映画「卒業」あらすじと感想【ネタバレあり】まじめ系クズの どどどど童貞ちゃうわ
1967年製作の青春映画です。
ダスティン・ホフマンの出世作で、ラストで花嫁を奪って逃げるシーンは映画史に残る名シーンとして有名ですね。
サイモン&ガーファンクルが歌う主題歌「サウンド・オブ・サイレンス」が哀愁を高めます。
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あらすじ
大学を優秀な成績で卒業したベンは、自宅で催された卒業記念パーティーに息が詰まる気持ちだった。
大学院への進学が嘱望されているが、ベンは進路についてまだ迷っている。
親戚や父の友人たちが笑顔で構ってくるのが居心地悪くて、早々に自室に引っ込んでしまった。
そこへ、父の友人ロビンソン氏の妻が、家まで送ってくれ、とベンに頼んできた。
卒業記念に買ってもらったばかりの車で彼女を送る。
すぐに帰ろうとするベンだが、ミセス・ロビンソンは巧みな誘導でベンを自宅に入れ、酒を飲ませて関係を持とうと迫ってきた。
ロビンソン氏の帰宅で、ベンはミセス・ロビンソンの誘惑を振り切った。
しかし後日、心境の変化があったベンは夜にミセス・ロビンソンに電話をかけて彼女をホテルに呼び出した。
ミセス・ロビンソンの手引きで男の本懐を遂げたベンは、これ以降彼女との情事に耽ってますます進路について何も考えないモラトリアム人間となる。
毎夜出かけていき翌朝まで帰らず、大学院への進学も考えていないベンを両親は心配する。
そんなとき、ロビンソン夫妻の娘エレーンが、休暇で帰郷してくるという。
両親とロビンソン氏はベンに、彼女に電話してデートするように勧めた。
この三人の前では口出ししなかったミセス・ロビンソンだが、二人きりになるとエレーンとデートすることを強硬に反対する。
ベンも気乗りしないので言う通りにしようとするが、両親たちはしつこい。
仕方なく一度だけのつもりでエレーンを誘って、デートに出かけることにした。
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感想
アメリカン・ニューシネマの代表作のひとつと謳われていて、名作に位置付けられていますが…
ぶっちゃけギャグ映画です。
演出の仕方がもうギャグなんですよwww
ミセス・ロビンソンの誘い方の手練れ感も、ベンの童貞丸出しのアタフタぶりも…
笑いどころが満載です。
それでいてリアルな感じがあるから「ああ~、なんかコレ分かる~」と思いながらニヤニヤしてしまいます ( ̄▽ ̄)
ミセス・ロビンソンの誘惑、まさに “絡めとる” って感じで、ベンみたいな未経験の青二才では太刀打ちできません。
そのくせムード用の音楽がボサノバみたいな明るいポップ調で、微妙に外しているんですよね。
セリフがBGMの合いの手になっていて、それだけで吹いてしまいました ( ゚艸゚)・;’.、ブッ
ベンが帰ろうとするたび巧みに引き留めるテクニックは、テンポもよくて笑っちゃうんだけど「すげー」と感心します。
年上の美魔女な悪女のテンプレって、もしかしてこの映画から出来たのかもしれません。
そしてそんなミセス・ロビンソンに陥落するベンは、正直まじめ系クズな性格してますが、いるっちゃいるんですよね、こういう人。
初体験前に動揺してホテルで部屋とるだけでもソワソワしてるし、ミセス・ロビンソンに初めてなことを指摘されるとムキになって否定。
ベンがすんごい勢いで喚くから、懐かしの空耳アワー「どどどど童貞ちゃうわ!!」を思い出します。
そして経験して、しかもそれが回数重ねてくると、今度はなんか自信がついたような態度になるので、それがまた子供っぽいというか童貞臭い。
まさに心は童貞のまま。
ミセス・ロビンソンを質問攻めにして呆れられるし、エレーンとの最初のデートでは自分勝手な態度をとって彼女を泣かせます。
嫌われようとしてストリップバーなんか連れていったくせに、いざ泣かれると今度は下手に出る。
この態度の一貫性のなさが、ほんと子供。
エレーンに本気惚れしたらストーカー化して彼女が住むバークレーまで押しかけます。
金があるニートって厄介だわぁ。
別の人と結婚しようとするエレーンを強奪する有名なラストですが、この映画ここで終わらせず、バスに乗るふたりもしばらく映していきます。
そのときのふたりの顔が徐々に真顔になっていくんですよね。
なんというか「勢いでやっちゃったけど、この後どうしよ………」という心境になっているのが伝わります。
普通の映画だと、ふたりが笑って走るところで画面ストップ → エンディングロール、と行ったんだろうけど、現実に目覚めさせるところまで見せるのがニューシネマなのかもしれません (よく分かんないけど)
おとぎ話的ハッピーエンドには行かせない。
何しろベンはニートでモラトリアムだし、エレーンも大学中退のお嬢ちゃん。
親の力なしに生きていけるタイプでもないわけで、この先厳しいだろうなぁ、と思わせます。
タイトルは「卒業」ですが、大学の卒業・童貞からの卒業はありましたが、精神的な大人になるための「子供からの卒業」にはならなかった、のかなと思います。
それでもあの後、ふたりが自立して生活していったのなら、この行動も “卒業” になるのでしょうね。
(あまりそうなるような気がしないけど)
あ、ちなみにこの映画、カメラワークいいですよ。
印象に残る画が結構ありました (・∀・)
それと英語がめちゃくちゃ聞き取りやすいので、教材として利用するのオススメです♪
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