ゲーム「EVE rebirth terror」24年を経てやっと巡り合えた満足いく続編
ゲームクリエイターの故・菅野ひろゆきさん (別名義: 剣乃ゆきひろ) がゲーム制作会社シーズウェアに所属していた時代に残した傑作アドベンチャーゲーム「EVE burst error」。
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初出は1995年にR18のパソコンゲームとして発売されたのですが、画期的なシステム・重厚なシナリオ・魅力的なキャラクター・耳に残る音楽など、そのクオリティの高さから2年後の1997年にコンシューマー用としてセガサターンに移植されました。
burst errorからその後
私自身も最初にこの作品に触れたのはセガサターン版です。
初めてプレイしたとき、あまりの面白さに夢中になりました。
クリア後も頭から離れず、印象に残ったシーンやセリフの数々を思い出し、何度も周回して反芻するくらいドップリとEVEの魅力に浸かったくらい。
今でも一番好きなゲームは？と訊かれたら、真っ先に挙げるタイトルです。
そしてその後、EVEは次々と別の制作者たちの手で続編が作られましたが…
どれもちっとも面白くない
絵柄もキャラ設定も世界観も崩壊、ショッキングな死体を大量に出せばいいとでも勘違いしているような薄いストーリー…
中にはburst errorを焼き直したものもありましたが、同じストーリーなのに絵柄が受けつけなかったことやクライマックスのハッキングシーンの音楽を変えられていたことなんかでモヤモヤして、結局嫌悪感しか湧かなかったです。
どれもこれも全部、1回だけプレイしてすぐ売りました。
内容ももう覚えていないし思い出す気もありません。
…続編のどれかが好きな人いたら、ごめんなさい。
もう続編には何も期待しておらず、まだセガサターン本体を持っているので、時々引っ張り出してプレイできればいいや、と考えていました。
ですが数年前、El Diaという会社が、オリジナル版のキャラクターデザイナーだった田島直さんに新たな原画を描き加えてもらった「EVE burst error R」というタイトルを出したと知り、公式サイトを見てみました。
期待大の続編「EVE rebirth terror」
サイトに載っているゲーム画面のサンプルを見ると、馴染み深いセガサターン版の画像をリマスターで見やすくしていて「買い直すならコレがいいかも」と思わせるものでした。
さらに会社名が「エルディア」… 作中で重要な役割となっている架空の国の名前。
もしかして、菅野さんが手掛けた「EVE burst error」への愛がとても深く、その後の続編の体たらくを憂いた人たちで作ったのかな？と思いました。
違ってたらすみません。
で、まあそのときはサイトだけ見て購入はしませんでした。
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そうしたら、いつの間にやらEl Diaで新たな続編が作られた、との情報。
その名も「EVE rebirth terror」
しかもプレイできる機種には、買ったばかりのPS4も含まれていて、正直迷いました。
これまでの続編にさんざんガッカリしてきたので…しばらく様子見の姿勢でいると、レビューがかなり高評価なので、結局購入。
1年近く積んでいましたが、ようやく最後までプレイしました。
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「EVE rebirth terror」概要
「burst error」から一年後の設定というシナリオになっています。
マルチサイトシステムにより、プレイヤーは私立探偵・天城小次郎と特別捜査官・法条まりな、ふたりの主人公を任意もしくは強制で切り替えてストーリーを読み進めるプレイスタイルは踏襲されています。
話がつながっているので、burst errorに登場した人物・場所も多数登場。
出番が少なかった人たちが今作では活躍しています。
今回のストーリーは、小次郎サイドではエール外国人学校に通う女子高生に、忽然と消えた教師の行方を探して欲しいと依頼される人探し。
まりなサイドは食品会社の研究室で亡くなった教授の死の真相を調査すること、から始まります。
前作(burst error)同様、それぞれ無関係に見えた仕事がやがて大きな事件としてつながっていきます。
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感想
めっちゃくちゃ面白かったです…！
ゲームをプレイしていて久しぶりに昂揚しました。
早く先が知りたいとワクワクし、回収される伏線や解明された謎に吃驚し、ピンチでハラハラし、軽妙な掛け合いやギャグに声を出して笑い、そして最後は感動。
初めてburst errorをプレイしたときの満足感と同じでした。
違ったのはラストでの気持ち。burst errorでは哀しみがこみ上げましたが(でも感動する良いラスト)、rebirth terrorは驚きと同時に「ああ、よかった」とホロリ。
本当にケリがついた感じで、24年もの長い年月でやっと本当の続編が来たことが心底嬉しいです。生きててよかった…(そこまでか)
※この先ネタバレになるかもしれないので未プレイの方はご注意ください。
しかもラストに登場するburst errorでの重要キャラクターを演じた声優さんがサターン版の方なので余計に感無量。
R版の声優さんがイヤなわけではないけれど、やっぱりこのキャラにはサターン版の方の声と演技が好きなんです。
彼女の少し寂しそうな「笑って」に(´；ω；｀)ﾌﾞﾜｯ 本当に演技うまし。
そして今作は意外な正体、という人物が結構出てきて、それもまた面白かったです。
小次郎の依頼人が探している人物・美ノ神みなとの正体が分かったときは本当に驚いたし歓喜の声を上げてしまいました。もう大好きなんで(´▽｀*)
正体が分かると「美ノ神」という苗字が可笑しくて…お前コレ絶対自分でつけただろ、と。
加えてburst error以前に菅野さんが手掛けたR18のパソコンゲーム「悦楽の学園」からも意外な人が出てきて、これもまたびっくり。
小次郎のパートナー・氷室恭子ちゃんも、前作に登場した松乃さんも元は「悦楽」の登場人物だから不思議ではないけど、まさかと思いましたよ。
本当にEl DiaさんのEVE愛がすごい。
繰り返しになるけれど、burst errorの続編でクオリティの高いものなんてもう期待していなかった中で、いい意味で衝撃を受けました。
ラストが分かったあとで二週目をプレイしたくなる仕掛けも見事です。
久しぶりに満足感でニヤニヤしながら二週目いってきまーす♪
こちらもよろしくお願いします
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