「イワン雷帝 第1部」あらすじと感想【ネタバレあり】ここから始まる “おそロシア” の片鱗
時の最高権力者ヨシフ・スターリンの命令を受けたセルゲイ・エイゼンシュテインが1944年に作り上げた歴史スペクタクルです。
おそロシアの中でも最恐の暴君イワン4世の生涯を描き、この第1部はスターリンに絶賛されました。
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あらすじ
モスクワ大公イワン・ワシーリエヴィチがロシア皇帝として戴冠式に臨む。
国内貴族やヨーロッパ各国は彼が皇帝となることに反対しており、とりわけ従兄弟のウラジーミル公とその母エフロシニアは自分たちが皇帝になるべきと考えていた。
イワンの味方は花嫁アナスタシアの一族である。
王冠をかぶり、錫杖と宝珠を受け取ったイワンは、貴族の権勢を削ぎ、全ロシアを統一する、と宣誓する。
そのために常備軍を創立し、戦わない者および修道院は寄付をしなければならない。
強くあるためには反対勢力を粉砕し、異国に奪われている3つの河口を奪還する、と宣言する彼に、貴族や王冠を被せた教皇ですら戸惑い批難の目を向けた。
戴冠式のすぐ後には婚礼の義が華やかに行われる。
晴れがましく高砂に座るイワンとアナスタシアだが、友人たちの浮かない顔が気になった。
密かにアナスタシアに思いを寄せているクルプスキーは「結婚は友情の終わりだから」とごまかした。
もう一人のコルチョフは、イワンが伝統に背くことでイヤな予感を持っている。
反対はしないが共に歩むことはできない、と言って修道院に入る許可をもらうのだった。
宴の最中、新たな皇后となったアナスタシアの一族に不満を持っている民衆がなだれ込んできた。
彼らは貴族の家を放火し、鐘楼の鐘がひとりでに落ちたことを不吉の予兆だと訴えかける。
イワンは一笑に付し、鐘を支えている縄を切った者を見つけ次第首を刎ねると約束した。
民衆を味方にしたイワンだったが、直後に敵国カザンの使者から宣戦布告を受ける。
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感想
豪華絢爛です。
白黒にも関わらず色彩を感じました。特に黄金。
極寒の地ロシアだけあって、貴族の衣装などもヨーロッパとは一味違います。
王冠にも毛皮がついていて、スポッと頭全体を覆うタイプなことも興味深かったです。
画面の隅々まで釘付けになりました。
モンタージュ理論のエイゼンシュテインだけあって、映像へのこだわりを細部まで感じます。
皇帝になったばかりのイワンの顔にロシア正教の十字架の影がクッキリと映ることで、彼のこの先の罪業を表わしているようでしたし、人影を大きく映しだして不穏な空気を作っています。
不安感は影だけではなく、俳優の演技にも要求され、目を剥くシーンがとても多かった ( ゜∀ ゜)クワッ
これで威圧感を出しています。
また、カザンとの戦闘シーンも拓けた場所で部隊を展開。
砲塔の筒にまで装飾が施されていて、当時の貴族たちの「威厳を誇示するスタイル」が見て取れました。
クルプスキーによって捕虜たちが砦の外側の柵に括りつけられてカザン軍に殺された時、イワンはその残虐行為を責めます。
後の暴君にも良心があったことに驚きです。
というか、この人の前半生は名君と言われていたらしいですね (;・∀・)マジカー
そんな彼も自分が死にそうになったときの貴族の背信、そしてアナスタシアが毒殺されたことで、残虐性が露わになってしまいます。
さらにはクルプスキーがポーランド王に寝がえり…
失意のイワンが一度モスクワを去り、そしてまた戻るところで第1部は終了です。
第2部からは本格的におそロシアになるのね (・_・;)
アナスタシアを毒殺するエフロシニアが「どう考えても見つかるよね」という隠れ方をしているところはツッコミ入れたくなりますが、ストーリーも面白かったです。
ロシアのキンキラぶりを改めて認識しました。
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