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【洋書】通信講座「追跡」【ネタバレあり】イングリッシュ・アドベンチャー中級コース

2024/08/11
 
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駆け出しライターのポムりんごと申します。 最近はめったに雪が積もらなくなった雪国在住。 映画や海外ドラマの視聴が趣味で、それが高じて英語学習もやっています。 英検準一級。TOEIC780。 漫画やゲームも好きな完全内向型。 家にこもってわがまま(セルフィッシュ)三昧に日々過ごしてます。

アカデミー出版による英語学習通信講座「イングリッシュ・アドベンチャー」の中級コースになります。

執筆はもちろんシドニー・シェルダンのオリジナル。

ナレーションはオーソン・ウェルズのみです。

 

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あらすじ

一代で自身の興した電機産業「マツモト・インダストリーズ」を世界的大企業に押し上げたマツモト・ヨネオが、妻のエイコ、他2名のパイロットと共に、プライベート・ジェットの墜落で亡くなった。

場所はニューヨーク州のアパラチア山脈。

東京に住んでいる息子のマサオは、父の妹サトウ・サチコと、その夫のテルオから訃報を聞かされ、彼らと共にアメリカに飛んだ。

18歳のマサオにとって初めてのアメリカだが、浮かれる気分には当然なれない。

ニューヨーク都市部から2時間ほど離れた町ウエリントンにある会社所有の山荘に、テルオが雇った運転手ヒガシが三人を連れていく。

アメリカにはマサオが信頼しているヒダカ・クニオがいるが、彼はロサンゼルスにいるため会うことができない。

翌日、テルオは早急に会社の顧問弁護士を山荘に招き、ヨネオの遺言を開示させた。

そこには「全財産をマサオに相続する」と記されている。

驚くマサオに、テルオは助力を申し出るが、その夜テルオがサチコに向けて怒り狂い「マサオを殺す」と言うのをマサオは聞いてしまう。

 

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感想

この後マサオはすぐに警察署に駆け込むんですが、相手してくれたマット・ブラニガン警部は信じてくれず、逆にテルオを呼んで山荘に連れ戻させてしまいます。

マサオは睡眠薬を打たれ、気づくと上下とも下着姿にされていました。

ちょっと素朴な疑問。

18歳男子ってランニングとか着てるのでしょうか (・∀・)<オジサンっぽい

この恰好ですが、タイミングよく町のマラソン大会に参加して優勝。

賞金ゲットでなんとか逃げ切ることができ、ロサンゼルスに住むヒダカさんのところに行くことを決めるのですが…

ニューヨークからなかなか出られないんだ、これが

ロスとニューヨークは本当に真反対に位置しているから、どうやってニューヨークから脱出し、ロスまでの長い距離を移動するのか、すごく気になったことを覚えています。

 

そこそこツッコミどころがあって、下着姿にひん剥かれていたマサオですが、なぜか父からもらった金ピカの腕時計は持っていたという不思議。

賞金も底をついて無一文になったとき、この時計を質屋に入れたことで何とか食いつなぐ、という重要アイテムだからこそ「なんでテルオはこの時計を残しておいたんだ?」と疑問に思ってしまうのは仕方ないですよね。

服や靴を剝ぎ取っておいて貴重品だけ残しておくのは違和感バリバリでした。

 

「マツモト・インダストリーズ」のニューヨーク工場で働いてロスまでの旅費を稼ごうとしますが、給料日当日にテルオに嗅ぎつけられて、給料を受け取れないまま逃げ出す羽目になります。

全編に渡ってマサオの貧乏描写がリアルです。

「追跡 (The Chase)」というタイトルのイメージから、もっとこう… サスペンスフルでアクションがすごくて、と思ってましたが、意外にも「不幸せ!ボンビーボーイ」な要素が強いです。

いやまあ、サスペンスではあるんですけどね (;´∀`)

とにかく常に困窮しているので、生活感に溢れているというか…

スタイリッシュな追跡劇、みたいなカッコいいストーリーではないです。

そのくせ野球観戦デートとか、ディズニーとかユニバーサルスタジオとかプチ贅沢はします。

このあたりは、読者は「アメリカに興味がある英語学習者」である、と意識して書かれたものかもしれません。

受講してみて思ったのですが、中級コースだけどこの「追跡」がEAシリーズの最初だったんじゃないかと推察します。

学校の成績は良かったけれど生のリスニングが苦手なマサオが、逃げ回りながら英語能力が上がっていく成長物語でもあるので、読者層とマッチした主人公であること。

他のコースでは多彩な俳優・女優がアフレコに参加しているけれど、「追跡」だけはウェルズだけということ。

なので、おそらくこれが最初の作品です。

多少つじつまが合わないところや、ご都合主義に思える部分がありますが、真剣に「日本人の英語力を向上させる一助になりたい」という気持ちで書かれた作品だとも、読んでいて感じました。

少し脳内で情景を浮かべるのが難しい部分もありましたが、中級だけど「コインの冒険」とそれほど難易度に差はないと思います。

「ドリッピー」や「コイン」ほど笑える箇所は多くないですが、読みやすいし面白かったです。

 

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