面汚しプリンセス~王室に入った歴史に名高い悪女たち8人 東西ごちゃまぜ
イギリスのヘンリー王子とメーガン妃が高位王族を引退する、という声明を王族の誰にも言わずに勝手に出して英王室とイギリス国民に衝撃を与えました。
内容は非常に身勝手なもので、要約すると「王族としての身分はそのままで、公務はやらない。北米・カナダとイギリスを半々で過ごす。自分たちの好きな仕事をする」という感じです。
ロイヤルの肩書を好き勝手に使うため “サセックス・ロイヤル” の称号を商標登録する俗っぷり。
ヘンリー王子自らディズニーのCEOに妻メーガン妃に声優の仕事をあてがうようにゴリ押し。
あまりの品のなさ、非常識さに他国の平民である私でさえ嫌悪感が湧きました。
この騒動の主導はどう考えてもメーガン妃であることは間違いないでしょう。
当初から野心を丸出しにし、英王室に馴染もうとも英国民に寄り添おうともせず、セレブにはなりたいけれど自由はほしい、というワガママを押し通したことは多くの人がお見通しです。
歴史上に多く存在する「王室に取り入る悪女」というのは、本で読むぶんには面白いけど、まさか現実・現在進行形でいるとは思わなかった。
ものすごく頭にくる存在だと身をもって知りました。
こりゃ革命や反乱なんて起こって当然だと思います。
当時の民衆たちの怒りが分かるもの。
今回はそんな王室に入り込んで国を混乱に陥れた悪女たちについてです。
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マリー・アントワネット
有名すぎるほど有名な人ですね。
「ベルサイユのばら」を愛読した方々には説明不要だと思います。
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フランス革命によって断頭台の露と消えた悲劇の王妃。
もともとルイ14世から続く王侯や貴族たちの贅沢趣味のせいでフランスの財政は苦しくなっていたのですが、彼女自身も贅沢好みだったせいで国王以上に民衆から憎まれて世を去りました。
野心もなく友達思いの善意の人だったと思うのですが、フランス王妃でありながら民衆のことを省みなかったことが悪女と呼ばれる所以でしょうね。
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アン・ブーリン
44年の長きにわたり英国を治めた女王エリザベス1世の生母です。
ヘンリー8世の2番目の妻。
最初の妻だったキャサリン・オブ・アラゴンの侍女でしたが、ヘンリー8世の寵愛を受けたことで王妃の座を欲しました。
このわがままが、前妻との離婚を認めなかったローマ・カトリック教会と断絶し、国王至上法が発令されたきっかけになります。
この我の強さにより宮廷内からも民衆からも嫌われ、ヘンリー8世からも疎まれるようになってしまいました。
邪魔になった彼女は、国王への反逆罪・不義密通などの罪を着せられて斬首刑という非業の最期を遂げます。
ちなみに現在のヘンリー王子とメーガン妃が結婚式を挙げたのは、アン・ブーリンの命日5月19日です。
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メッサリーナ
古代ローマ皇帝クラウディウス1世の皇妃。
冷酷で強欲、しかも度を越えたスケベってことで有名です。
気に入らない人や敵対した者は容赦なく処刑していきました。
夜な夜な王宮を抜け出して安い売春宿で客の相手をしていたインランでした。
スキットという源氏名で金粉ショーが売りだったようです。
そのうち愛人が出来、共謀して皇帝を殺そうとしましたが計画が露呈。
皇帝から自害するように申し付けられますが出来なかったため、近衛兵に刺殺されました。
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アグリッピナ
メッサリーナの次にクラウディウス1世の皇妃になりました。
暴君ネロの母です。
ネロを皇帝にするため邪魔ものはことごとく排除。
メッサリーナが失敗したクラウディウス1世の暗殺もやってのけます。
政治の実権を握りたかった彼女は、息子ネロとも次第に対立姿勢になり、最期はネロの命令を受けた部下によって殺害されました。
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マリア・ルイーサ
スペイン王カルロス4世の皇妃です。
母親がフランスのルイ15世の娘なので血筋はいいです。
宝石類をかなり持っていたそうなので贅沢好みだったのでしょう。
しかし彼女が悪女なところはそこではなく、愛人を宰相に起用する公私混同ぶりです。
上につけた画像・ゴヤが描いた「カルロス4世の家族」という肖像画で、中央にいるマリア・ルイーサの両隣にいる息子と娘は、愛人との間にできた子供たちだと言われています。
托卵……( ゚Д゚)
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西太后
中国・清朝時代に側室から政治の実権を握る立場まで成り上がった猛女です。
台頭してくる西洋列強に果敢に立ち向かう姿勢は称賛に値しますが、いかんせん、この人も自分と反対の立場を取る人はどんどん粛清します。
そして嫁いびりで皇后を自殺に追いやり、穏やかな人だった東太后も毒殺。
この二人は邪魔というより、彼女の嫉妬心から殺されたような感じです。
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妲己 (だっき)
紀元前の人で、中国が殷 (いん) という国だったときに皇帝だった紂王 (ちゅうおう) に召し出された女性です。
妖しい魅力で紂王を夢中にさせて、淫蕩・贅沢・暴虐の限りを二人で行ないました。
この超絶バカップルの変態ぶりは “酒池肉林” の語源にもなっています。
臣下や民衆が反乱を蜂起し、600年続いた殷は滅びました。
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桂昌院 (けいしょういん)
江戸幕府5代将軍・徳川綱吉の母親で、稀代の悪法「生類憐みの令」を発令させた黒幕です。
元は八百屋の娘で、父が亡くなってからは女中奉公にも出た「ザ・庶民」の成り立ち。
3代将軍・家光の側室だったお万の方 (おまんのかた) の部屋子をし、彼女がお褥 (しとね) 下がりをする際に家光に召し出されました。
男子を産んで大出世です。
しかし綱吉をマザコンにしてしまう間違った教育をしてしまいます。
綱吉に世継ぎができないため、僧に相談して「犬を大切にすること」と言われて拡大解釈。
「生類憐みの令」は犬どころか害虫すら殺せず、密告も奨励されて江戸は大パニックに陥ります。
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まとめ
簡単な紹介ばかりですが、お城に悪女が入り込むと国全体がとんでもないことになる、ということが分かると思います。
他にもいろんな悪女がいます。
カトリーヌ・ド・メディシスやエカテリーナ2世なども悪女としてよく登場しますが、彼女たちは夫のほうがより悪いために個人的には悪女だとは思っていません。
虐殺とかは確かに酷いのでドン引きですけどね。
歴史上の悪女について書かれた本は昔からたくさんあるので、読んでいてとても面白いです。
だけど現代でもこういう人たちはいて、まさに国を滅ぼそうとする人も存在しているのだと、今さらながらに思います。
歴史から学べることはたくさんありますね。
こちらもよろしくお願いします
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桐生操さんの著作が読みやすくて面白いです。