映画「わたしのハワイの歩きかた」あらすじと感想【ネタバレあり】
榮倉奈々さん主演の2014年公開作品。
共演は高梨臨さん。
榮倉さんと三角関係模様を見せるのは瀬戸康史さんと加瀬亮さんです。
舞台がハワイなので、こちらに住んでいる設定の人は、少しずつ英語を披露しています。
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あらすじ
出版社で働く小山田みのりは、もうすぐ結婚する学生時代の友人・愛子から、ハワイで行なう結婚式の二次会の幹事を頼まれた。
会社から、ハワイのガイドブックを作成する、という名目で経費をもぎ取って、幹事の任務と同時に取材という名の遊び歩きができて一石二鳥。
みのりの心は開放感でいっぱいだった。
現地に着いてホテルのバルコニーで飲んでいると、酔っている日本人のオッサンに絡まれている青年が目に入る。
みのりは咄嗟に青年を助けた。
愛子の誘いで富裕層のパーティーに出席し、そこで現地在住の吉村茜を紹介される。
なんとなく気が合い話していると、スーツ姿の男性が近づいてきてパイナップルのワインを勧めてきた。
微妙な味だが、彼の後ろにそれを作っている社長がいる、と言われて、大げさなほど褒め称える。
その社長に、自分が興す事業の出資者になってほしいと思っている男性はみのりに感謝した。
パーティーを抜け出し茜の家で飲み直すと、茜に執着している本間という男が現れる。
茜が富裕層狙いでやたらパーティーに顔を出していることを咎め、自分と一緒になるように説得してくる本間。
茜が傷つくことを言って弱らせて、そこに付け込もうとする本間のやり口に腹が立ったみのりは、彼女を本当に愛しているのなら彼女にふさわしい男を紹介しろ、と啖呵を切る。
翌日も茜と共にパーティーに出向き、そこでみのりはパイナップル・ワインの男性と再会する。
その男性・鎌田勉はハワイでお茶漬けの店をやろうとしていた。
茜はすでに他の男性といい感じになったようなので、みのりは勉と一緒に抜け出して勉のお店に行く。
そして試食させてもらいながら話が弾み、そのまま勉の部屋までついて行く。
しかし勉の部屋は段ボールだらけ。
いろいろと事業に手を出しては失敗しており、マーケティングも行わず、みのりが改良案などを出しても、ダメダメと言って取り合わない。
みのりはなんだか自分を見ているみたいでイヤになり帰ってきてしまった。
翌朝、茜も昨夜の男性とは上手くいかなかった。
そしてみのりが日本で不倫をしていることを知り、昨夜すぐ勉の部屋に行ったことも相まって、茜はみのりをきつく責めた。
二人は喧嘩したまま、みのりは愛子の婚約者と二次会のプランについて話しあった。
この後、財閥の家で行われるカクテルパーティーに行く予定の婚約者のところに、勉が同伴させてほしいと頼んできた。
その流れでみのりもそのパーティーに誘ってもらった。
現地に着いてみると、まだカクテルパーティーが始まる前の美食会が行われていて、しばらく待たなければならなかった。
その間に、本間に誘われてやってきた茜と鉢合わせする。
パーティーが始まり中に入るが、婚約者も勉も商談で忙しい。
手持ち無沙汰で一人飲みながら眺めていると、出資者を掴むのに必死の勉にはその態度がバカにしているように映り、勉とも喧嘩してしまい、勉は帰ってしまう。
みのりが取り残されていると、屋敷のほうがにわかに賑やかになる。
この社交界に新しく参加する人を紹介するらしい。
なんとなく近寄って見てみると、初日にみのりが助けた青年・阿部知哉が、財閥の後継者として紹介されていた。
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感想
富裕層狙いで頻繁に社交パーティーに顔を出す茜に付き合ってみのりは勉と再会し、勉の部屋まで行きました。
茜はアメリカ人向け (と本人は思いこんでいる) の逆ナンで、一人の白人男性といい感じになります。
よくよく話すと彼は狙い通りお金持ち。
家に誘われウットリとOKすると、彼から「家には他の女の子たちもいるけど、いいよね?」と言われました。
アメリカでは一般的な恋愛システム “デーティング” 。
付き合う前に気が合うかどうかを確認するための、いわゆる “お試し期間” というものです。
複数の異性と同時進行でデートしたり、それ以上のことをしたりすることも当たり前。
茜の相手は全員と一緒に住んでいる猛者ですが、これはさすがに珍しいケース (らしい)
冗談じゃない、と茜は家に行かずに帰ってきた、という顛末です。
一人に絞る前にお試し期間を設けて、合わないと思ったら切り捨てる。
ドライなアメリカ人らしい合理性ですが、これ、切り捨てられた方は結構傷つくと思うのですが…。
面倒がなくていい、という側面もありますが、真剣な恋愛に飛び込んでみる勇気がない人たちのチキンな策にも見えます。
お試しがあった方が時間の無駄が省かれていい、という寸法なのでしょうか。
お試しだろうと真剣交際だろうと、別れたとき、この人に費やした時間は無駄だった、となるのは一緒な気がします。
人それぞれの価値観なので何とも言えませんが、もし「まずはお試しで」なんて言われたら私はちょっと… 引いちゃいますね。
なんとなく、本当は恋愛なんかする気がない自分本位なエゴイストという印象を受けるんで。
みのりに切られた啖呵で反省した本間は、本当に茜に良さげな男性を紹介します。
その男性と接近させるため、本間の秘書とウソをついて美食会に茜を連れていきました。
そのとき本間は茜に「相手に、何かしてあげたい気持ちにさせろ」とアドバイスします。
どうやら本間の好みは、自分を何かと頼ってくれるか弱い女性のようです。
一方、みのりとつきあい始めていた知哉。
しかしみのりが勉のほうを本当は好きだと感づき、茜にグチをこぼします。
酔っ払って完全に絡み酒のなか、茜が「アナタなら他に言い寄ってくる女性がいるでしょう」と慰めると、知哉は「彼女はうなずかない女なんだよ!」と怒鳴ります。
知哉の方の好みは、自分の言いなりにならない強い女性と分かります。
二人とも両極端な好みに見えますが、人間の中身にはどちらの性質もあるのではないでしょうか。
どちらが色濃く出るかに差はありますが、決して「か弱いだけ」「強いだけ」という人はいないと思います。
実際、本間は茜を弱らせようとしますが、茜はかなり気が強くズバズバ言うし、単身ハワイに移住しているくらい一人でわりと何でもできる強い女性です。
みのりも知哉の好み通り、気が強くて思ったことをハッキリ言いますが、付き合ったきっかけは、不倫の恋に傷ついて泣いているみのりを慰めたことでした。
どんな人が好みなのかは普段の言動に出るものですが、実際に好きになるときは、案外好みなんてものは当てにならないと思ってます。
ラストの結婚式シーンでは冒頭に出てきた友人がスピーチをします。
ここハワイの挨拶 “アロハ” の「アロ」は「分かち合う」、「ハ」は「呼吸」。
“呼吸を合わせる” すなわち “息が合う” という意味なのだそうです。
夫婦には一番重要なことではないでしょうか、で締めくくられるスピーチにこの映画のメッセージが込められています。
お金持ちであろうとなかろうと、好みのタイプがどうだろうと、一緒にいて息の合ったコンビになれること、がいい夫婦の秘訣かもしれません。
全編ハワイPR映画でした。
開放感のある南国の雰囲気、めちゃくちゃ癒されます。
悩みがあるときや落ち込んでいるときに是非。
行ったことある方はご存知だと思いますが、ハワイって風が甘いんですよ。
そのくせすごく爽やかで…
日差しも強いけれど痛いほどではない。
あんなに気持ちよく昼寝できた経験はなかった、と観ながら思い出していました。
そのくらいハワイ独特の雰囲気や風を感じさせる映画です。
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