50周年記念「ドラえもん0巻」 F先生の記念本でもあるドラえもん百科
2019年11月27日に、てんとう虫コミックスで未収録になっていた「ドラえもん」のエピソードをまとめた新刊が出ました。
ネットニュースとなり、気づくと予約満杯で出る前にすでに重版がかけられている状態。
何しろ23年も前に他界されている藤子・F・不二雄先生のドラえもんがまた読めるのですから、ファンとしては色めき立ちますよね。
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6つの “第1話”
「ドラえもん」はさまざまな児童雑誌で連載されていて、それぞれに “第1話” が存在します。
てんとう虫コミックス第1巻に収録されているものも再録。
基本的なプロットに変わりはなく、机の中からドラえもんとセワシが登場してのび太の前に現れるのはどの話でも一緒です。
読者の対象年齢に合わせて短くしたり、もう少し話を進めたり、F先生の気配りが見えています。
同じシチュエーションが立て続けなので、途中で飽きるっちゃ飽きるのですが… (;^ω^)
その後の設定とはガラリと変わった部分などがあって興味深かったです。
例えばのび太の両親が大甘で怒らない、という初期設定には驚きました。
「毎回怒っているママ」しか記憶になかったので、ある意味新鮮ですが、たしかに優しいだけではキャラ立ちしてないし魅力がない。
実在の人間なら優しいママは魅力的だけど、漫画だと動かしづらくて路線変更したんだろうなぁ、と知るべくもない当時のF先生の気持ちまで妄想してしまいました。
ジャイ子とドラミちゃん
第1話以外の初収録作品は、ジャイ子との結婚を免れようとする話とドラミちゃん初登場の話です。
この二人もまた初期と後年でキャラが違っていたんですね。
ジャイ子はクリスチーネ剛田先生になる前で、意地悪で豪快な女の子に描かれています。
のび太は心底嫌がっていたけど、ふたりの結婚はのび太が事業に失敗してもジャイ子が漫画家として稼いでくれたんじゃないか、と思っていました。
でも今回収録されていた話を読むと、結婚していたらジャイ子も漫画家を目指さなかったかもしれない、という見方にもなったんですね。
なにしろ子だくさんで人生の浮き沈みが激しいから漫画描いてる余裕がなさそう。
夢を叶えるためにも結婚しない未来でよかったのかもしれないですね。
個人的には夢に向かってひたむきに努力するジャイ子は好きなのでのび太にはもったいないし。
ただしずちゃんが可哀想でなぁ… (だってのび太、性格悪いんだもん)
そしてドラミちゃんもまた、現在のしっかり者のイメージとは打って変わってポンコツ!
ポケットの中をキチンと整理していたり、規則正しい生活をさせようとする点はドラえもんより優秀だけど、ありえないドジの連発に驚きました。
しかも怪力。
ただこの子はずっと未来の世界で暮らしているから、頻繁に性能をアップデートしていった、と考えればキャラ変してても違和感なし、で片付けられますね。
誕生秘話はロングバージョン
ドラえもんが誕生した経緯は、てんとう虫コミックスにも漫画として載っていましたが短いものでした。
今回はロングバージョンでF先生の苦悩部分がより詳細に描かれています。
苦悩といってもギャグ・エッセイ漫画として描いているから悲壮感はなく、今回の収録分で一番読み応えがあって面白かったです。
アイディアを出さないといけない切羽詰まったときなのに、つまらない思い出に耽ったり爆睡したり…あるあるある(;・∀・)
世にも奇妙な物語の一編「友子の長い夜」もそういう話だったもんね。
猫のノミ取りに夢中になっていたら編集者が怖い顔で座り込んでいたところは笑ってしまいました。
さぞ恐怖だったでしょうね~…と思いつつ ( ̄m ̄〃)ぷぷっ!
まとめ
誕生から50周年をお祝いした記念本として出された第0巻。
カラー原稿も当時のまま掲載してF先生の軌跡を残される配慮がされていました。
「ドラえもん百科」とも言える単行本です。
懐かしくて新しいドラえもんがそこにいます。
世代を超えて読み継がれていく国民的マンガの第一歩が見て取れるから「0巻」という、他では見られない表現がしっくりくるんですね。
買ってよかったです。
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