映画「そこのみにて光輝く」あらすじと感想【ネタバレあり】彼らの人生で輝ける場所は
函館を舞台にした、綾野剛さんと池脇千鶴さんの恋愛映画です。
菅田将暉さんや高橋和也さんがふたりを取り巻きます。
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あらすじ
毎日を無為に過ごしている佐藤達夫。
パチンコ屋で知り合った大城拓児に気に入られ、家に招かれる。
拓児が住んでいるのはバラックだった。
家の中には、寝たきりの父親とその介護をする母親、そして家事をする姉・千夏がいた。
その夜、飲みに出た達夫は1軒のスナックに入る。
見た目はこじんまりした店だが、奥では売春が行われていた。
その奥の部屋から千夏が出てきて、ふたりはしばし固まった。
すでに泥酔していた達夫は、彼女が売春婦だと知ってクツクツと笑ってしまい、バカにされたと思った千夏は達夫を殴って店から追い出す。
終業後、千夏は彼女を迎えに来ていた一台の車に乗り込んだ、
乗っていたのは、造園業社長の中島。
妻子持ちでありながら千夏を愛人とし、執行猶予中の拓児を雇っている男である。
翌日、達夫は千夏に謝りに行って和解。
そして拓児と一緒に歩いているとき、前職で一緒に働いていた松本から復帰するように頼まれる。
山での岩盤掘削の仕事で、達夫は爆破事故で部下を死なせていることがトラウマとなっていて何度も断っていた。
しかし山の仕事に俄然興味を持った拓児は、自分も一緒に働かせてほしい、と達夫に頼み込んでくる。
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感想
そこのみにて光輝く、というタイトルなのですが、彼ら彼女らが光り輝ける場所ってどこなんだろう？ と考えました。
目の前で若い部下を死なせてしまったトラウマを乗り越えられないまま、貯金も尽きてきてまた山に入ることにした達夫。
千夏と付き合い始めて、中島に彼女を解放するよう直談判したけれど、千夏を救うことはできず、逆に拓児を追い込んでしまいます。
千夏もまた中島との関係を清算したくてもしつこく付きまとわれて暴行を受け、拓児は中島の横暴と侮辱に耐えかねて中島を刺してしまいました。
悪役・中島、全方位に牙を剥き、咲かせてみせます悪の道 (なに言ってんだか)
複雑な家庭事情の姉弟を食い物にする、いいとこなしの極悪人。
コイツのせいで底辺にいる彼らはいつまでたっても浮き上がれませんでした。
拓児は達夫に付き添われて自首し、楽しみにしていた山の仕事を諦めることに。
そして千夏は、認知症でありながら性欲を抑えられない父を殺害しようとします。
間一髪で達夫が止めますが、結局彼女は今の生活から抜け出せない絶望感に打ちのめされたように思えました。
底辺から這い上がることの難しさ。
家族のためにと身を売ってまで働いても、一向に報われない現実。
千夏が、拓児が、そして達夫が、その苦しい人生の中で、たった一つでも光り輝ける場所やものは、本当にどこ、もしくは何なんでしょうか。
どうしてもその問いが残ってしまいました。
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