映画「バベットの晩餐会」あらすじと感想【ネタバレあり】おいしい料理が幸せを運ぶ
アカデミー賞外国語映画賞を受賞したデンマーク映画です。
フランス映画で活躍していたステファーヌ・オードランの代表作になりました。
原作は「愛と悲しみの果て」 (ペンネーム使用) のカレン・ブリクセンです。
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あらすじ
19世紀後半。
デンマークの田舎ユトランドで、牧師の娘たちマーティーネとフィリッパの姉妹が、その立場に恥じない清貧で敬虔な人生を送っていた。
美しかった彼女たちには求婚者も少なからずいた。
パリで負債を抱え、反省のためユトランドの伯母のところに一時預けられた士官ローレンスは姉のマーティーネに一目惚れ。
教会にも出入りして他の信者たちとも馴染んできたが、次第に自分の影が薄くなっている気がしてマーティーネを諦めてパリに戻った。
彼は王妃の侍女と結婚して軍の中で出世街道を歩いて行く。
フランスの有名歌手アシール・パパンは、精神的な安息を求めてユトランドにやってきた。
讃美歌を歌うフィリッパの美声に心惹かれ、声楽レッスンの講師を申し出る。
了承したフィリッパだったが、パパンのあからさまな情欲を感じ取り、数回のレッスンで止めてもらった。
パパンはその日のうちにパリに帰った。
それから数十年経ち、1871年。
ある嵐の日に、パパンからの手紙を持ったフランス人女性バベットが姉妹の家にやってきた。
パリコミューンの革命により夫と息子が処刑され、彼女自身も処刑されそうになっていたのだと手紙に書いてあった。
デンマークへの亡命を希望した彼女に、パパンは唯一の知り合いである姉妹を紹介したのだった。
収入が乏しいゆえ家政婦として雇うことは出来ない、と姉妹は言うが、バベットは何もかも失った身ゆえお手伝いをさせてもらえるだけでいい、という。
何の約束も出来ないけれど、姉妹はバベットに家事を手伝ってもらうことにした。
もう牧師はすでに亡くなっており、家に来る信者たちもだいぶ減った。
そして年を取った彼らは、短気で喧嘩っ早くなっており、昔のことを持ち出しては言い争いを繰り広げる。
集会はいつもそんな感じで姉妹もほとほと手を焼いていた。
バベットが来てから14年の月日が流れた。
不思議なことに彼女に家のことを任せてから姉妹のお金は増えていった。
値切り上手で村の住人や漁師たちとも上手く付き合っているバベットは、故郷フランスの宝くじを購入している。
そしてある日、1万フランが当たり、姉妹は「バベットはパリに帰ってしまうだろう」と寂しく思う。
そんな頃、牧師の生誕100年が近づいていた。
信者たちで集まって亡くなった牧師を偲ぶつもりでいる姉妹に、バベットはその日の晩餐会のメニューは自分にすべて任せてほしい、と願い出た。
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感想
バベットは「本格フランス料理を振舞う」と宣言し、姉妹をはじめ村人たちが見たことのない食材を大量に調達してきました。
生きているウミガメやウズラまで。
続々と厨房に運び込まれ、姉妹は「変なものを食べさせられるのでは…」と心配になります。
信者たちも同じで、みんな当日は振舞われた飲食物の話題はしないようにしよう、と決めました。
14年も一緒に過ごしてきて、なぜこんなに信用がないのでしょう (;´∀`)
保守的で、質素な食事しかしてこなかった人たちには未知の料理は怖かったのかもしれませんね。
だけどそんな雰囲気はどこ吹く風。
将軍にまで出世したローレンスも、夫人を伴って晩餐会に参加します。
舌の肥えたパリジャンのローレンスは、バベットが作ったコース料理と高級ワインに舌鼓を打ち、どれも絶賛。
懐疑的だった姉妹も信者たちも、料理を口に運ぶたびに驚きと満足、そして喜びの表情を出していきました。
おいしい料理は、いがみ合っていた彼らの心を解きほぐしていき、最後のコーヒーを飲む頃にはお互いを許し合います。
「食」という字は「人に良い」と書くとおり、健康の根幹を成しているのだと聞いたことがあります。
それは身体だけではなく、心の健康にも良いのだと改めて教えてくれる映画でした。
食事とは人を幸せにするもの。
ただの生命維持だけではない側面を丁寧に描いています。
とてもいい作品で、心が温かくなりました。
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