映画「忠臣蔵外伝 四谷怪談」あらすじと感想【ネタバレあり】なんかいろいろ惜しい
ふたつの有名なストーリーを合体した深作欣二監督作品です。
主演は佐藤浩市さん。
有名幽霊お岩さんを高岡早紀さんが演じます。
深作作品常連の真田広之さんが浅野内匠頭役で特別出演。
名取裕子さんや田村高廣さんなど重鎮も特別出演という形で顔を見せます。
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あらすじ
ときは元禄。
江戸城松の廊下で吉良上野介に切りかかった咎で切腹した浅野内匠頭の一周忌。
赤穂藩士たちは浪人になり苦しい生活を強いられていた。
周りからも仇討ちをしない腰抜け呼ばわりされて悔しい思いをしているが、家老の大石内蔵助は現在の自分たちの力のなさを理解していた。
主君が亡くなる数か月前に藩士になった民谷伊右衛門は、他に楽器ができる藩士と共に琵琶を演奏して路銀を稼いでいた。
15年前に、生活苦から辻斬りで女性を殺して金品を奪ったことがある男だ。
ある日、笑顔で自分に近寄ってきた女に一目惚れする。
彼女はお岩という名で湯女をしていた。
一緒に暮らし始めて間もなく、良家の子女が物々しい外出をしているのが目に入った。
彼女に因縁をつけたチンピラたちが琵琶を壊したことに激昂した伊右衛門は、チンピラたちを斬り捨てる。
同時刻、伊右衛門たちが暮らす長屋に狂犬が入り込み寝たきりだった藩士が嚙み殺された。
しかし犬を殺したことにより、長屋の住人たちは20両を課せられる。
そんな大金は支払えない、と皆が肩を落とす中、昼間の子女が祖父と共に礼金を持ってやってきた。
お梅という名の子女は喋れないが、伊右衛門に熱い視線を送る。
しかし祖父の名を聞いて、藩士たちはざわついた。
彼らの仇敵・吉良上野介の家臣・伊藤喜兵衛であった。
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感想
ホラーよりアクションのほうに力が入った作品ですかね…
毒で苦しむお岩のシーンは壮絶でしたが、映画の尺全体で見ると、そんなに重要視しているシーンではないように感じました。
死んだお岩が伊右衛門をビビらすのが1回しかないし、吉良邸討ち入りでは「はぁッ!!」とマジカルパワーをぶつけるアクションなので、四谷怪談の怖さがないんです。
「忠臣蔵」と「四谷怪談」なんて面白い話をせっかく一つにまとめたのに、まとめきれてない残念感。
伊右衛門はクズキャラなのに、お岩を殺したのが別の人物だったり、彼に斬殺された人たちが揃って彼を許したように消えていくラストも、なんだか中途半端なんですよね。
罪に見合った罰を受けていないからスッキリしない。
何を「お岩と一緒に幽霊として歩きまーす♪」みたいな綺麗なラストに持って行こうとしてんだよ。
正直モヤモヤしました。
う~ん、辛口になってしまったな…
もうちょっと手直しすればもっと面白くなったかも、という惜しい気持ちがある作品でした。
特にお梅とその侍女の不気味な存在感はもっと別の形に活かせたかも、と思っています。
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