映画「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離<ディスタンス>」あらすじと感想【ネタバレあり】
1995年公開。
イーサン・ホークとジュリー・デルピーが主演する「ビフォア・シリーズ」の第1弾です。
まさか9年後に続編を作るとは思いもしませんでしたが、さらにまた9年後に続々編が出て驚きました。
これはまた9年後に第4弾を作るかな、と考えていますが今年ですね…
さすがにもうないかも (;^ω^)
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あらすじ
ブタペストからパリに向かう列車の中、とある夫婦が大声でケンカを始めてしまう。
休暇から戻る予定の女子大生セリーヌは、その夫婦と通路を挟んで隣に座っていることに耐えられなくなり席を移動した。
その席の反対隣りには一人で本を読んでいたアメリカ人青年ジェシーが座っている。
同年代でなんとなく気が合いそうな二人は、離れていても聞こえてくる夫婦の怒鳴り声に苦笑いを浮かべ、ジェシーの誘いで食堂車に行くことにした。
ジェシーは新聞記者で、セリーヌは名門ソルボンヌ大学に通っている。
どちらも知的な言葉を駆使することができる二人の会話は、初対面なのにどんどん広がりをみせていく。
実はまだ名前も教え合っていないのに、今回の旅の話・子供の頃の話・家族の話・死生観など、深いところまで話し合う。
会話のキャッチボールが互いに心地よかった。
しかしセリーヌはこのまま終点のパリまで乗っていく予定だが、ジェシーは途中のウィーンで下車しなければならない。
別れがたいジェシーは、一緒に降りようとセリーヌを誘う。
セリーヌのほうも同じ気持ちだったため、その誘いに乗った。
こうして二人は、夜通しウィーンの街を一緒に歩きまわることになる。
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感想
橋の上、バスの中、レコード店、墓地、観覧車、遊園地、カフェ…
二人は気の向くままにいろんな場所を訪れますが、会話が途切れることはありません。
明日になればセリーヌは列車に乗ってパリに戻り、ジェシーは空港に向かってアメリカに帰国。
夜が明けるまでの短い時間を惜しみながら、互いのことを知りあい親密になっていきます。
この映画は派手な演出もなく、特に何かが起こるわけでもなく、ただただ二人の男女が旅先の街を一緒に歩いて会話を交わしていくだけの物語です。
それなのに何故かロマンティックな雰囲気があり、味わい深くて心に残る作品です。
実はこの作品は、リンクレイター監督自身の実体験からきています。
恋人同士ではないけれど、一晩一緒に深夜の街を徘徊しながら互いに語り合った女性。
そのとき監督は、まだ映画業界に身を置いていない青年でしたが、一緒に歩きながら彼女に「今夜のこと、いつか映画にする」と約束したのだそうです。
他愛無い会話だけの映画でありながら、また繰り返し観たくなるのは、こうしたリアリティのある甘酸っぱさがあるからなのではと思います。
付き合っている・付き合っていないはともかく、夜の街を異性と二人きりで歩いた体験はないですか?
普段忘れているけれど、この映画を観るとそのときの風景や空気、心情なんかが蘇る気がします。
そしてふと物思いに耽りたくなってしまう。
そんなノスタルジックな気持ちにさせるのが、この映画の最大の魅力に思えます。
ちなみに、セリーヌのモデルとなった女性が、残念ながら「ビフォア・サンライズ」撮影前に事故で亡くなったのだと監督が知るのは、シリーズ第3作目「ビフォア・ミッドナイト」の撮影前だったとのこと。
ご冥福をお祈りするとともに、この映画の中で “セリーヌ” としてずっと生き続けていることに羨ましさも感じます。
この作品を初めて観たのはもう20年以上前。
ウィーンの町並みがとても魅力的で「いつか絶対行こう」と思ったものですが、未だ実現してません ( ;∀;)
現実は厳しい。
続編はこちら
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