映画「ヒプノティスト 催眠」あらすじと感想【ネタバレあり】シンプル・イズ・ベスト
「ギルバート・グレイプ」「サイダーハウス・ルール」のラッセ・ハルストレム監督が、久しぶりに故郷スウェーデンでメガホンを取ったミステリー作品です。
主人公のひとりである催眠術師を「ホビット」シリーズのミカエル・パーシュブラントが、その妻を監督夫人のレナ・オリンが演じます。
あらすじ
高校の体育館で、男性教師がめった刺しにされて殺された。
現場に駆け付けた国家警察のヨーナだったが、死体を少し見分しただけで上司から帰宅するように言われてしまう。
地元警察が担当するため、余計な軋轢を生みたくないからだ。
後ろ髪を引かれながらも戻るヨーナだが、また無線が入った。
今の被害者である男性教師の自宅で家族も殺されていたのだ。
すぐにそちらに向かい、リビングで娘が、キッチンで妻が殺されているのを確認。
そして洗面所で息子ヨセフが全身血まみれになりながらも、辛うじて生きていたので病院に搬送させた。
犯人を見ているヨセフに事情聴取をしたいが、意識不明の重体である。
助手のマグダレーナに被害者家族について調べてもらう際、ヨセフから話が聞けないため捜査が手詰まりになりそうだと不安を吐露すると、担当の女医ダニエラが手を貸してくれる。
ダニエラの紹介で催眠術師のエリックが呼ばれた。
エリックの催眠でヨセフは事件当時、リビングのソファで手紙を読んでいたことが分かった。
そしてマグダレーナからの報告で、一家にはヨセフの姉エヴァリンがいるが、しばらく前に家を出た彼女の行方が分かっていない。
一家を狙ったものならエヴァリンも危険だとヨーナは考える。
ヨセフに催眠を施した翌日、エリックは妻シモーヌから浮気を疑われて責められる。
実は2年前にエリックはダニエラと不倫をしていたのだ。
血友病を患い、定期的にエリックに注射してもらわないといけない彼らの息子ベンヤミンは、喧嘩が多い両親を見て思春期の反抗心を募らせる。
折しもクリスマスシーズンの市場で買い物中に喧嘩を始めたエリックとシモーヌ。
そんなふたりを、陰から見ている不審な人物がいることに彼らは気づかなかった。
感想
殺人事件の犯人を暴くためにヨセフに催眠を施すと、エリックの家族まで巻き込まれるという二重のサスペンスに繋がります。
不眠症のエリックが強烈な睡眠薬を飲んで眠りこけ、シモーヌは犯人に注射を打たれて意識朦朧。
その間にベンヤミンが誘拐されます。
血液凝固剤を注射しないと、ちょっとした怪我でも血が止まらず失血死する危険があるベンヤミン。
夫婦の喧嘩はさらに派手になります。
まあシモーヌの罵りが激しくなっただけですが… (;^ω^)
でもエリックもいい加減イヤになって「もう2年も前のことだぞ」と言い返します。
……まだ2年じゃない?
浮気したほうは大したことないことかもしれないけど、浮気されたほうは一生もののトラウマだと思いますけどね。
エリックの甘っちょろさが垣間見える部分です。
そんなダメ男エリック、ベンヤミンを取り戻すためにヨセフの催眠を続行します。
そこで分かった殺人実行犯の正体。
やるせない気持ちのエリックは、まぁた眠剤に手を出してシモーヌのピンチに駆けつけられませんでした オバカー(-“-)
画家のシモーヌと家にふたりでいたのは画廊オーナー。
シモーヌのアトリエに入ったところでエリックと間違えられてオーナーが犯人に狙われます。
ああぁ、よくある人違いで殺されるパターン…
と思いきや、画廊オーナー強かった (゚д゚)!
一本背負いで実行犯をノしてしまいましたよ。
脇役なのにすごい活躍。
エリック&ヨーナ、主人公のお株を取られる。
それでも見せ場を奪い返します。
エリックはシモーヌに催眠をかけ、ベンヤミン誘拐の夜の記憶を呼び起こさせます。
そして画家シモーヌは催眠中の記憶で思い出した黒幕の似顔絵を描写。
ヨーナは似顔絵から黒幕を思い出して指名手配。
三人とも自分の本職を活用して黒幕を追い込むことに成功しました。
キャラクターの配置が上手い。
シンプルな一本道をスルッと通っているような見やすさがある作品でした。
伏線が複雑に絡み合うようなトリッキーなところが少ないので、人によっては物足りなさを感じるかもしれません。
あまり難しく考え込まずにストーリーを楽しむのに適している映画だと思いました。
個人的には面白かったです。
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