと組んで捜査に当たるように言われる。
しかし主婦でもあるエヴァが、仕事より家庭を優先しているように見えてソリが合わない。
捜査に進展がないまま、同じくゴヤ通りにある邸宅で、美術品コレクターのヘルマンが殺されているのが見つかった。
やはりカプリチョスにある「歯を盗む」に描かれた、絞首刑に処された男の絵と同じだ。
カルメンたちはヘルマンと競いあっているコレクター・フライレを容疑者とみてオークション会場に向かう。
車椅子生活のフライレに犯行は無理だが、ヘルマンにはかなりの恨みを抱いている様子だった。
そして銅版画を研究している画廊経営者エデュアルドに会って、カプリチョスの所有者を聞くが空振りに終わる。
カルメンは、監視カメラ映像から、ヘルマンが殺された時間帯に家の前に止まっていた白いバンを探すようにパトロール警官たちに指示した。
当然反発の声も上がり、本部長やエヴァにも反対されるが、カルメンは押し切った。
だがその翌日、カルメンの恋人アドリアンがテレビ出演し、カルメンが彼に喋った捜査情報を暴露されてしまう。
カルメンは停職処分となるが、ひとりで夜の巡回に出て白いバンを見つけて追いかける。
すぐにエヴァに電話するが、熟睡中の彼女は応答しなかった。
仕方なくひとりで対処しようとして、そのバンに轢かれて負傷してしまう。
そして留守電に気づいたエヴァが、カルメンのメッセージにあった住所に行って見ると、三人目の犠牲者がそこにいた。
今度は「あの塵埃」にある異端者の格好をさせられていた。
感想
カルメンがですね…
職場にいる嫌な女のタイプを寄せ集めたようなキャラなんですよ…
「私は仕事ができる」と自負しているような、周りを見下した態度。
そのわりにアドリアンと同時進行で本部長との不倫を楽しんでいて、仕事より恋愛優先。
勤務中もトイレで酒飲んだりタバコ吸ったり、荒っぽい運転して一般市民に迷惑かけるし。
刑事のくせに覗き見趣味があって、向かいのアパートの住人の部屋を双眼鏡で覗いてるし (おーい!犯罪!!)
既婚で子育てもしているエヴァを「仕事を舐めてる」と決めつけてツラく当たっているところも (実際そういう人もいるけどさぁ)
極めつけは「情報漏洩」。
ただでさえ「無能だな、この人」と思っていたところで、コレですよ。
社会人として失格。
停職という重い処分となりましたが、バンを見つけて負傷までした功績により、捜査に復帰できるのは、ちょっと甘いんじゃないかと拍子抜けしました。
そんなカルメン、バンのときと同様にひとりで動いて犯人を見つけ出します。
犯人の家に向かいながらエヴァに電話しますが、今度はエヴァさん、カラオケに夢中で気づきません。
カルメンも能力低い人だけど、この人もちょっと… (; ̄▽ ̄)
刑事って電話がきたらすぐ出るもんなんじゃないの?
そんなわけでボッチのカルメンはひとりで犯人の家に入ります。
ここからはよくある流れで、
犯人に後ろから襲撃される
→ もうダメだ、というところで何かで刺して反撃
→ 痛がる犯人の横をすり抜けようとするけど捕まる
見ながら「良くある良くある」と思って、まったりアイスティーなんか飲んでたんですが、セオリーを破る意外な展開になりました。
カルメン、殺されます。
それも、後頭部の髪を掴まれ、酸が入った水瓶に顔を突っ込まれる、というショッキングな死です。
(゚д゚)
びっくりしすぎてアイスティー、口からこぼれました。
犯人との格闘で主人公が負ける、というだけでも十分驚くのに、この殺され方…
全体的に観てイマイチな作品ではありましたが、このシーンの衝撃で記憶には強く残りました。
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