映画「グランド・イリュージョン」あらすじと感想【ネタバレあり】マジックとミステリーは相性抜群
2013年公開。
「ソーシャル・ネットワーク」であらゆる映画賞に受賞・ノミネートされたジェシー・アイゼンバーグや、演技派モーガン・フリーマン、マイケル・ケイン、ウディ・ハレルソンなど豪華キャストですが、主人公不在という珍しい作品です。
最高峰のプロマジシャンであるデビッド・カッパーフィールドが劇中のイリュージョンを監修しています。
2016年には続編が公開されました。
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あらすじ
それぞれ個別に活動している催眠術師やマジシャンたち4人が、とあるアパートの1室に集められる。
ストリート・マジシャンのJ・ダニエル。
その元助手&元カノのヘンリー。
催眠術師のメリット。
自称マジシャン見習いのスリ、ジャック。
1年後、4人は「フォー・ホースメン」と名乗るイリュージョニスト・グループを結成しており、ラスベガスで大規模なイリュージョン・ショーを興行していた。
保険会社はじめ複数の企業を経営する大富豪・トレスラーが彼らのパトロンになっている。
彼らは観客に向かって、これから銀行強盗をやってのける、と宣言。
観客の中にいたフランス人に白羽の矢が立ち、彼は壇上に上がるときに、メリットに催眠術をかけられる。
そしてダニエルに言われるがまま、トランプのカードにサインを入れ、おかしなヘルメットを被らされた。
そしてステージ上に用意された奇妙な装置の中央に立たされて、ワン・ツー・スリー。
フランス人は姿を消す。
飛ばされた場所はフランス・パリにある銀行の地下金庫室だった。
戸惑う彼の様子がステージ上のスクリーンに映し出される。
テーブルの上には、300万ユーロは優に超える大量の札束があり、ダニエルはステージからフランス人に、今しがたサインを入れたカードとチケットの半券を札束の間に入れるよう指示する。
そしてエアーダクトからお札が吸い上げられ、そのお金はショーの会場に降り注いだ。
出勤してきた行員が地下金庫にいくと、お金は無くなっており、カードと半券だけがそこに残されていた。
ラスベガスでのショーの真っ最中に、パリにある銀行から、どうやってお金を奪うことが出来たのか。
この不可解な事件に、FBI捜査官のディランとインターポールから派遣されてきたアルマが挑む。
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感想
フォー・ホースメンは会場にユーロ札をバラまき、観客は宙に舞うお札をつかみ取ろうとして会場はカオス状態になりました。
これが反響を呼び、彼らは一気にメジャーに躍り出ます。
そして次の公演では、スポンサーになってくれているトレスラーのお金を、観客の中で災害により家屋を失くしている人たちの口座に振り分けるという行為に出ます。
彼らは保険金が入らず困窮していました。
保険金を払わないその保険会社はトレスラーが経営している会社。
トレスラーは裏切られて憤慨しますが、フォー・ホースメンは大衆から喝采を浴びます。
ディランたちが捕まえようとしても、催眠術にかけらけた観客たちが容赦なく彼にタックルしてきて現場は大混乱。
それに乗じて4人は素早く逃げました。
ニュース番組のキャスターも、フォー・ホースメンの活躍を称え、ディランたちの無様さを笑う始末。
窃盗は犯罪なのですが、手口が鮮やかだと大衆の人気を得るんですよね~ (;´∀`)
ルパン三世が嫌いな人って見たことないですし。
あ、キャッツアイも。
ましてや盗んだお金の使い道は、困っている人を助けるため、とくれば警察よりも大衆から応援されて逃げ延びやすい。
犯罪者なのに愛されキャラというギャップが生まれます。
まあフィクションだから許されるんですよね。
これ現実にいたら、狂信者とか現れて結構大変なことになりますよ。
熱狂した大衆って怖いです。
ただで金品をもらえるのは魅力的だけど、トラブルも多そうなので、ちょっとそういうフィーバーからは離れておきます。
マジックショーでの大胆な犯罪。一体どんな手口でやってのけたのか。
ディランたちは、長年にわたってマジシャンたちのトリックを見破ってきた、サディアスという男性に話を聞きます。
サディアスはこれまでに数えきれないほどのマジシャンを廃業に追い込んでいました。
中には悔しくて何度も新しいマジックを考案しては、そのたびに潰されたという人も。
その人は危険な脱出マジックを考え出してサディアスに挑戦しようとしたのですが、練習中に失敗して命を落とします。
そのマジシャンの話をアルマがサディアスに振ると、「しょせん二流のマジシャンに過ぎなかった」とつまらなそうに鼻を鳴らしました。
彼の死について、原因の一端が自分にもあるとは欠片も思っていません。
もしかしたら反省したり後悔している姿を人に見せるのが恥ずかしくて「別に何とも思ってない」と強がったのかもしれません。
だけど本当に「いなくなったからって、どうとも思わない」と思っている可能性も大きいです。
この死者の対しての素っ気ない態度や反省していない言動は、周囲の人、とりわけ身内からは相当な敵愾心を抱かれます。
サディアスは、ラストにこのツケを支払わされます。
現実でも、人を死に追いやって反省していない態度を見せて叩かれる事例はよくあります。
結果的に亡くなった方以上のしっぺ返しを食らうのが、世の常なのかもしれないと思います。
登場人物の誰にも焦点が当たっていないので、誰の心情描写もなく心を揺さぶられる場面はないので、誰にも感情移入することなく、そのまま素直にストーリーを追いかけられます。
そうすると、大体途中でホースメンたちを動かしているのが誰なのか分かるので、ちょーっと犯人捜し型のミステリー的に弱いかもしれない。
イリュージョンのシーンで観客を沸かせたいスタッフ側の気持ちが先行しすぎて、物語が弱くなった印象です。
とはいえ盗みや逃亡のテクニックはちゃんとしていて目を奪われましたし、映像もスタイリッシュで楽しめました。
やっぱりマジックとミステリーは相性がいいですね。
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