映画「バグダッド・カフェ」あらすじと感想【ネタバレあり】友情と心の再生
アメリカ南西部の砂漠地帯を舞台にした西ドイツ製作のヒューマンドラマです。
公開から20年以上が経っていますが、いまだに根強い人気を持っています。
主題歌「コーリング・ユー」もヒットしました。
バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版 (字幕版) 新品価格 |
あらすじ
ドイツのローゼンハイムから夫婦で旅行にやってきたジャスミン。
ラスベガスに向かう途中のモハーヴェ砂漠で夫と喧嘩をし、彼女は車を下りて歩き出す。
夫は水が入った魔法瓶だけ置いて走り去ってしまった。
砂漠の真ん中の幹線道路を、重いスーツケースを引きずりながらヒールのある靴でトボトボ歩くジャスミンに、軽トラに乗った男性が話しかけてきた。
英語が苦手な彼女が黙って首を振ると、男性も走り去ってしまった。
その荷台には夫が残した魔法瓶が乗っていた。
軽トラの男性は、少し先にあるドライブイン「バグダッド・カフェ」に入った。
彼はここの女主人ブレンダの夫・サルだった。
サルが帰宅してすぐ、ジャスミンの夫がカフェに駆け込んでくるが、彼女はここにいなかったし、このカフェがお酒もコーヒーも提供できないと知って帰っていった。
サルはコーヒーマシンを受け取りに町に行ったはずなのに、それを忘れて魔法瓶なんかを持って帰ってきたことにブレンダは激怒。
激しい喧嘩になり、サルは出ていった。
怒鳴り散らして追い出したけれど、彼が去ったあとのやるせなさにブレンダは涙を流す。
そのとき、この寂れた場所に似つかわしくない恰好のジャスミンが汗だくで現れた。
彼女はカフェに併設されているモーテルでの宿泊を所望した。
変な女だと思いながらも、ブレンダは事務所に通して宿泊の手続きをする。
長く掃除されていないボロボロの部屋で、ジャスミンはスーツケースが夫の物だと気づいて愕然とした。
着替えることも出来ずカフェに入ると、自分の家の魔法瓶が目についた。
それを使ってコーヒーを淹れられていることが嬉しくなり、水を入れすぎていることを口出ししてしまうが無視されてしまう。
このドライブインにトレイラーハウスを置いて長く滞在しているコックスはジャスミンに話しかけてきてくれるが、それ以外の人たちはよそよそしい。
特にブレンダは、常に心の不満を外側に出していて怒ってばかりいる。
翌日、ジャスミンの部屋を掃除しに来たブレンダは、彼女の持ち物が男物ばかりなことに不審を抱き、馴染みの保安官アーニーを呼ぶ。
パスポートにも航空券にも怪しい点はないのでアーニーは帰って行くが、ブレンダの警戒心は解かれなかった。
ブレンダが買い出しで町に出かけている間に、このドライブインの雑然さが気になっていたジャスミンは大掃除を開始する。
その場所は彼女が泊っている部屋のみならず、事務所やカフェのバックヤードにも手を付けていた。
帰宅したブレンダは、勝手に掃除されたことに激怒。
すべて元に戻すようにジャスミンを怒鳴りつける。
しかしきちんと片付けられたデスクは居心地が良く、ジャスミンへの怒りは収まった。
店の手伝いもせず遊び歩いている娘のフィリスが、帰るなりデスクに荷物を広げて足を乗せるのを叱り飛ばした。
綺麗になった場所をもう散らかしたくなかった。
それを端緒に、ブレンダの心にも変化が訪れ始める。
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感想
アメリカが舞台ですが、ヨーロッパらしい映画だと思いました。
特別大きな事件が起こるわけでなく、共に夫と離れて心の再生を図り、友情を育てていく中年女性たちの姿を追っていっています。
その空気感がなぜか心地いい。
序盤でのブレンダのキレぶりに辟易しますが、ジャスミンと打ち解けてからは落ち着きと笑顔が見られて安心します。
それにしても、1時間48分の映画で、打ち解けるのが1時間15分頃……
仲良くなるのに時間かかりすぎ!
と、思いましたが、映画内の時間軸は数日くらいで、実際人間関係なんて、そのくらい時間がかかるものなのかもしれません。
特に二人ともまったく違うタイプで、反目し合ってもおかしくないわけですし。
カフェが盛り立っていくにつれ、みんな気持ちが伸び伸びして表情が明るくなります。
ジャスミンは太っているので、ブレンダの息子からは最初「デブ女」なんて言われましたが、優しさや穏やかさが認められ、そしてマジックでお店の雰囲気を変えていくと、すごくいい女に見えてくるんですよね。
コックスなんかは惚れ込んでしまって、ラストにプロポーズまでします。
で、このプロポーズがどうなったか。
ここではっきり返事をしないところで終わるのが、ヨーロッパだなぁ、と感じました。
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