映画「ラ・ラ・ランド」あらすじと感想【ネタバレあり】いつだって結果は“選択の積み重ね”
ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンが共演するミュージカル作品です。
第89回アカデミー賞で、監督賞・主演女優賞を始め6部門を受賞。
作品賞の発表時に間違って読み上げられて、受賞スピーチを途中で切り上げて真の受賞作品 (「ムーンライト」) のスタッフ陣にオスカーを渡した、という前代未聞の椿事でも話題になりましたね。
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あらすじ
ワーナースタジオのカフェで働く女優志願のミア。
オーディションを受けまくるが、いつもくだらない理由で中断され落される。
夜、ルームメイトたちとパーティーに出かけるが、いい出会いは全くなく、しかも車をレッカー移動されて歩いて帰る羽目になった。
とぼとぼ歩いていると、ふと切ないピアノの音色が聞こえてきて、その音に惹かれるように、こぢんまりしたレストランに入る。
ジャズ・ピアニストのセブは、いずれ自分のお店を持つことが夢。
カップルたちが静かに語らうレストランでピアノを弾く仕事をしているが、お店のオーナーの要望を無視して自分の好きな曲を弾いてしまいクビを言い渡される。
しかしその曲に感銘を受けたミアはセブに声を掛けるが、クビになり怒り心頭のセブはミアの肩にぶつかり無視して帰っていく。
数か月後、プールサイドのパーティーに来たミアは、演奏しているバンドのキーボードのセブを見て、あのときのピアニストだとすぐに気づく。
そしてセブもまたミアのことを覚えていた。
一緒に帰り、お互いの夢について語り合う。
ミアには1か月前から付き合っている彼氏がいたが、夢を応援し合えるセブとのデートが楽しかった。
オーディションで一次を通過したミアをセブも喜んでくれ、作品の研究のためという名目で映画デートに誘う。
ミアは喜んでOKするが、当日は彼氏との約束があったことをすっかり忘れていた。
迎えに来た彼氏を断り切れずディナーを共にするが、待ちぼうけにさせているセブのことが気になり、ミアは謝ってセブの待つ映画館に走っていく。
すでに映画は始まっていたがミアはスクリーンの前に立ちセブを探す。
セブは立ち上がりミアを手招きした。
一緒に映画を観ていくうちに手がふれあい、繋いだ。
そして唇を合わせようとしたところで、なぜか電気がついて未遂になってしまう。
この続きがしたい二人は、映画に出てきた天文台に行き、そこで付き合うことにした。
交際は順調で、二人でいろんな場所に行く。
ミアは独り舞台用の脚本を書き、セブはジャズバンドに誘われる。
しかし徐々に二人の間で歯車が噛み合わなくなってきた。
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感想
プールサイドパーティーの帰りに駐車場まで一緒に歩くセブとミア。
会場からかなり離れた高台に停められていて、ロサンゼルスの街を見下ろせる場所までやってきました。
街の明かりが優しく灯り、薄紫の空に月がポッカリ浮かぶロマンティックな夜です。
なのにこの二人ときたら…
「君なんかタイプじゃない」「あなたなんか恋愛対象外よ」と言い合い、
「あ~~、こんなステキな夜に (君・あなたなんかと過ごして) もったいない!」と歌い上げます。
コラーッ!
付き合ってもいないうちからケンカップル確定です。
こんなふうに言い合ってはいますが、ミアはセブの演奏を聞いて以来セブが気になっているし、セブも自分の演奏を気に入ってくれたミアを好ましく思っていることは間違いないんですよね。
この夜にすっかり仲良くなって気の合う友人になります。
第一印象で対象外と思っていた人が、深く話してみると意外と気が合って、次第に「この人こそ!」に変わるのは現実良くある話です。
ステキな夜を一緒に過ごす、というロマンティックな錯覚がもたらす幻想の場合もありそうですが…
その幻想が互いに楽しい・心地よいと思えるのだとしたら、最初の印象と違ってもの凄いイケメン&イケジョに相手が見えるかもしれないですね。
ジャズバンドの仕事が順調で、ほとんどの日をツアーで飛び回っていて不在がちのセブ。
一人芝居の本番が迫ってきており準備に余念のないミア。
すれ違い生活のなか、セブが久しぶりに戻ってきて、サプライズで夕食を準備してくれていました。
驚きながらも喜ぶミアと微笑むセブ。
互いの近況報告をし合い和やかに食事は進みますが、徐々にギクシャクし始め、ついには激しく言い合う大喧嘩に発展します。
その勢いでセブがミアに放った一言は衝撃的です。
「自分の優越感のために不遇な俺と付き合ったんだろう」
驚くほど穿った見方です。
ミアもドビックリ。
優越感を味わうため… そんな理由で誰かと付き合う人っているのでしょうか?
あ、都合のいい相手?
恋愛関係もまた人間関係のひとつだから、自分と相手を比べて優劣をつけたりすることもあるかもしれませんが、初めから見下すために付き合う、というのはさすがに考えにくいです。
あぁ、でもDVとかパワハラとかはパートナーを傷つけますね。
まあこれだけ人類が多くいるのだから、中にはそんな変わった嗜好の人もいるかもしれませんが、かえって自分が惨めにならないかなぁ、と思うのです。
そういう人たちにとってパートナーは “その程度の人間” というようにバカにしているわけですよね。
で、自分には “その程度の人間” しか付き合うことができない、ということになりませんか?
とりあえず相手から見下されているな、と感じたら暴力や暴言で心を壊される前に逃げるのが一番いいと思います。
「くっそコノヤロ、成功して見返してやる」と付き合ったまま思っても、相手は足を引っ張ってくるし、仮に成功すれば今度は卑屈になってやっぱりDVは止まらないでしょうから。
今に見てろよ、が通用しない相手です。
見捨てて孤独にさせるのが一番のクスリですね。
5年後、二人は別々の人生を歩んでいました。
ミアは女優として活躍し、セブとは違う人と結婚して子供も生まれています。
まさに幸せの絶頂。
ある日、夫と芝居を観に行こうとするのですが、渋滞にハマり結局芝居はやめてディナーに行くことにします。
入ったことのないお店に入ると店名は「セブズ」。
ミアが考えた名前とロゴでした。
まさかと思いながら中に入ると、そこにはまさにセブの姿が。
恐る恐る座ってバンドの演奏を聞きます。
バンドメンバー紹介でステージに立ったセブもミアに気づき、ピアノに向かって二人が出会ったときの曲を弾きました。
その曲の間、二人の脳裏には「もしあの時、こういう選択をしていたら」という場面が次々と蘇ります。
そしてその結果、今頃二人は結婚して子供も生まれて幸せだったかも、と思いを馳せるのです。
人生は選択の連続で結果が生まれます。
何が正解だったのかは後になってみてから分かるもの。
ただ二人とも後悔をしている風には見えませんでした。
多分二人で幸せになれただろうけれど、別れた今もまた幸せではあるからなのでしょうね。
二人が別れずにすむための選択は多数あったわけですが、悉く外してしまったからこそ今がある。
誰にでもそんな恋愛があるのではないかと思います。
だけど別れてもまた別の幸せは待っています。
セブのように恋愛ではなく、夢を叶えるという道かもしれません。
選択の間違いで後悔しても、幸せになることを諦める必要はありません。
きっと別の道があると信じて前向きにいきましょう。
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