映画「吸血鬼ノスフェラトゥ」あらすじと感想【ネタバレあり】太陽燦燦の真夜中

F.W.ムルナウ監督が、ブラム・ストーカーの原作をベースに作ったドイツ映画です。
製作の許諾がストーカーの著作権継承者から下りなかったため、登場人物たちの名前や細かい部分を変えたのですが、結局裁判では著作権侵害と判断されました。
ネガやフィルムの廃棄を命じられましたがすでに世界中で上映されており、複製が作られたため現在ではパブリックドメインになっています。
そして1978年にリメイクがされ、今年2023年もビル・スカルスガルド、リリー = ローズ・デップの出演で再リメイク版が鋭意製作されている作品です。
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あらすじ
1838年。
ドイツの小さな町で美しい妻エレンと幸せに暮らしているフッター。
不動産ブローカーの彼は、上司のノックからトランシルバニアまで出張に行くように命令された。
カルパネラ山脈の古城に住むオルロック伯爵が、フッターの家の向かいにある廃墟の購入を所望しているのだという。
フッターは心配するエレンを、親友のハーディング夫妻の元に預けて出発した。
旅の途中、夕食に立ち寄った宿屋で伯爵の名前を口にすると、店内にいた全員が驚愕し、恐怖の表情をフッターに向ける。
店主は「人狼が出るから一晩泊まっていくように」と勧め、フッターはそうすることにした。
部屋に置いてあった小さな本「吸血鬼の書」を何気なくめくってみる。
吸血鬼ノスフェラトゥについて書かれており、フッターは最初の数ページだけ目を通して放り投げた。
ぐっすり眠り、翌朝は4頭立ての馬車で伯爵邸に向かう。
しかし日没が近づき、橋に差し掛かったところで、御者たちがこの先の道に進むことを拒否。
仕方なくフッターは馬車を下りて歩いて山道を進んだ。
すると伯爵邸から迎えの馬車がやってきて、フッターは真夜中にオルロック伯爵と面会する。
遅い夕食の席でうっかり指を切ってしまったフッターの血を見て、伯爵はにわかに興奮する。
後ずさりしてカウチまで追い込まれたフッターは気を失い、翌朝目覚めると首に小さな傷が出来ていることに気づく。
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感想
100年前の映画なので仕方ないのですが…
「夜」の設定でも真っ昼間の撮影のため、劇中内の時間がよくわからない状態になっています。
当時はまだカメラに色付きセロハンを被せる「アメリカの夜」が開発されていなかったのかもしれませんが。
太陽燦燦の中で移動する伯爵。
お引越し準備 (棺だけ) も自分でやり、棺1個を横抱きにしてえっちらおっちら新居まで運ぶ姿が、ユーモラスです。
で、この辺、夜とは言及されていないから「伯爵は太陽も大丈夫なのかー」と思ってました。
太陽を克服したがっていた「鬼滅の刃」の無惨さまがさぞかし羨ましがったことでしょう。
そんな認識だったのですが、実はこれらのシーンも夜の設定でした。
日の出の太陽を浴びて消滅するラストだったので、本当に最後まで観てようやくそのことに気づいた次第です (;´∀`)
当時の技術では仕方なかったけど、せめて影の処理は出来なかったものですかね…
コマ落としとか、人物がスーッと消えるように見える技術はあったようなので。
あらすじは「ドラキュラ」とほぼ似ていますが、ノスフェラトゥは噛んだ相手を吸血鬼仲間にすることはできないようです。
代わりに棺の中に大量のネズミを仕込んでおいて「疫病」をドイツに持ち込みます。
ちなみに牙も、犬歯の部分ではなく前歯。
ネズミっぽくて、畏怖の対象というより狡猾な小者っぽい印象です。
ホラーなんだけど、この造形はあまり怖くないですね~。
暗闇でいきなり観たらびっくりするだろうけど。
今度のリメイクではどんな外見にしてくるか、楽しみです。
技術が上がっている分ホラー度が増すだろうから、怖くて観られないかもしれないけど…
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